お伽草子
エピソード
-
頼光
蛮族、土蜘蛛族に奪われた伝説の勾玉を、都に取り戻すように命じられる武士、源頼光(みなもとのらいこう)。しかし、頼光は病に倒れ、とても長旅に出われるような状態ではない。そこで源家の末娘、光が、武士の出で立ちに男装し、兄に成り代わって、勾玉を求める旅に出ることになる。兄と義兄弟の契りを交わした隻眼の武者、渡辺綱(わたなべのつな)を従えて、土蜘蛛族の住むという常陸国に向かう光は、その途中で、土蜘蛛族の奇襲を受けてしまうのであった・・・震える手で弓と矢を握る光は、生まれて初めて、人に向けて弓を引くのだった。
-
貞光
土蜘蛛族 との戦闘で、負傷してしまった頼光=光は、綱の説得により、近くの里におりて、体勢を立て直すことにする。里に向かう途中で、貞光(さだみつ)と名乗る、2人の女を引き連れている村人に出会う。初対面なのにもかかわらず、なぜかその男は、頼光と綱を異様なまでに敵視していた。一方で、土蜘蛛とはうまく共存をしているので、戦うのはやめて欲しいと里の長に懇願される頼光は、その言葉に一人、思い悩む。しかし、そんなさなか、村に関する、ある驚愕の事実が発覚する・・・
-
土蜘蛛
貞光を仲間に加え,土蜘蛛の住む洞窟に向かった光と綱。洞窟の奥へと進む光の前に,大勢の土蜘蛛族の姿が映る。三人の手勢で討つには多すぎる敵。自ら囮役をかってでた綱は, 土蜘蛛族の中に身を投じる。光たちは,はたして土蜘蛛の頭領、星熊を討ち倒し、勾玉を奪還することができるのか。
-
羅城門
都に持ち帰られた伝説の勾玉を, 人々は歓喜の声とともに迎え入れる。しかし,屋敷に戻った光を襲う悲しい知らせ。屋敷を飛び出した光は,都を一望できる羅城門にのぼる。悲嘆に暮れ笛を奏でるうち, いつしか現れた申楽師,万歳楽(まんさいらく)が,光の笛の音にあわせて舞い始めるのだが・・・。
-
卜部
卜部を仲間に加えた光たち一行。水の勾玉を持つ海賊の本拠地があるという,瀬戸内海に浮かぶ呪島へと向かう。身分と姿を偽り,隣接する村に潜入する光たち。村人の歓迎を受け,新たなる水の勾玉奪還に向けての動きは順調かと思えた。そんな矢先,卜部のとある行動により事態は急変するのだった。
-
呪島
靄の中に浮かびあがる卒塔婆にも似た、無数の不気味な塔。それは、瀬戸内の海に浮かぶ島々に建てられた櫓であった。その島の中の1つ、呪島に水の勾玉を持つという海賊の頭、虎熊がいると聞き、島へと渡る光たちだが……。
-
万歳楽
鎮西にむけた船が難破してしまい、見慣れぬ地に流れ着いた光は、仲間ともはぐれ、熊襲の斥候に発見されつかまりそうになる。しかし、そのとき突如として、万歳楽が現れる。劇的な再会を果たす光と万歳楽。光は、自分が頼光に成り代わって旅をしていることを隠し通さなければならないのだが・・・
-
赤鬼
残る火の勾玉を求めて熊襲の地に足を踏み入れる光たちは、新たに仲間になった怪力の少年、金太郎をともない、ついに、酒呑童子率いる熊襲の居城に到着する。密かに一計を案じ城内に潜入した光たちは、そこで一人の不思議な風貌の男と出会う。しかしその男の瞳は、なぜか悲しげであった。
-
暗闇
急ぎ都に帰り着く光たち一行。しかし、先に都に赴いていたはずの酒呑童子率いる熊襲軍の姿はどこにも見えなかった・・・
-
酒呑
酒呑童子の持つ最後の勾玉を取り戻すために、急ぎ大枝山へと向かう光たち。しかし熊襲軍は思いもよらぬ方法で都を攻め落とそうとしていた。
-
相克
大枝山にて火の勾玉を取り戻した頼光たちを襲う、思わぬ刺客。炎に蹂躙され、焼け焦げた骸をさらす都の姿にただ呆然と立ち尽くす一行。都の惨状を尻目に宮中では公家たちが蠢めき始め、事態は急変の一途を辿るのだった。
-
晴明
動き出した星を止めることが出来るのは、光ただ一人のみ。陰陽師たちの謀略により、都を守る検非違使たちまでもが光たちを亡き者にせんと襲いかかる。残された時間は少ない。それを知る光たちが取った行動とは!?
