亡念のザムド
エピソード
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ザムド陽炎に現る
油泥海に囲まれた小さな島、尖端島。70年前の戦争で、南大陸自由圏の属国となったこの島で、高校生のアキユキは母親と二人暮らし。別居中の父親は、町の小さな診療所を一人で営んでいる。二人の間を取り持つために、毎朝欠かさず、母親の手弁当を父親の元へ届けるアキユキ。この日も、いつも通りの朝を迎えたはずだったが……。通学途中、友人のハルやフルイチと共に、ある事件に巻き込まれてしまう。
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尖端島 思考停止
通学用のバスが爆破され、右腕に光る物質を宿したアキユキは、ザムドと呼ばれる異形の怪物となってしまった。謎の言葉を残し、意識を失った白髪の少女。 アキユキザムドは我を忘れ、暴走する。同じ頃、北政府の軍艦が尖端島領空に侵攻し、ヒトガタ兵器を産み落とした。アキユキという自我を失ったザムドは、ヒトガタ兵器に襲い掛かられ、戦いが始まった。
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偽装 国際郵便船
ナキアミの介抱によって、目覚めたアキユキ。そこは、尖端島から遠く離れた空の上、国際郵便船ザンバニ号の中だった。ナキアミはザムドの力を制御できるようになるまで、船に留まれと言うが、アキユキは自らの身に起きたことを理解できず、尖端島に戻ることを望む。そんなアキユキは、女船長の紅皮伊舟の所を訪れる。アキユキの礼を欠いた態度に、拳を振り上げる伊舟。二人の間が険悪になったその時、一体の飛行ヒトガタ兵器が襲い来る。
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この世に響く耳鳴りの数々
アキユキのザムド訓練が開始される。ナキアミに案内され、天心様と呼ばれる老婆と面会するアキユキ。「ザムドは何を求めるか」天心様の問いかけに、アキユキは答えを持たずに戸惑う。アキユキがザムド訓練を受けている頃、ザンバニ号に一艘の船が接近する。それは、ナキアミの昔馴染み、ゼーゲンドォという男の乗る船だった。ナキアミはゼーゲンドォとの再会を望むが、伊舟は頑なに聞き入れようとしない。二人は、ついに口論となってしまい……。
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調停する者 しない者
伊舟と仲違いしたまま、昔馴染みのゼーゲンドォに会いに行くナキアミ。ザンバニ号に残されたアキユキは、伊舟からナキアミの話を聞く。ナキアミの出自、そして伊舟との出会い……。伊舟は、ナキアミが自分の元を離れ、故郷へ帰ってしまうのではないかと心配していた。一方、アキユキの故郷尖端島では、ハルとフルイチが町の復興作業に勤しんでいた。そんな二人の前に、同級の設楽という女生徒が現れ、寂しさを吐き出す。
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ハルと極東自治区
ビートカヤックで哨戒飛行をしていたナキアミが、北政府の空爆に遭って間もない被災地で、一体のヒトガタ兵器を発見する。その石化を止めようとして、自らも石に呑まれそうになるナキアミ。アキユキは腕をザムド化させてヒトガタを倒そうとするが、それをナキアミは拒むのだった。その頃、極東自治区の実験体ザムドが目覚め、暴走してしまう。阻止を命じられたのは、ASPスーツの新人パイロット達だった。
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屹立 背負うは命か猫股か
極東自治区のASPスーツに追い詰められる実験体ザムド。羽を生やし、飛翔しようとする姿に、ハルはザムドの正体を知り、攻撃を阻止しようとする。そんなハルの心は、ザンバニ号のアキユキの元に、手紙として届いていた。極東自治区の遠征研修で、尖端島を離れるというハル。アキユキは、猫股のロッパを連れて行くことを条件に、ハルのいる詰腹峠へ向かうことを許される。だが、その道中、一人の男と遭遇し・・・・・・。
