アサティール 未来の昔ばなし
エピソード
-
ザルカの警告
とある砂漠の町は、町を狙うの侵略者の動きを千里眼を持つ少女ザルカが察知してしまうので鉄壁の守りを誇っていた。ザルカは首長に信頼を置かれていたが、首長の息子アムジャドに首長が代替わりすると盗賊が一計を案じたため、ザルカを信じられなくなってしまう。ザルカに辛く当たるが、町が危機に陥った時、ザルカは身を挺して町を救おうとする。
-
もしかしたらよかった
「もしかしたら良かった」が口癖の男イスハークは、いつも空気を読まずにその言葉を口にしてしまう。本人は前向きなつもりでも、言われた方はタイミング次第ではたまったものではない。とうとう雇い主の大富豪の不興を買い牢に入れられてしまったイスハーク。そんな父に呆れる息子のムラドだったが、父の口癖はかつてムラドが怪我をして足が不自由になった事にあったと知る。
-
ラクダの娘
仲睦まじくも子に恵まれなかった夫婦が、「たとえラクダでもよいから子が欲しい」と願うと本当にラクダの娘、ジャミーラを産んだ。ジャミーラは村に受け入れられ元気に育つが、彼女が特別扱いされる事が気に入らない男の子は、ジャミーラに辛く当たった。ジャミーラは願いが叶う不思議な花の存在を知り、人間になりたいと旅立つ。
-
魔物と貧者と福者の兄弟
貧しい実直な弟と金持ちで強欲な兄による「舌切り雀」的なお話。弟は子供の病気を治すため魔物が住む洞窟に薬草を取りに行く。弟は魔物と遭遇するが、魔物が集めた宝物に興味を向けないため魔物に見逃される。戻ってきた弟の話を聞いた兄は、宝物目当てに洞窟へ行って魔物を出し抜こうと画策するが、魔物に見抜かれ酷い目に合う。
-
才能と勤勉
12歳の少年ダーフェルは、計り知れない怪力の持ち主だった。人々が彼を頼ってダーフェルもそれに力を貸すが、次第に傲慢な子供へと変貌していった。祖父ラヒムはそんなダーフェルに自らのバナナ農園での収穫勝負を持ち込む。力任せに収穫されたバナナはボロボロで商品価値無しと見なされ負けてしまう。打ち拉がれるダーフェルだったが、そこに川に落ちた女の子の悲鳴が聞こえた。
-
まじないの楽器
領主の娘サヘルは、母に刺繍を習うより外で遊んでいたいお転婆娘。そのサヘルの町で行方不明者が多発する。事件に首を突っ込んだサヘルは、盗賊が人を操り掠って売ろうとしている事を突き止めるが、捕まってしまう。自分を売るより刺繍をさせた方が得だと盗賊に主張するサヘルは、刺繍をさせて貰う事に成功する。
-
アンタラ
一人前のアラブ騎士となったアンタラは、幼馴染みで従妹のアブ・ラに恋をしていた。叔父に結婚の許しを請うが断られる。叔父はアブ・ラの幸せを考え、お金を稼げる男に嫁がせたいのだ。しかし食い下がるアンタラに条件をクリアしたら考えないでもと言った事でアンタラは次々に困難に立ち向かう。
-
王子と幸福の塩
父王が宴会で自分への愛の深さを三人の王子に問うと、三男サッタムは「塩と同じくらいに愛しています」と答えた。その答えに失望した父王はサッタムを城から追放する。サッタムは砂漠を彷徨い、貧窮を極めた町へとたどり着くと砂漠の道中で見つけた岩塩の鉱脈を元手に町を復興させた。
-
無口な娘
頑なに言葉を話さなくなった若き王女を憂う王は、娘に口を開かせたらその者と結婚させると触れを出す。しかし、どんな者も王女に言葉を引き出す事かできなかった。そこに旅の軽薄な男が現れ話をすると……王女が突然声を出した。男の話の登場人物に己の身を重ねてしまったのだ。王女の本意を知った王は娘の本当の幸せを探そうとする。
-
ハーティム
砂漠で困った人々を対価を求めず持てなす。そんなアラブの砂漠のしきたりを頑なに守る男ハーティムは、その寛大さから人々の評判となっていた。だが、ハンダラという男は、ハーティムを信用せず、彼の元へ人を誘導した。しかしハーティムは家族が食べる分を後回しにしてでも客に食事を振る舞っていた。
-
一度も酷い目に遭わなかった男
初老の豪商イブラヒムは、三人のガラの悪い男たちを家に招待した。三人は歓待を受けて心が緩むと、それぞれが一番酷い目にあった昔話をしていく。その「酷い目」を切り抜けるために三人がとった行動こそが、若きイブラヒムが二人の幼い息子達と生き別れとなった原因だった。
-
お父さんの遺産
鍛冶屋の息子ハビブは、父からの遺産を受け継ぐと悪友ジャーセムの誘いに乗って散財を重ねた。そうして金が尽きると、ジャーセムは途端にハビブにつらく当たる。しかしハビブは自宅で父が残した更なる隠し財産を見つけた。それからというものハビブはひたすら真面目に鍛冶の仕事に打ち込んでいった。そんな折、ジャーセムが商売に失敗して全財産を失う事件が起きた。
-
アスマの昔ばなし
マハたちはアスマお祖母ちゃんになぜ読書に夢中になったか、そしてなぜ本が好きになったのか尋ねた。お祖母ちゃんは、最初に読書の世界を紹介した友人のファラーさんについて語り、マハたちはお祖母ちゃんと一緒にファラーさんに会いに旅行に行くことを決めた。はたして無事にファラーに会えるのだろうか。