仙界伝 封神演義
エピソード
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太公望、封神計画を授かる
紀元前11世紀の中国、殷(いん)王朝の時代――――。時の皇帝・紂王(ちゅうおう)は、絶世の美女・妲己(だっき)を皇后に迎えて以来、魂の抜け殻のような状態になってしまう。実は妲己は邪心を持つ仙女であり、その術によって皇帝を操り、仲間たちをも王宮に引き込んで贅沢三昧の日々を送っていた。そんな人間界を救うために、悪しき仙人・道士たちを新たに創設した「神界」に封じ込めるビッグプロジェクト「封神計画(ほうしんけいかく)」が実行に移された。その実行者として、元始天尊(げんしてんそん)によって選ばれたのが、崑崙山(こんろんさん)の道士・太公望(たいこうぼう)であった。太公望は、妲己を倒そうと殷の都・朝歌をめざすが、その前に立ちはだかったのは、仙人界でも最強といわれる道士・申公豹(しんこうひょう)。彼の圧倒的なパワーの前に、太公望は早くも、押され気味となる。そのころ朝歌から遠く離れた西岐(せいき)では、西伯候(せいはくこう)・姫昌(きしょう)が動乱の予感を感じていたのだった・・・。
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太公望、最初の封神す
妲己は、四大諸侯を殷の都・朝歌に呼び寄せ、豪勢な宴をもよおそうとしていた。その招待状を受け取った西伯候・姫昌は、反対する息子の伯邑考(はくゆうこう)らを残し朝歌へとおもむく。一方、仲間探しを始めた太公望と四不象も朝歌へと来ていたが、殷の都と呼ぶにはあまりにもさびれた光景を見てがく然とする。そのころ、妖怪仙人・陳桐(チントウ)ひきいる殷の大軍隊が郊外の村を襲おうとしていた・・・。
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陳塘関に宝貝人間出現す
殷の首都・朝歌の禁城では、妲己主催の盛大な宴が行われていた。その席に集められた西伯候・姫昌ら四大諸侯は、飢えに苦しむ民をさしおいての、その狂宴ぶりに眉をひそめる。一方、森の中で休んでいた太公望は、宝貝を身体中につけて飛行する子供と、その子供に追いかけられて逃げまどう男に遭遇する。その子供は名をナタクといい、逃げている男は父親の李靖だった。太公望は、いつしかこの奇妙な親子げんかに巻き込まれてしまうのだったが・・・。
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陳塘関の蓮桃大戦
西岐城にいる伯邑考らのもとに、父・姫昌が朝歌で幽閉されたという報せが届く。姫昌を助けるため、伯邑考は朝歌へと向かう。一方、ナタクを味方に引き入れようとする太公望は、ナタク・李靖の父子喧嘩の理由を聞く。その理由とは、李靖が霊獣王の怒りを恐れ、妻・殷氏の作ったナタクの墓を破壊したことに対しての憤りであった。太公望は、それを聞いてある策を思いつく。その頃、北海に軍を展開していた聞仲は、反乱を鎮圧し敵の大将を捕らえるのであったが・・・。
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西伯侯姫昌朝歌を脱出す
王都・朝歌に赴いた西伯侯姫昌の長子・伯邑考は、何とか父を救いたいと禁城で紂王に謁見するが、妲己のたくらみにより危機的状況に陥ってしまう。一方、封神計画に疑問を抱いた太公望は崑崙山・玉虚宮へと向かう。真実を話すよう迫る太公望に対し、元始天尊は封神計画のあらましと、その実行者として太公望が選ばれたわけを語るのだった。
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雷震子、起風発雷す
黄飛虎の助力により西岐に帰ることを許された西伯侯・姫昌に妲己の刺客が差し向けられた。必死に逃走する姫昌だったが追いつかれてしまう。その時、空から突如飛来し、姫昌の危機を救ったのは、姫昌の100番目の子供で、幼時に崑崙山に預けた雷震子だった。その頃太公望は、水不足に困窮する村に通りかかる。その村では地主の李伸が村人たちに法外な値段で水を売りつけていた。何を思ったか、太公望は李伸の客人となってしまう。
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皇后姜妃、逆賊として囚われる
