新グリム名作劇場
エピソード
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水晶の玉
ある館に、女主人と3人の息子が住んでいた。ところがいつの間にか、美と若さを求める魔女が女主人に成り代わっており、鏡を通して幽閉した黄金城の姫から若さを吸い取っていた。それを知った3人の息子は魔女に追われ、長男はワシに、次男はクジラに変えられてしまう。運良く逃げ延びて黄金城の姫のもとにたどりついた三男は、姫に水晶の王を探して来て欲しいと頼まれる。水晶の王は、森の主である野牛魔人が持っていた。
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おくさま狐のご婚礼
ある所に、9本の尻尾を持った古狐がいた。村一番の金持ちで、美人の奥さんを持った幸せ者と自負していたが、友人の狐ハンクに「美人の奥様を持つとなにかと心配でしょう」と言われ、まさか浮気なんかと心配になる。古狐は、突然現われた尻尾が9本ある悪魔にそそのかされ、家で突然死んだふりをして奥様狐を試す。まず、ハンクがやって来て、奥様狐に求婚する。
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夏の庭と冬の庭の話
行商に出かけた父親は、末娘のマリアの望んだバラが季節はずれで手に入らないことを悔やんでいた。 そんな時、ある城にバラが咲き乱れているのを見て、思わず盗んでしまう。と、そこにおぞましい怪物が現われ、父にバラを摘んだ罪として己の命かマリアを嫁にくれるように迫る。マリアは自分から進んで怪物の妻となり、やがて怪物が優しい心の持ち主であることを知る。
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キャベツろば
人のいい狩人は森で不思議な老人に出会い、願いのかなうマントと金貨を生む金色の王を手に入れる。ウキウキして帰路につく狩人の前に美しい娘が現われ、彼女の家に招かれる。娘の母は魔女で、翌日、狩人はマントと金の王を盗まれ、更に砂漠に置き去りにされる。やがて狩人は食べるとロバになってしまうキャベツを見つけ、魔女の親子に復讐することにする。
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ラプンツェル
ラプンツェルを食べたがる妻のために夫は魔女の畑に忍び込むが、ラプンツェルを盗んだところを魔女に見つかり、生まれてくる子供を魔女に渡す約束を強いられる。生まれてきた娘を魔女は塔に閉じ込め、ラプンツェルと名づけて大事に育てた。1 6年経ち、美しい娘になったラプンツェルを王子が見そめ結婚の約束をするが、運悪く魔女に見つかってしまう。
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森のなかのばあさん
深い森の中を行く貴族の一行が盗賊に襲われた。その盗賊達の正体は、人間に化けた魔女と小悪魔達で、兵士達は次々に殺されてしまう。使用人の娘だけが命からがら助かるが、道を探すこともできず途方にくれていると、一匹の真っ白いミミズクと出会う。娘はミミズクと仲良くなるが、ミミズクにはある秘密が隠されていた。
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どまんじゅう
ある日、欲張りでけちな地主の前に悪魔が現われ、魂を奪いに来ると言う。慌てた地主は善行を施さねばと思い、貧しくて麦を借りに来た小作人に金貨を与え、自分がもし死んだら、墓を三晩見張ってくれと頼む。その夜、地主はあっけなく死んでしまい、小作人は約束通り墓の見張りをする。最後の夜、 墓の裏で寝入っていた兵隊と一緒に見張っていると、案の定、悪魔が現われた。
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狼と狐
自分のことを森中で一番強いと自惚れていばっていた狼は、他の動物たちから恐れられ、嫌われていた。ある日、狼は子分が欲しくなり、頭のいい狐を無理失理子分にする。狐は狼と一緒に暮らさなくてはならず、食料も狼の分まで探さねばならなかった。狼と縁を切りたくなった狐は名案を思い付く。
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ホレのおばさん