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詰腹峠のヒトガタ狩り
極東自治区の遠征研修で、詰腹峠の鉱山にやって来たハルとフルイチ。消息を絶ったASP小隊の捜索にあたるが、一途にアキユキを思うハルとフルイチに微妙な距離感が出来始める。その頃、アキユキはズイゾとキーオ親子に導かれ、詰腹峠を目指していた。廃坑に架かる橋の上、ついに再会するアキユキとハル。だが、友人であるはずのフルイチは、手にした銃をアキユキに向ける。そこに、新たな人影が現れた。
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水もしたたる角股雷魚
ザンバニ号に乗り込んできた髭面の男、角股雷魚。彼は、かつてナキアミに拾われ教練を施されたザムドだった。雷魚の二年ぶりの帰還に歓喜する、ザンバニ号の船員たち。雷魚の持ってきた土産と旅の話に、船内は華やぎ賑わう。同じザムドでも、お荷物扱いのアキユキと違って、船員たちからの人望が厚い雷魚。アキユキはないがしろにされて不貞腐れつつも、ザムドとして自立して生きるという雷魚に興味を引かれていく……。
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過去 重い斬る
極東自治区の入隊式を終えたハルとフルイチ。ハルは垣巣中佐に呼び出され、軍人としての自覚を持てと諭される。垣巣は、詰腹峠でハルが犯した軍規違反を、フルイチから聞きだしていたのだ。その頃、ザンバニ号では、船員たちが雷魚の写魂機で集合写真を撮っていた。伊舟は、珍しく素直な気持ちを告げるナキアミを驚きの表情で見つめながら、一抹の寂しさを覚えるのだった。
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襲撃 ザンバニ号
飛来するヒトガタ投下船。腕をザムド化させ、ヒトガタ兵器と戦うアキユキは、ナキアミから受け取ったウツツダネを使って、殺さずに解体しようと試みる。そこに、ザンバニ号目掛けて、新手のヒトガタ投下船が来襲する。船員それぞれのぶつかり合う思いを飲み込むかのように、船内に侵入してくる無数の小型ヒトガタ。ナキアミはそれでもヒトガタ兵器を助けようと奔走するが、過酷な白兵戦を目の当たりにして言葉を失っていく。
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暗闇で咲く花
荒野に不時着したザンバニ号。進路を絶たれ、途方に暮れるザンバニ号のメンバーたち。そんな中、ナキアミの身に異変が起こる。黒い影のような化け物が現れ、ナキアミの前へと這い寄ってきたのだ。黒い影の去来をきっかけに感じ、過去と決着をつけなくてはいけないと考えるナキアミ。埋葬されるヒトガタ使いの少女に自分を写しこみ、進むべき道を思い固めていく。その頃、尖端島では、フルイチの身にも異変が起こり始めていた。
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タダ裸足デ走ルシカナイ
ザンバニ号から旅立ったナキアミとアキユキ。二人は、テシクの村へ向かう前に、アキユキの故郷、尖端島に立ち寄る。久しぶりに、父リュウゾウの診療所へ帰るアキユキ。リュウゾウは、ヒルコの宿った腕を見て、アキユキの身に起きたことを理解する。そして、アキユキに思わぬ人物を引き合わせた。一方、ナキアミと再開したハルは、アキユキを引き連れていったナキアミに、これまでの自分の思いをぶつける。
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蒼スギル空
アキユキとハルの仲を引き裂くように現れたフルイチ。アキユキに対する積年の恨みと憎しみと嫉妬の情が噴出し、フルイチの身体はザムドへと変貌していく。我を忘れたフルイチを、必死で止めようとするハル。だが、フルイチのザムド化は止まることなく、ハルを飲み込み、アキユキと対峙する。フルイチを止めるためには戦うしかない事を決意するアキユキ。そして、震天動地、ザムド同士の戦いの火蓋が切って落とされた!