殷の正当な皇后・姜妃は皇子の殷郊(インチャオ)、殷洪(インホン)の生母でもあり、その人柄は広く慕われていたが、紂王暗殺の疑いをかけられてしまい、ついに捕縛される。殷の未来を案じる黄飛虎に対し、聞仲は皇帝譲位の可能性についてほのめかす。一方、雷震子と一対一の勝負をすることになった太公望は、そのまっすぐで正義を愛する心に気づき、仲間に引き入れたいと望むのだった。
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太公望、楊戩に試される
ナタク、雷震子を仲間に加えた太公望の前に、突然、朝歌にいるはずの妲己が現れる。一行は妲己の強烈なパワーに圧倒されるが、実はその正体は、封神計画を手伝うようにとの元始天尊の命を受けた崑崙山の道士・ヨウゼンの変化した姿だった。そのころ、中国の東西を結ぶルートにある関所、臨潼関には、紂王の圧政に耐えかねた首都・朝歌からの難民が押し寄せていた。ヨウゼンは、太公望の下ではたらくにあたって太公望の実力を試したいといい、難民達を関所から無事脱出させることを要求する。一方朝歌では、王室と黄家を巻き込んだ陰謀が進行していた。
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黄飛虎、造反を決意す
皇帝暗殺の疑いをかけられた皇后・姜妃は囚われの身となっていたが、突然、紂王の呼び出しを受ける。特別に姜妃の罪を減じるようにと、妲己が紂王に懇願したためということであったが、実は妲己は、姜妃をも罠に陥れようとしていた。一方、妻・賈氏と妹・黄貴妃を一度に失った武成王・黄飛虎は、ある覚悟を胸に秘めて王宮の紂王のもとに向かうのだったが・・・。
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臨潼関に快男児あらわる
殷郊・殷洪の両皇子を伴って朝歌を脱出した黄飛虎は、関所・臨潼関にさしかかった。この関所は太公望の活躍(第8回)により以前に放棄されたまま無人となっていたが、そこには、妲己が差し向けた追手の妖怪仙人(高丙、黄倉、呂能)が先回りして待ち伏せしていた。一方、黄飛虎と合流するため朝歌を目指していた太公望達は、急ぎ臨潼関へと引き返す。両皇子をかばってピンチに陥った黄飛虎だったが、その時3人の前に一人の戦士が現れるのだった。
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太公望、黄飛虎と出会う事
黄飛虎の息子、黄天化の活躍で妲己の追手をせん滅した間もなく、こんどは聞仲が黄飛虎に二人の追手を差し向ける。その二人、張桂芳と風林の宝貝(叫名棍・紅珠)により黄親子と両皇子は囚われの身となってしまう。黄飛虎たちを救おうとそこに現れた太公望たちだったが、あっけなく雷震子、太公望が捕まってしまう。
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黄飛虎、聞仲、街道に対決す
太公望たちの前に、ついに大師・聞仲が姿を現した。強力な聞仲の宝貝・禁鞭の前になすすべなく立ち尽くす太公望たちだったが、旧友・黄飛虎と対峙した聞仲は、禁鞭を地面の上に投げ捨て、生身の人間として黄飛虎に勝負を挑むのだった。その頃、朝歌から脱出した姫昌は西岐へ帰り着き、発、旦らと再会を果たす。仙人界・崑崙山では、元始天尊と白鶴童子がなにやら秘密の相談をしていた…。
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太公望、西伯侯姫昌と邂逅す
殷郊、殷洪の両皇子を挟んで、黄飛虎と聞仲の対決が果てしなく続く。このまま西岐へ赴くか、それとも聞仲と一緒に朝歌に戻るか、皇子たちは自らの運命を選択すべく悩むのだった。そのとき、空を割って崑崙山の宝貝ロボット・黄巾力士が出現し、兄弟を連れ去ってしまう。呆然とする太公望に聞仲は、封神計画などといっても妲己のしていることとこれがどう違うのだ、と問うのだった。
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西岐軍、北へ出陣す