-
光
兄の遺した言葉、仲間が自分に託した希望、都の人々の願い、その全てを受け止め羅城門に立った光。女である事、頼光である事、全てをかなぐり捨て、今、生まれて初めて人の命を殺めるための矢を放つ。
-
東京
山手線に二ヶ所しかない踏み切りの取材に行くことになったヒカルと綱。終電も終わった深夜、鳴るはずのない遮断機の警報が鳴り響く。そしてヒカルは、そこで行方不明の兄の姿を目撃することになるのだった。今、ヒカルの身の回りで、数奇なる運命の歯車が回り出す。
-
新宿
兄の残した、何枚もの不可思議な写真。そのうちの一つに、水没する新宿都庁を捉えた1枚があった。この写真に兄の失踪が関係しているのではないかと、綱に相談するヒカル。しかし、ヒカルの身を案じる綱と口論になり、ヒカルは家を飛び出してしまうが・・・
-
芝公園
あいも変わらず家賃の支払いに追われる綱。そんな綱の取材を手伝うため、芝公園を訪れたヒカル。強引に2人について来る金太郎。3人で登った東京タワーの展望台で覗いた望遠鏡の向こうに映る思いもかけない光景に、ヒカルは驚愕するのだった。
-
後楽園
ボクシングの観戦に、後楽園ホールにやって来た貞光、金太郎、そしてヒカル。生まれて初めて見た試合に興奮気味の金太郎を連れてトイレに立った貞光は、階段の壁面に落書かれた、トーナメント表の中に見つけた、ある落書きを見てその場に凍りつくのだった。
-
上野
蓮の花咲く漆黒の水面を炎が走る。季節はずれに咲き誇る、桜の木々も炎に包まれ、上野の森に火の手が上がる。足に、服に、指に、自分の体を覆いつくす炎をどうする事も出来ず、夜のしじまにヒカルの悲鳴が響くのだった。
-
渋谷
渋谷駅に現れるという白い犬。忠犬ハチ公の幽霊化とも噂さされる、この怪奇現象の取材に渋谷駅東口バスロータリーに来たヒカル。兄の情報を持っていると思われるコートの男を見かけて追うが、とある神社の前でその姿を見失う。
-
麻布
ヒカルに内緒で、不審な行動をとり続ける綱。珍しくもスーツ姿で外出した綱を怪しむヒカルに、「女だな」そう断言する貞光。貞光に言われるままに綱の跡をつけ、綱の必死な様子を垣間見たヒカルはある決意を固めるのだった。
-
池袋
綱の誕生日。日頃の綱に感謝して、腕を振るって料理を作って待つヒカル。しかし、一晩たっても綱は戻らず、連絡もない。不安に駆られたヒカルは、綱の足跡を追って池袋までくるが、突然、身も知らぬ人物から声を掛けられる。
-
大久保
蘇った記憶に思い悩み、綱たちを巻き込んでしまうのではないかと恐れるヒカル。一方、池袋での不可解な出来事を思い返した綱の脳裏には、万世橋での1件以来、ヒカルがとった様々な行動が過るのだった。
-
丸ノ内
雪の降り積もる東京駅丸の内駅舎。地震によって電車が不通となり、人々の避難が始まる中、東京駅の奥を目指してひた走るヒカルたち。しかし、一刻の猶予も無いこの時に、行く手を遮るような出来事が次々と起こり始める。
-
万世橋
東京駅のホームに立つヒカル。身の危険も顧みず自分を助けてくれた綱たちを、そして自分が生まれ育った『東京』という街を助けたい。その強い思いを胸に秘め、因果の始まりの場所へと、足を踏み出すのだった。
-
鬼門
卜部は、トラクマと共にある病院を訪れる。そこではある少女が原因不明の病に冒されていた。少女をじっと見つめるトラクマ。その様子からトラクマの心情を察した卜部は少女のために病院の旧病棟に潜入することを決意するが・・・
-
都
都内のとある公園。園内のベンチに座り、本を片手にひたすらに東京という街の移り変わりを見つめてきた一人の風変わりな老人がいた.時の流れ、そして街の歴史についてとうとうと語る老人に、万歳楽はいつしか強く惹きつけられていく。
スタッフ
-
キャラクターデザイン・総作画監督
黄瀬和哉 -
キャラクター原案
田島昭宇 -
シリーズ構成
櫻井圭記
-
制作
Production I.G -
原作
Production I.G/日本テレビ -
撮影監督
佐久間未希 -
監督
西久保瑞穂 -
編集
濱宇津妙子 -
美術監督(平安編)
小林七郎 -
美術監督(東京編)
中村隆 -
美術監督平安編
小林七郎 -
美術監督東京編
中村隆 -
色彩設定
遊佐久美子 -
製作
日本テレビ、バップ、Production I.G -
音楽(平安編)
タニウチヒデキ -
音楽(東京編)
川井憲次 -
音楽平安編
タニウチヒデキ -
音楽東京編
川井憲次 -
音響監督
若林和弘 -
題字
平田弘史
キャスト
-
卜部季武
佐久間紅美 -
安倍晴明
徳丸完 -
星熊
かわのをとや
-
渡辺綱
三宅健太 -
源光
水沢史絵 -
源頼光、万歳楽
三木眞一郎 -
碓井貞光
杉山大 -
荊木
幸田夏穂 -
虎熊
廣田行生 -
赤鬼
楠見尚己 -
酒呑童子
松本保典 -
金太郎
水田わさび