テレビまんが 昭和物語
エピソード
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昭和三十九年元旦
大田区蒲田で町工場を営む山崎家。工場社長の父・有三、母・佳乃子、祖母・ヨシ、大学生の長男・太一、高校生の長女・裕子、そして、主人公の小学五年生の次男・山崎公平。先代から仕えるゴローさんや隣のアパートの良さんを交え、昭和39年元旦を迎える。 しかし、太一が有三に工場は継がないという言い争いから大喧嘩。 こたつは壊れ、おせちも台無しにしてしまう。公平はお年玉の心配をするが、無事に有三からお年玉をもらう。友人の敏也と漫画とプラモを買おうと商店街へ出掛けるが、正月で閉まっている。 公平達は子どもだけで行ってはいけないと言われている蒲田駅の歓楽街へ行き、大冒険。一方裕子は、友人の弘子・節子と初詣へ行き、同じ高校の先輩・沢渡に出会う。 夜、佳乃子が作り直したおせちが並び、有三以外の家族が揃って新年の挨拶をする。そこへ酔っ払った有三が良とゴローに抱えられて帰宅。皆「しょうがないな」と思いつつも、寝ている有三を見てほっとする。こうして、山崎家の昭和39年は始まった。
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二十歳・太一の失恋
学生服で成人式に出る太一。 友人・堀越に連れて行かれた歌声喫茶で和服姿の美女・三浦久美子に声をかけられ、ダンスパーティーに誘われる。その夜、二十歳の時に戦争で家族を背負う自覚をしたと語る有三を、面倒に感じる太一。 日曜、太一は清楚であったはずの久美子の派手な格好に戸惑う。久美子も学生服で来た太一に落胆する。銀座のゴーゴー喫茶に入ったものの、太一は久美子に帰った方がいいと言われ、ショックを受ける。 一方、裕子は沢渡に自分が気にしている背の高さをモデルみたいだと言われ、喜ぶ。 失恋した太一は良の部屋で酒を飲み、多摩川まで走って、久美子のことを忘れようと叫ぶ。帰宅した太一は、有三が成人式の夜に語ったことを思い出し、時代が違うとは思いつつも、自分はまだまだ子どもだと感じるのだった。
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クレイジーな大冒険
金持ちの転校生・鳥居に、飛行機のペーパークラフトを作らせてもらうことになった公平。公平は有三に、鳥居が行った船橋ヘルスセンターに連れていけと言うが聞き入れてもらえない。翌日には飛行機作りを断る有三にペーパークラフトを弾き飛ばされ、公平は家を飛び出す。そのまま敏也・信一と新しくできた羽田空港のC滑走路へ入り込んで遊ぶが、警備のパトカーが来たため、トラックに乗り込み逃げる。 停車したトラックから出て走ると、異国の倉庫街のような所に迷い込んでしまい、警察に保護されてやっと帰宅する。有三にビンタされてふてくされる公平。しかし、その日の夜中、有三が完成させたペーパークラフトを見て感激する。 翌日、有三の誕生日には、公平からの「父ちゃんごめんね」と書かれた手書きの「山崎ヘルスセンター"ご正体"券」が卓袱台の上に置かれていた。
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春よ来い
あこがれの沢渡の卒業を前に、「第2ボタンをください」と言い出せない裕子。 花柄のノートに想いを綴るが、体育館で沢渡と二人きりになった時にも言い出せず、翌日の卒業式にかける。翌朝、太一と有三が喧嘩を始めてもみ合いになり、ちゃぶ台のしょうゆ皿がはねて裕子の制服が台無しになってしまう。裕子は落ち込み、卒業式で沢渡に近づくこともできなかった。 有三の試作品が大手の正式受注が決まり、一家はお祝いムード。太一も有三に言いすぎたことを謝る。佳乃子は、沢渡に声もかけられなくて泣きはらした様子の裕子を、食卓へ連れてくる。皆何でもないように振る舞い、裕子もおずおずと加わった。 数日後、裕子は偶然にも沢渡と再会し、食事に誘われる。 裕子は喜び、元気になるのだった。
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小遣いとキャッチボール
買い物のつり銭で漫画を借り、両親に叱られる公平。 六年生だからと小遣い値上げを訴えるも、有三に突っぱねられる。 数日後、公平は新聞配達のバイトの話を聞いて配達所へ行くが、朝4時からと知って諦める。 翌日、有三に断られ、太一とキャッチボールする公平。 しばらくすると、近所の向井製作所に春から集団就職で来ている辻本が通りがかったのを見かけた太一は、バイトへ行くために代わりを頼む。以前、辻本にボールを遠くへ投げ飛ばされたことがある公平は最初こそ戸惑うが、中学時代に野球部だった辻本に投げ方を教えてもらう。一息ついたとき、辻本が家への仕送りのために秋田から集団就職来ていると聞き、公平はお金の有難みを少し考えられるようになった。 「子どもは可愛がれるうちに可愛がっておけ」と向井に言われた有三は、タバコのつり銭を公平に小遣いとして渡し、キャッチボールをする。 公平は教わった投げ方で有三に感心されたが、有三とキャッチボールをできる方が嬉しかった。
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最悪な子供の日!