渓谷の岩場で釣りをしている太公望のもとを西伯侯・姫昌が訪れる。自分がなにをなすべきかを問う姫昌に太公望は、挙兵して殷を討ち新しい国を建てよと説くのだった。太公望を西岐の軍師に迎えた姫昌は、太公望の勧めにより、崇黒虎とむすぶために軍を率いて北の国へと出陣する。ちょうど時を同じくして、聞仲の部下・九竜島の四聖が西岐を急襲。太公望達は姫昌にかわり西岐の守りを決意する。一方、崑崙山では、二人の殷皇子をめぐって極秘の計画が進行しつつあった。
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四聖猛攻
強力な宝貝を操る九竜島の四聖に太公望たちは苦戦を強いられる。分散して西岐を襲う四聖に、太公望たちはばらばらに戦うことを余儀なくされる。西岐の戦いの余波で、北の国は混乱。姫昌らは仙道の戦いの激しさを実感する。一方、北の国・崇城の主となった崇黒虎は突然の西岐軍の襲来をいぶかるのだった。その頃、仙人界・崑崙山では、殷の両皇子をめぐる計画が完成をみつつあった・・・。
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四聖封神
太公望たちと四聖との激闘が続く。太公望、雷震子、黄天化らは連携プレーで高友乾を封神。ヨウゼンは変化の術で王魔を追いつめる。一方、北の国では、姫一族、黄飛虎と霊獣・神鷹を従えた崇黒虎が対面していた。頑なな態度の崇黒虎に対し、黄飛虎は自分たちも妲己に肉親を殺されたことを告げるのだった。朝歌では大師・聞仲が残された殷軍を率いて決死の出陣を決意していた。
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弦、崇城に流るる事
崇の国と合同で殷を攻めるべく崇黒虎を説得していた姫昌たちの交渉は難航。そんな折、姫昌は陣中で心労のため倒れてしまう。一方、対四聖戦に勝利した太公望たちは、鳥の大群と交戦中の西岐軍と合流、危機を救った。姫昌に迷いを感じ取った太公望は、弦を弾くことを勧めることにより軍師として道を示す。さらに、その弦の響きを聞いた崇黒虎の心にも変化が訪れるのだった。
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兄弟、荒野に帰還す
崇黒虎との同盟を果たした西岐軍と、聞仲率いる殷軍とが対峙する中、殷郊・殷洪兄弟が黄巾力士で降り立った。二人の突然の帰還は両軍の心を動揺させる。宝貝・番天印をふりかざして、妲己討伐のために西岐軍と殷軍とを合流させるようにと迫る殷郊に対し、太公望と姫昌は、人心が離れた殷王朝ではもはや民の信頼が得られないこと、この戦いは歴史の流れであり既に何者にも圧し止めようがないことを告げるのだった。
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朝歌炎上
朝歌を震撼させる異形の怪物の存在を申公豹により知らされた太公望たちと聞仲は、崇の国に展開する両軍を一時休戦させ、一路朝歌へと急行することに。太公望、黄飛虎、聞仲、殷洪らはそれぞれの思いを胸に朝歌へと向かうが、彼らを待ち受けていたのは妲己三姉妹の猛攻撃だった。炎上する禁城の中で、王貴人の毒蛾の粉や喜媚の変化技に翻弄される太公望たち。一方聞仲は、スーパー宝貝・盤古幡を操る妲己に苦戦する。
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殷王朝滅亡す
スーパー宝貝・盤古幡を操る妲己の力の前に、聞仲は身動きもままならない状態に。妲己のパワーの桁外れの強力さに、聞仲は何者かが妲己にエネルギーを送っているのではないかという疑問を抱く。一方、皇子・殷洪は、宝貝・陰陽鏡を使って王貴人・喜媚に闘いを挑むが、逆に劣勢となってしまう。そのとき太公望が、打神鞭で竜巻を起こして皆を救うが、打神鞭が壊れてしまう。
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妲己封神
妲己との戦いにより、紂王と殷洪は封神されてしまう。二人の最期を看取った聞仲の脳裏に、過去数代にわたる殷王朝の歴史がよみがえる。若き日の聞仲の才能を見抜いた王により皇太子の側近に抜擢されたこと、聞仲に皇子を託した絶命間際の王妃に対し、この国を永く守っていくと誓ったこと。エネルギーの出所を絶ったことにより、宝貝・盤古幡を操る妲己と聞仲の力は互角に。盤古幡による重力フィールドの中、双方は最後の力をふりしぼって戦うのだった。