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まま 眠れる魂
フルイチとの戦いの後、我を失ったアキユキは、ザムドの面が剥がれぬまま、人買いの男達に捕まってしまっていた。北政府の荒野を連れまわされる中、アキユキの前に不思議な小さい影が姿を現す。一方、アキユキとはぐれ一人テシクの村を目指していたナキアミは、ビートカヤックの給油のために小さな町に立ち寄る。街を放浪している途中で、独りで生きているテシクの少年に出会い、ナキアミはトラブルに巻き込まれていく。
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途上の季節が炎え墜ちる
ヤンゴと共に、故郷への旅を続けるナキアミ。ひょんなことから出会ったテシクの青年。彼から故郷の周辺は、南大陸による空襲が激化していると耳にする。不安なナキアミの心に、ヤンゴの声は届かない。その頃、極東自治区に、白髪の少年が送られてきた。垣巣は、少年の体を用いて対ヒトガタ研究を進めようと目論む。だが、汗馬博士にはその提案を聞き入れる事はできないのだった。
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子羊とオボロ月
老女、須磨子に買い取られたアキユキは、アマウの原と呼ばれる静かな療養所で共同生活を始める。平穏でちょっぴり奇妙な生活に溶け込んでいくアキユキ。その頃、ナキアミとヤンゴは、テシクの郷を探している途中、吹雪で道を失い、洞窟へと身を潜めていた。ヤンゴに励まされながらも、ナキアミは本当は自分が何を求めているのか、故郷に帰る事にどんな意味が有るのかを、思い悩んでいた。
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そこから何が見えるか
生まれ故郷であるテシクの郷へと帰還したナキアミ。村の人々から温かい歓迎を受けるが、居場所のなさに笑顔を取り戻せないでいた。その頃、白髪の少年アザミと牢獄の中で不思議な出会いをしたハル。アザミの導きにより極東自治区を抜け出し、ハルはアキユキの手がかりを求めて走り出す。一方、アマウに暮らす仮面アキユキは、小さな影の言葉にゆっくりと誘われていくのだった。
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偶発 ロマンス開花
アキユキに会いたい一心から、一路北政府を目指すハル。ビートカヤックを手に入れ先を急ぐ。行く手にはヒトガタ兵器の生産施設が待ち受けていた。国境を越えたハルの一途な想いは、アキユキに届くのか……?その頃、テシクの村では、ナキアミの帰還を祝う宴が、盛大に催されていた。聖地奪還の企てにナキアミを取り込もうとするクジレイカ。だが、その想いに応えられないナキアミは、クジレイカの盃を断ってしまう。
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涙咲く 散る会うと
胎動窟を目指し、テシクの郷から旅立つナキアミとヤンゴ。だが、そこに南大陸自由圏軍の爆撃機が飛来する。村を死守するため、ザムドとなって立ち向かう事を決意するクジレイカ。一方、胎動窟に辿り着くアキユキとハル。そこで二人を待っていたのは……。大巡礼を前に、尖端島の運命も大きく動き始める。最終実験を加速させる垣巣。その噂を嗅ぎ付け、阻止しようと陰で密かに立ち上がる男たちがいた。
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禁猟区潜入 「泣いたら負けだ」フサはずっとそう思っていた
白髪の青年の導きにより、アキユキとハルは胎動窟内部へと入り込んでいた。彼らがそこで遭遇する、闇の底に隠された秘密とはいったい……。尖端島では、リュウゾウらが垣巣との決着をつけるために、極東自治区への潜入を企てる。作戦を前に、一通の手紙に自分の想いをしたためるリュウゾウ。そんな男たちの不穏な動きを察して、フサは――。一方ナキアミとヤンゴは、北政府のとある町で懐かしい人物と再会するのだった。
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凍二郎とリュウゾウ
胎動窟・袋底の町に辿り着いたアキユキとハル。胎動窟と金剛塔、そしてヒルケン皇帝。人類の歴史が生み出した悲劇の装置を目の当たりにして、二人は思い悩む。一方尖端島では、丘の上の公園で待つ垣巣の元にリュウゾウが現れた。17年前、バラドール戦役で拾った命の責任を眼前に突きつけられるリュウゾウ。過去に決着をつけるため、リュウゾウが出した答えとは……。それぞれの銃に、男たちが魂を込める!