試合に向け、公平達は下級生を巻き込んで空き地で厳しい野球の練習をしていた。しかし、隣家のガンコ爺の家にボールが入ってしまう。ボールを取りに行くのを押し付けられ、公平はこっそり庭に入って探すが、ガンコ爺に見つかり説教される。 一方、坂下工業への納品物を渡したはずの仲介業者の島田が行方不明になり、有三達は品物を作り直す羽目になってしまう。 翌日、公平達はガンコ爺の家のガラスをまた割ってしまう。公平は逃げるかどうか迷ったが謝りに行き、ガンコ爺が怪我をしないよう隈なくガラスを探した。 家に帰ると、公平は、下級生への特訓の無理強いのことを聞いた有三に殴られる。太一に、良かれと思っても相手に迷惑なこともあることや、今の有三の状況を聞かされた。 さらに翌日、ガンコ爺から長嶋のサインボールを貰い喜ぶ公平。 しかし、空き地は資材などが置かれ、遊べなくなってしまった。 有三たちは、頑張った甲斐あって無事に納品でき、元請の坂下工業と直接取引することになった。
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ゆれる恋とプールサイド
校内ソフトボール大会決勝。ピッチャーは公平達も一目置く風間。 公平も張り切っていたが、細川のミスで試合に負けてしまい、クラスで細川はいじめられるようになる。初めは、細川のことを怒っていた公平も次第に可哀想に思い始めるが、何もできない。 翌日、プール掃除は中止になるが、風間と数人が汚れたプール掃除を細川に強いる。 公平が止めようとした瞬間、新潟大地震が起こり、風間はバランスを崩してプールで溺れてしまう。 その時、細川がプールに飛び込んで風間を助ける。公平達は、細川を見直し、今までのことを謝る。 沢渡とのデートのために両親に内緒でアルバイトを始め、新しい服で裕子は出かけようとするが、有三に叱られる。裕子は有三に反発。沢渡に会い、告白されてファーストキスをするのだった。
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離婚防衛軍
夏休みの北海道旅行が、有三の仕事で中止となり駄々をこねる公平。有三が笑った写真を見せて旅行に行く気にさせようとするが、写真は見つからず絶望する。 その様子を聞いた佳乃子は、同窓会の招待状を思い出し、実家・真下家がある横川へ公平を連れて行く。真下家で満喫した公平が昼寝から目覚めると、佳乃子は綺麗にオシャレして同窓会に出かけるところだった。佳乃子の妹・佐代子に、同窓会で昔の想い人・登志夫に会うと聞いた公平は、会場の外で見張る。途中、佳乃子を見失ってしまった公平は、佳乃子が登志夫の元へ行ってしまうのではと焦り、神社にいた佳乃子を必死に引き止める。 しかし、佳乃子は有三と一緒になったことを神様にお礼するために行ったのだった。公平は佳乃子と有三の馴れ初めを聞き、唯一有三が笑った写真は、自分達が生まれた時のものだと知る。公平は有三に一番大きなお土産を持って帰った。
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爺ちゃんの幽霊!?