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崑崙山攻防戦
西岐に戻って、妲己の封神を姫昌に報告する太公望だったが、なぜかその顔色は冴えない。太公望の疑念を裏付けるように、申公豹が突如一同の前に現れる。申公豹は千里眼によって、封神されたはずの妲己の魂魄が封神台ではなく崑崙山の方角へと飛んでいると教えるのだった。崑崙山に飛び、元始天尊を質そうと決心する太公望。ナタク、天化、雷震子らはそれぞれ自分の意志で同行することを告げ、斥候を申し出たヨウゼンは、ひとり先に崑崙山へと向かう。
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太公望、玉虚宮に進退窮まる
元始天尊を問いただすため崑崙山・玉虚宮へ向かう太公望たちのまえに立ちはだかったのはヨウゼンだった。ヨウゼンは太公望に、崑崙山によって自分に与えられた任務が、太公望が封神計画をなすか否かを監視することだったのだと告げる。茫然とたたずむ太公望に対し、ヨウゼンは太公望の姿へと変化し、打風刃でうちかかる。一方ナタクたちは、ワープ宝貝・飛来椅の攻撃に苦戦、絶体絶命のピンチに。人間界では、ついに暴動を起こした殷の旧兵たちを前に、黄飛虎がある決心をしていた・・・。
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元始天尊、太公望に未来を見せる事
太公望の心を理解したヨウゼンは、崑崙山を裏切り、太公望と行動を共にする決心をする。二人は、再度ナタク、雷震子、天化と合流し玉虚宮へ潜入するが、そこで彼らが遭遇したのは、5人(と一匹)のそれぞれの未来の姿の映像だった。茫漠たる荒野にさらされる骸骨を目の当たりにして太公望はショックを受けるが、自らの力でその幻影を振り払う。地上では姫昌が危篤となり、数日の命と告げられる。
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太公望、追憶の川に釣り針を降ろす事
太公望は回想する。これまで彼の生きてきた道のりを。望は羌族の統領の息子として、仲間たちとともに輝かしい少年時代を送っていた。しかしある日、村を異民族狩りの殷の兵隊が襲い、父や母は殺されてしまう。必死で仲間たちを逃がす望。間一髪逃れた望の前に、仙人界のリーダー・元始天尊が現れ、彼を崑崙山にいざなう。太公望はやがて仙人界で頭角をあらわし将来を嘱望されるようになるが、心の中には悩みがあった。ある一日、太公望は黄巾力士を駆って人間界へと向かう。
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太公望、道を示す事
自らの過去を反芻することにより、真の自分を取り戻した太公望は、打神鞭を元始天尊の足元に投げ捨てる。太公望は問う。妲己こそが、仙人界を傲慢たらしめる最高の宝貝ではないのかと。それに対し元始天尊は、妲己とは仙人界によって管理され、必要な時に人間界をかく乱する目的で送り込まれる人形だと告げる。太公望は、人間界に人間の暮らしを返すよう元始天尊に迫るのだった。いつしか周りに浮遊する岩塊上に崑崙十二仙が出現し、成り行きを見守っていた…。
スタッフ
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インダストリアルデザイン
佐藤和巳 -
キャラクターデザイン
小島正士 -
シリーズ構成
西村純二
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プロデューサー
豊住政弘 -
原作
藤崎竜 -
撮影監督
青木孝司 -
監督
西村純二 -
編集
坂本雅紀 -
美術監督
宮前光春 -
色彩設計
松本真司 -
製作
テレビ東京 -
音楽
酒井良 -
音響監督
千葉繁
キャスト
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ナタク
宮田幸季 -
四不象
増川洋一 -
太公望
結城比呂
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楊ゼン
千葉進歩 -
聞仲
松山鷹志 -
黄天化