ある所に腹違いの姉妹がいた。実の子ということで器量の悪い娘がかわいがられ、もう一人の娘はいつも灰だらけで働かされていた。ある日、働き者の娘は、誤って糸巻を井戸に落としてしまい、それを取りに自分も井戸へ飛び込んでしまう。ふと気がつくと、あたりはきれいな草原。娘はホレのおばさんと出会い、おばさんの家で働くようになる。良く働くかわりにしかられることもなく、幸せな毎日だったが、やがて故郷に帰りたいと思うようになる。
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六羽の白鳥
ある国の王様は魔女の娘を妃にしてしまう。王様には六人の王子と末娘の姫がいたが、妃は気に入らず、王子たちを白鳥に変えてしまった。ただ一人助かった娘は王子たちを元の姿に戻すため、六年間言葉を話さないことを誓う。やがて娘は隣国の王子に見そめられ結婚し、一人の赤ん坊を生む。そこへ妃が祝いに訪れ、娘は魔女だと言いふらす。
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千びき皮
錯乱した実の父親に結婚を迫られた姫は、千びき皮をかぶり城から逃げ出した。子供たちにいじめられているところをある国の王子に助けられ、台所の下働きとしてお城に務めることになった。普段は千びき皮に身を隠していたが、舞踏会が開かれた時、思わず美しいドレスを着て王子と踊ってしまう。王子に名前を聞かれた姫は、自分の父の最期を思い出しその場を逃げ出す。
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姉と弟
ローザとルドルフという姉弟がいた。二人の継母は魔女で、いつも二人をいじめいていた。堪えかねた二人は遂に家出をするが、弟は魔女の呪いのかかった泉の水を飲んで鹿になってしまう。二年後、王様が鹿と住むローザを見つけ結婚した。 だが、魔女が再びローザの前に現われ、ローザを高い山の上の洞窟に閉じ込めてしまう。ローザは毎夜赤ん坊に乳を与えるために城に姿を現わす。
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名人四人兄弟
飢饉が続く貧しい村に、父と四人兄弟がいた。ある日父親は、手に職をつけるために修行の旅に出ろと、わずかな金を渡し四人を送り出す。 四年後、四人はそれぞれ「盗み」「天文のぞき」「鉄砲撃ち」「裁縫仕立て屋」の技を得て、村に戻った。御城下で何か手柄をたてようとしていた四人は、王女が巨大なオロチに連れ去られるのを見る。
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ガラス瓶の中の化け物
授業料が払えず学校を休学したきこりの息子は父の村に帰って来た。父の手伝いで山に行った息子は、ビン詰めにされた化け物を見つける。ビンから助け出された化け物は、お礼にと金属なら何でも銀に変えてしまう魔法の布を くれる。息子はその布を使いおもしろおかしく暮らすが、父親は相変わらずきこりの仕事を続けた。やがて病に倒れた父親は「自分で稼いだお金で勉強を続けろ」と息子に告げる。
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鉄のストーブ
森で道に迷った王女は、大木の根元の鉄のストーブの中から声をかけられた。ストーブから出して永遠の愛を誓ってくれれば道を教えるというのだ。約束すると誓った王女は、すぐに城に戻ることができる。 再びストーブのもとにやって来た王女がナイフでストーブをこじ開けると、若い王子が現われる。だが、 王女が永遠の愛の宣誓にためらっているうちに魔女が現われ、王子を連れ去ってしまう。
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熊の皮をきた男
戦争が終わり軍隊をお払い箱になったヨハンは、荒野で悪魔と出会った。悪魔は自分の条件をのめば金持ちにしてやると言う。その条件とは、七年間体を洗わず、髪も瓜も切らず、髪も洗ってならず、主への祈りをしてはならず、おまけに熊の皮を外套として着るというものだった。それが守れなければヨハンの魂を貰うというものだったが、ヨハンは承知する。
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兎とはりねずみ