給水制限がかかる夏の関東。 盆踊りの太鼓の練習の夜、公平は亡き祖父・有太郎に叱られ、脅かされる夢を見た。 翌日、有太郎に瓜二つの弟・繁三郎が現れて仰天する。 裕子は沢渡からブラウスをプレゼントされ喜ぶが、同伴喫茶に入るのを拒み、家に帰った後も悩む。 その夜、公平はタライの水がないことを有三に問い詰められ、水鉄砲遊びで使ったと白状する。 ヨシに馬鹿にされた公平は、ヨシに「どっか行っちゃえ」と言ってしまう。 その後、公平は繁三郎からヨシが戦争で水に対する辛い思い出があると聞かされる。 翌日、ヨシがいなくなり、公平は昨日の発言を思い返し青ざめる。 家族が警察に届けるか考え始めた頃、ヨシが帰宅。公平は泣いて謝る。 ヨシは有太郎の墓参りのため、深川まで水を分けてもらってきたのだった。 盆踊り当日、雨は降ったが、水不足が解消される嬉しいものにもなった。
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夏休みの終わり
お供えのご飯を公平が落とし、そのまま有三に渡して神棚に供えたことから事件は起こる。良のアドバイスで、公平は宿題の絵を笑っている有三にしようと決めるが、仕事をする有三の顔は厳しい。有三はお供えを新しく替え、公平も神棚に手を合わせるが、仕事は上手くいかない。 翌日、文具屋に画用紙を買いに行った公平は、敏也の万引きを知り困惑する。家に帰ると、仕事の上手くいった有三は笑顔で、公平は早速絵を描こうとするが、絵の具が足りず再び文具屋へ。店を出ると、母親に泣きながら連れられる敏也を目撃した。 皆が公平の描いた絵を褒めてくれたところに、裕子が万引きしたという電話が入り、騒然となる家族。佳乃子達に連れられて帰った裕子に有三は手を上げかかるが、裕子はごめんなさいと言い残して部屋へ行ってしまう。公平は、神様がまだ怒っている気がした。
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ねえちゃんの星空
裕子は沢渡に会いに行き、家の居心地の悪さを吐露する。 その頃家では、帰らない裕子に有三は苛立ち、佳乃子は心配していた。太一達は裕子を探しに出る。沢渡と別れた裕子は、みゆき族一斉補導の話を聞いて沢渡を探すが、女の子と同伴喫茶へ入っていくのを見てショックを受ける。 自分が見たことを沢渡に突きつけて別れを告げた裕子は、放心したように羽田空港行きのモノレールに乗っていた。良はモノレール開通のニュースを見ていた裕子を思い出し、羽田空港へ向かい裕子を見つける。裕子は驚くが、良に失恋したことなどを話す。 ようやく帰った裕子を有三が怒鳴りつけた瞬間、有三を遮って二人の間に割って入った佳乃子が裕子を平手打ちする。裕子も有三も驚くが、裕子はきちんと謝罪し反省する。翌朝、沢渡への想いを綴っていた花柄のノートがゴミ箱へ捨てられていた。
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秋風が泣いた、別れの日
裕子は沢渡の事は吹っ切っていたものの、家族、特に有三とギクシャクしていた。一方、公平は有三が仕事で運動会を見に来られないと分かり、不貞腐れる。更に、敏也が大阪に引っ越すことを知ってショックを受ける公平。敏也が欲しがっていた長嶋のサインボールを餞別に渡そうとするが、公平の宝物と知る敏也はそれを突っぱねる。 有三は「仕事ばかりで子ども達にまともに接しようとしない」と佳乃子に批判され、口論になる。しかしその後、有三は佳乃子の言葉を思い返し、自分の接し方を改めて考えた。翌日、学校行事で聖火ランナーを見にいっても、敏也が気がかりな公平。公平は、信一とともに敏也の乗る小型トラックが出発する所に駆けつける。敏也にサインボールを投げる公平。 それを受け取る敏也。公平と信一はいつまでも敏也を乗せたトラックを見送った。敏也との別れで落ち込む公平を見て、有三は公平とキャッチボールをする。しかし、ボールを投げ返そうとする公平の目の前で有三が倒れた。
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ボクたちのオリンピック
有三が緊急手術になると分かり、不安を募らせる一同。有三は、仕事をゴローに、家の事を佳乃子に、そして自分に何かあった時の後を太一に頼み、手術室に運び込まれた。 太一はゴローの手助けに工場へ戻り、仕事を手伝うことを通して職人のすごさを感じる。裕子は有三につく佳乃子に代わり、すすんで家事を請け負う。 有三の手術は無事成功。裕子や太一を見て、公平は自分も何かをしたいと感じる。そこへ有三が聖火台の部品を作ったと知り、入院中の有三にカラーテレビで聖火を見せる事を思いつく。当初は無理と言っていた家族達も「家の白黒テレビならば」と考え直す。しかし、テレビを運び出そうとした処にカラーテレビを買ったヨシが現れ、家族とゴロー達は協力して病院にカラーテレビを運び込む。 太一・裕子と有三のわだかまりも解決し、一同はテレビを囲んで聖火台を見た。 有三の退院後も、テレビでオリンピックを見て盛り上がる山崎家とゴロー達。 しかし、忽ちいつものドタバタ騒動に。山崎家には、以前の様に賑やかな声が響いた。
スタッフ
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キャラクターデザイン・作画監督
柳野龍男 -
シリーズディレクター
村上匡宏 -
プロデューサー
竹内宏彰、宋美善
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監修
菅野哲夫 -
監督
釘宮洋、東郷光宏 -
脚本
荒川稔久 -
音楽
林魏堂 -
音響監督
本田保則
キャスト
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山崎ヨシ
京田尚子 -
山崎佳乃子
玉川砂記子 -
山崎公平
千葉翔也
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山崎太一
青木誠 -
山崎有三
松本保典 -
山崎裕子
福圓美里 -
沢渡裕介
吉野裕行 -
田代吾郎
塚田正昭 -
高柳良
高木渉