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誕生 ヒルケン皇帝
ゼーゲンドォの船で胎動窟へ向かうナキアミとヤンゴ。自分の気持ちを伝えるために、ナキアミはザンバニ号に連絡を取ろうとする。その思いは、荒野にとどまるザンバニ号メンバー達にもある決意を固めさせるのだった。一方、金剛塔への潜入を果たした伊舟と雷魚。激しい僧兵の攻撃の中、二人の記憶が呼び覚まされていく。そして、胎動窟の外へと出てきたアキユキとハル、その上空、南大陸の船団が迫ってきていた。
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亡き魂の邂逅
ヒルケン皇帝の目覚めに、光を奪われ闇に覆われていく世界。胎動窟では奇跡の時を待ち望む人々が南大陸自由圏軍の攻撃に晒されていた。そんな中、汗馬博士が投下した切り札とも言うべきヒトガタ兵器が、胎動窟周辺の町を暴走、破壊していく。アキユキとハルは戦禍を前にして為すすべも無い。その時、ハルの耳にヒトガタ兵器の悲しい声が聞こえてきたのだった。
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ナキアミとサンノオバ
長い年月を経て、サンノオバと邂逅したナキアミ。サンノオバがナキアミに語る、世界にザムドを生み出した真意とはいったい……。その頃、ザムドとしての使命を負ったアキユキは、ヒルケン皇帝を阻止しようと戦っていた。それぞれの思いを抱えて行動を起こすヤンゴやクジレイカ。そんな中、ヒルケン皇帝の涙から生まれた黒い雨が地上に降り注ぎ、魂を持つものは次々と黒結晶と化していく。
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大きな石と少女
千年の時を経て開いた胎動窟の扉が、今、閉じようとしている。ヒルケン皇帝の哀しみを鎮めるため、自らの犠牲を厭わず向かい合うアキユキ。その選択は、世界に光を取り戻すことができるのか。そして、ナキアミの選択は……。二人の想いに引き寄せられるかのように、胎動窟に到着するザンバニ号。胎動窟上空に、人々の想いが華と咲く――。
スタッフ
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アニメーションディレクター
奥村正志 -
アニメーション制作
ぽんず -
キャラクターデザイン
倉島亜由美
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ザムド・メカニックデザイン
橋本誠一 -
ヒトガタデザイン
水畑健二 -
メカニックデザイン
山根公利 -
撮影監督
宮原洋平 -
監督
宮地昌幸 -
編集
坂本久美子 -
美術監督
青井孝 -
色彩設定
梅崎ひろ子 -
製作
ぽんず -
音楽
大島ミチル -
音響監督
高寺たけし -
ザムド·メカニックデザイン
橋本誠一 -
ヒトガタデザイン
水畑健二 -
色彩設定
梅崎ひろ子
キャスト
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アーム
浜田賢二 -
アクシバ
小西克幸 -
あざみ
菅沼久義
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キーオ
浅井清己 -
キセル爺
納谷六朗 -
クジレイカ
朴璐美 -
コバコ
井上麻里奈 -
サンノオバ
麻生美代子 -
ズイゾ
大塚明夫 -
ゼーゲンドォ
麦人 -
ナキアミ
三瓶由布子 -
なずな
松来未祐 -
ヒノキ丸
水沢史絵 -
ヒルケン皇帝
古谷徹 -
プロイ・スカッキ
根谷美智子 -
ヤンゴ
本城雄太郎 -
ユンボ
桑島法子 -
垣巣凍二郎
松本保典 -
天心様
堀絢子 -
寺岡フルイチ
立花慎之介 -
尖端島司令官
土師孝也 -
影童子
古谷徹 -
汗馬礼蔵
清川元夢 -
竹原アキユキ
阿部敦 -
竹原フサ
早水リサ -
竹原リュウゾウ
石塚運昇 -
紅皮伊舟
玉井夕海 -
西村ジンイチロウ
津久井教生 -
西村ハル
折笠富美子 -
西村ミドリ
藤村歩 -
角股雷魚
藤原啓治 -
須磨子
土井美加