天狼 Sirius the Jaeger
エピソード
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蘇えりし者、夜に嗤う
上海の空、静かな闇夜に輝く満月。その光を縫うように、一人の青年が歩いていた。名をユーリィ。仲間たちと合流し、群れとなった彼らが向かう先は、胡乱な館。そこで催されている宴を饗しているのは、吸血鬼ヴァンパイアだった……。館に侵入し獲物を屠る彼らは、自らを「狩人」と呼ぶ。日本へと渡航した一行はV海運を名乗り、秘密裏に吸血鬼ヴァンパイアの動向を探る。折しも巻き起こる凶悪な事件の数々。その点が一本の線になった時、「天狼」が牙を剥く――。
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妄執する黄色い華
手負いのユーリィを助けたのは、華田という名の研究者だった。傷が癒えるまで、彼の邸宅に留まることになったユーリィ。華田の娘である咲との穏やかな時間は、彼に束の間、戦いを忘れさせる。だが、その安寧はすぐに破られた。突如邸宅に侵入する吸血鬼ヴァンパイアの群れ。その目的は、華田の研究成果である人工心臓の奪取にあった。親子を引き裂く吸血鬼ヴァンパイアの非情な爪牙に狩人たちは・・・。
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とけないゆき
華田親子の一件をきっかけに、ユーリィは思い出す。故郷のドッグヴィル村で暮らしていたあの頃を――。狩りをしながら穏やかな生活を送っていたユーリィ。だが、そこにシリウスの匣を狙う吸血鬼が襲来する。母を殺され、兄と逃げるユーリィだが、魔手は振り切れない。一命を取り留めたものの、彼のために身を犠牲にした兄は行方不明となってしまう。そして今――兄ミハイルが吸血鬼となった事実にユーリィは苦悩する。自分の牙を、果たして兄にも向けることができるのだろうか、と。
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謀略の蟻
仲間たちと触れ合い、強張っていた胸のうちが少しだけ解れたユーリィ。だが、ウィラードより炙り出された闇の気配が、再び彼を突き動かす。列車にて向かう先は御殿場、アルマ商会が関与した新兵器の演習先。その道中で交錯する、百虎党の目論見、伊庭の詮索、涼子の思い、そして……ユーリィの望み。乗客の中に見つけた親しげな姉妹の姿に、思わず微笑んだその口元が――震える。振り向きざまに彼が認めた懐かしい貌。見間違えるはずがない。生きて出会えた、たったひとりの家族のことを。
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荒ぶる鉄棺
死んだと思っていた兄・ミハイルとの邂逅を果たしたユーリィは、狩人と吸血鬼の宿命――お互いが敵同士になるという非情な宣告に言葉を失う。同じ頃、アルマ商会から資金援助を絶たれた百虎党が報復のため列車襲撃を行う。居合わせた狩人、伊庭、涼子が動く。そして、兄の言葉を振り切るようにユーリィも列車を駆けるが、行き先を阻むのはクラルヴァインが生みだした人造兵器だった―
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マネシツグミの警笛
ミハイルが去り際に残した言葉、「シリウスの匣」。ウィラードから「匣を使えば、復讐以外の生き方もあるかもしれない」と告げられたユーリィは逡巡する。だが、彼がその答えを得る前に、吸血鬼たちは行動を開始していた。直江家を嗅ぎ付けられ、襲撃を受ける狩人達。徐々に追い詰められ、生死が掛かった戦闘中に交わしたフィリップとの会話が、ユーリィの胸中をなおも揺らす。「兄とともに生きる」、そんな可能性が頭を掠めた時、聞こえてきたのはカーシュナーの息遣いだった……。
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讐敵の炎、哭白の刻
直江邸での戦いの火花の中、ユーリィはカーシュナーからウィラードの過去を聞かされる。 ウィラードがドッグヴィルへの襲来に加担したとの事実に激昂したユーリィは悲痛な叫びと共に天狼化し牙を剥くが……父親のように思っていた彼の前に泣き崩れる。 ドッグヴィルが襲われた理由となる手掛かり『天狼の匣』。 叡智の結晶が詰まっているとされるそれに最も近いとされるエフグラフという吸血鬼。 狩人の群れを離れ、ユーリィは「天狼の匣」を探す手がかりを探しに、樺太へと向かう。
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然る者、紫煙に薫る