村の畑のはずれにハリネズミが住んでいた。ハリネズミは足が遅いが、体の針という身を守る武器があつた。ある日、ハリネズミがきやべつ畑を散歩していると、気取り屋の兎が彼をからかってきた。足が不格好だと言われてカッとしたハリネズミは、互いの畑を賭けてどちらが速いか競争しようと成り行きで約束してしまう。一計を案じたハリネズミは翌日、妻と一緒に畑に向かう。
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鉄のハンス
ある国に生意気でわがままな王子がいた。王子はふとしたことから地下牢にいる巨人の勇者ハンスを逃がしてしまった。ハンスは王子を泉のほとりに連れて行き、自分の力で生きるよう忠告する。旅に出た王子は鍛冶屋や農民や漁師のもとで働き、自分の力で稼ぎ、自分の力で生きていく大事さを知る。 ある城で庭番として働いていた時、隣国との戦争が始まる。
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勇敢なチビの仕立て屋
チピの仕立て屋はある日、一打ちで7匹ものハエを殺し、自分の力に自信を持った。仕立て屋は「一打ち」で7匹」と刺繍した帯を締め旅に出る。巨人との力比べにも頭を使って勝ち、遂には王様にまで雇われることになった。仕立て屋の厚遇が面白くない将軍たちは王様に進言し、王様は仕立て屋を追い払うために化け物退治を命ずる。
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みそさざいと熊
みそさざいの巣を見た熊は、「俺は森の大将の熊だ。鳥の王子様と言われるお前たちは薄汚いガキどもだ」とひな鳥たちを侮辱する。戻って来た親鳥は子供達から熊の無礼な態度を聞いて早速熊の所へ行って、戦で決着をつけようと提案する。そして、みそさざい側には空飛ぶ者、熊側には森の動物たちが集められた。みそさざいはスパイとして蚊を送り込む。
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妖精の名前
粉屋の親父は王様の前で「自分の娘ヘルガはワラを紡いで金の糸にできる」 と言ってしまう。早速城に召し出されたヘルガは、ワラの積まれた部屋に入れられ「今晩のうちに金の糸を紡がなければ父を死刑にする」 と言い渡される。 ペルガが泣いていると小さなじいさん妖精が現われ、ヘルガの首飾りと交換にワラを金の糸に変えてあげる。驚いた王様は二度三度と金の糸を紡ぐことを命令する。三度目には妖精にあげるものが無くなったので、妖精は生まれてくる赤ん坊と交換に金の糸を紡いでやろうと言い出す。
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池に住む水の魔女
粉引きが貧乏を苦に池に飛び込もうとした時、水の中から妖精が現われ「一家で最初に生まれたものを私にくれれば大金持ちにしてやる」と約束する。ところが粉引きに赤ん坊が生まれ、その子は池には近づかないように言われて育った。やがて粉引きは年老いて死に、子供は成長し結婚するが、ひょんなことから池に引きずり込まれる。
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死神の名づけ親
貧しい子だくさんの父は、幼い息子が楽になるならと、死神に名づけ親になってもらい死んだ。成長した息子が医者になりたいと言うと、死神はどんな病気でもすぐに治る薬草をくれた。だが、これは死神が枕元にいる時だけ飲ませ、足下にいる時は飲ませてはいけないものだった。この薬のおかげで息子は天下の名医となるが、助かって欲しい人間を助けられない立場に苦しみ始める。
スタッフ
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キャラクターデザイン
高野登 -
プロデューサー
鍋島進二 -
作画
朝戸澄子
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作画監督
菊池晃 -
原作
グリム兄弟 -
撮影監督
森田俊昭 -
演出
黒川文男 -
絵コンテ
黒川文男 -
美術監督
阿部泰三郎 -
脚本
藤本信行 -
色指定
鈴木薫 -
録音監督
藤野貞義 -
鍋島進二
朝日放送 -
音楽
島津秀雄
キャスト
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ナレーション
堀江美都子