イリヤの空、UFOの夏
エピソード
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第三種接近遭遇
夏休み最後の夜、浅羽直之は学校のプールに忍び込んだ。誰もいないプールで存分に泳ぐつもりだったのだ。しかし、そこには水着の少女がいた。名前は伊里野加奈。彼女の手首には、なぜか金属の球体が埋め込まれていた。浅羽が伊里野に泳ぎ方を教えていると、不意にサイレンが鳴り、“伊里野の兄貴みたいなもの”と名乗る男が現れる。有無を言わさずプールから立ち去るように言われた浅羽の耳に、奇妙な言葉が飛び込んでくる。「戦争は1947年から始まってた、みんな気付いてなかっただけ」
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ラブレター
園原電波新聞部に所属する浅羽は、部長の水前寺邦博から、転校してきた伊里野とデートするよう命じられた。伊里野と仲良くなり、新聞部に入部させるためである。水前寺の強引さに負け、浅羽は伊里野を映画に誘う。そして日曜日、デートは無事にスタートした…はずだった。浅羽と伊里野の後をつける、二組の男女がいたのである。一組は浅羽の妹の夕子と、デートをけしかけた張本人の水前寺。もう一組は、“イリヤの兄貴”を自称する榎本と、保健室の先生である椎名だった…。
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十八時四十七分三十二秒
園原中学校の学園祭“旭日祭”が近づいていた。伊里野も一新聞部員として浅羽に参加を促される。榎本は旭日祭がどんなものか知らない彼女に、フィナーレの“ファイアーストーム”では男女でフォークダンスを踊ることを話す。それ以来、伊里野は浅羽とフォークダンスを踊ることを楽しみにしていた。ところが旭日祭の当日、フィナーレが近付いても伊里野は姿を現さない。心配する浅羽に、伊里野から一本の電話が掛かってくる。旧園原演習場の六番山に一人で来て欲しいと言うのだが…。
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水前寺、応答せよ
園原基地の方角で突然の爆発が起き、さまざまな憶測が飛び交っていた。園原中学校では安全措置として、生徒は次の登校日まで自宅待機という措置がとられる。そんなある日、晶穂は新聞部の“おいしいお店紹介”という記事の取材に伊里野を誘う。浅羽との関係を疑う晶穂は、あの手この手で質問を浴びせるが、つっけんどんな答えが返ってくるばかり。伊里野が自分と同じものを注文して一心不乱に食べ始めるのを見た晶穂は、大食い対決を挑まれていると感じて…。
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最後の道
巨大な力からの逃走を図った浅羽と伊里野は、自分たちだけの秘密基地に隠れ、平穏な日々を過ごしていた。しかし、安息の日々も長くは続かなかった。伊里野に襲いかかった事件を境に、二人の気持ちはことあるごとにすれ違うようになってしまう。秘密基地を追われた浅羽は、疲労と焦燥感から心ない言葉を伊里野に投げつけてしまう。全てが思いもよらぬ方向へ進み、後悔し、戸惑う浅羽。そして辿り着いた親戚の祖母の家には…。
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イリヤの空、UFOの夏
浅羽を待ち受けていた榎本は、伊里野の秘密やこの国の現状についての真相を語る。現在のこの国は戦時下に置かれ、伊里野が戦闘機のパイロットとして敵国の兵士を殺していること。そして3日後に迫った最後の決戦に出撃できるパイロットは、もはや伊里野ひとりしか残されていないこと…。戦闘機の発着場に連れてこられた浅羽は、榎本から大きな決断を迫られる。浅羽と伊里野の短すぎる夏の物語が、今、終わりを告げようとしていた。
スタッフ
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アニメーション制作
東映アニメーション -
キャラクターデザイン
倉嶋丈康 -
キャラクター原案
駒都えーじ
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シリーズディレクター
伊藤尚往 -
ブラックマンタデザイン
佐山善則 -
プロデューサー
柴田宏明 -
企画
佐渡和隆 松井智 -
原作
秋山瑞人 -
秋山瑞人
電撃文庫 -
総作画監督
志田ただし -
美術デザイン
井芹達朗 -
脚本
横手美智子 -
色彩設計
小日置知子 辻田邦夫 -
製作
ハピネット・ピクチャーズ 東映アニメーション -
音楽
高木洋
キャスト
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エリカ・プラウドフット
今井ちひろ -
伊里野加奈
野中藍 -
先坂絵里
儀武ゆう子
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如月十郎
小杉十郎太 -
島村清美
立野香菜子 -
椎名真由美
桑島法子 -
榎本
井上和彦 -
水前寺邦博
神谷浩史 -
河口先生
高塚正也 -
浅羽の母
渡辺美佐 -
浅羽の父
山崎たくみ -
浅羽の祖母
山本圭子 -
浅羽の祖父
佐藤正治 -
浅羽夕子
高野直子 -
浅羽直之
浪川大輔 -
浮浪者
宮本充 -
田代教頭
園部啓一 -
花村祐二
田中大文 -
草壁
金月真美 -
西久保正則
藤本たかひろ -
須藤晶穂
千葉紗子