シリウスの聖地へと到着したエフグラフとミハイル。彼らは刻々と匣に近づきつつあった。父が命と引き換えに施した封印を解くため、ミハイルは禁断の地に足を踏み入れる。吸血鬼になってなお、彼の胸に去来するものとは…? だが、想い虚しく拒絶され、苦しみ悶えるミハイル。その様子を見たエフグラフは、狙いをミハイルの弟に定めるのだった――。一方、樺太に降り立ったユーリィは、そこでビショップという男と出会う。彼は、狩人だった――。
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残痕の朋輩
樺太の山奥で、匣と、そして父であるアレクセイについて知る老人・赤坂に出会ったユーリィ。だが、赤坂は頑なに情報を渡そうとしない。父親がこの樺太で何をしたのか、そして今どうしているのか……。大泊に戻ってきたユーリィとビショップは、樺太に着いたばかりの伊庭と涼子に出会す。その夕暮れ、涼子から「父親は、愛する家族を守ろうとするもの」と語られるユーリィは、星を見上げ、父親に思いを馳せるのだった――。翌日、再び赤坂から話を聞くユーリィ。彼が口を閉ざしていた理由は、ある大切な「約束」にまつわるもので……。
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深淵にさまよう狼
ビショップとの連携により、虎口を脱したユーリィ。ふたりがようやく辿り着いたシリウスの聖地、その深淵でユーリィは父・アレクセイの面影を幻視する。父が匣を封印するに至る記憶、それは、人間との共存を願う「新たなシリウスの誇り」に端を発したものだった。だがユーリィは、父が採った「誰かの幸せのために他の誰かが犠牲になる」という行いを峻拒する。そして、匣を封印する以外の術を模索し、父が思い描いた「新たなシリウスの誇り」が間違っていなかった事を証明すべく、決意を固めるのだった。
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咆哮の宴
ビショップの突然の裏切りが、ユーリィを揺さぶる。彼はヴァンパイアだった……。そんな彼を「信じる」と断じ、ふたりは再度共闘関係を結ぶことに。だが、そこに立ちはだかったのは――ミハイル。その瞳は紅く、ユーリィを躊躇なく襲う。匣を奪われ、命まで奪われかねない状況に、ユーリィはかつての会話を想起する。「お前の手で俺を殺してくれ……」。その言葉どおりの展開になりかけた刹那、狂気の瞳に理性の光が再び灯る。彼は自らウィルスに感染し、血の盟約から逃れたのだ。そしてミハイルは吐露する。ユーリィに対する、積年の想いを――。
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天狼の匣
匣を飲んだエフグラフは姿を変えて暴れだす。ウィラードはユーリィにドッグヴィル村で発見した対になる匣を渡す。ミハイルはエフグラフから匣を抜き取り絶命させたあと、病死する。匣を手に入れたユーリィは一人旅立ち、世界から追われる身となった。
スタッフ
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3D監督
桐谷太力 -
アニメーションキャラクターデザイン・総作画監督
松浦麻衣 -
アニメーション制作
P.A.WORKS
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キャラクター原案
西村キヌ -
コンセプトデザイン
竹内志保 -
シリーズ構成
小柳啓伍 -
プロデュース
インフィニット -
原作
Project SIRIUS -
撮影監督
出水田和人 -
擬斗
佐藤雅弘 -
監督
安藤真裕 -
編集
高橋歩 -
美術監督
東潤一 -
色彩設計
菅原美佳 -
製作
「天狼 Sirius the Jaeger」製作委員会 -
音楽
横山克 -
音楽制作
ミラクル・バス -
音響制作
マジックカプセル -
音響監督
明田川仁 -
アクション監督
佐藤雅弘 -
アニメーションキャラクターデザイン
松浦麻衣 -
擬斗
佐藤雅弘 -
総作画監督
松浦麻衣
キャスト
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アガサ
大原さやか -
ウィラード
堀内賢雄 -
エフグラフ
津田健次郎
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カーシュナー
子安武人 -
クラルヴァイン
飛田展男 -
ドロテア
森なな子 -
ファロン
武内駿輔 -
フィリップ
小林裕介 -
ミハイル
櫻井孝宏 -
ユーリィ
上村祐翔 -
伊庭秀臣
間島淳司 -
昭元二郎
田所陽向 -
直江涼子
高橋李依 -
昭元
田所陽向