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彼女はそれまで“外の世界”を知らなかった。 初めて触れるモノ、初めて見る風景、そして初めて出会う人々……。 そんな“世界”の広がりに、戸惑い、驚き、目を見開く。 名前は紗名(さな)。 “研究所”と呼ばれる施設で、“外の世界”を知らずに生まれ育った少女。 しかも、あらゆる想像を具現化する——「アリスの夢」と呼ばれる特殊な能力の 持ち主でもあった。 そして初めての“外”で、彼女はひとりの老人と出会う。 名前は樫村蔵六。「曲がったことが大嫌い」で「悪いことは悪い」という 頑固じいさん。 そんな蔵六との出会いが、紗名の運命を大きく変えていく。 紗名を追う謎の組織、次々と現れる能力者たち、そして心優しい人々との 出会い……。 世間知らずだった“アリス”は、鏡の門(ルッキング・グラス)を抜けて、 世界の本当の姿を知ることになる。 ——そう、これは、私がまだ、自由に夢の国へ行けた頃の話。
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