ハングリーハート WILD STRIKER
エピソード
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お前、恭介か…?
日本が誇る天才MF叶成介の弟、叶恭介は高校1年生。かつてのサッカー少年も、偉大な兄と比較される重圧に耐え切れず、今では怠惰に過ごす毎日を送っていた。そんなある日、街の不良たちとケンカになった恭介は、思わず目の前のサッカーボールを不良たちめがけて蹴り込んでしまう事件を起こす。あわてて逃げた恭介だが、一連の騒ぎをサッカー部マネージャーの森と、女子サッカー部キャプテンの辻脇美紀が目撃していた。
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ありがとう…コーチ!
美紀から、半ば強引に女子サッカー部のコーチを引き受けさせられた恭介は、女子部員たちにグラウンドの石拾いを命じる。渋々従っていた部員たちだったが、その数も日が経つにつれて減って行き、ついには美紀一人となってしまう。それでも黙々と作業を続ける美紀の姿に打たれ、恭介の中で何かが変わった。彼の中にくすぶるサッカーへの情熱に気づいた美紀は、強い口調で恭介にサッカーに戻るよう説得する。
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絶対…負けねーっ!
ついに城陽茜ヶ丘サッカー部へ入部した恭介だが、グラウンドでは新入生のロドリゴと境が先輩たちともみ合っていた。外国からのサッカー特待生の二人は、自分たちの実力は先輩たちよりも上なのだからレギュラーにさせろと言うのだ。「サッカーの試合でケリつけりゃいいじゃねえか」、割って入った恭介の一言でレギュラーの座とグラウンド100周を賭けた、恭介ら3人と1年生vs2,3年生レギュラー陣の闘いの火蓋が切っておとされる。
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オレ?何?ディフェンダー!?
張り切る恭介は、家出同然でサッカー部の寮に入寮。練習でも自分勝手な我が儘プレーし放題の恭介にマネージャーの森は頭を痛めるが、本人はどこ吹く風。しかし、栄養士兼トレーナーの香織に欠点をズケズケ指摘され、寮母の福子からは苦手な生野菜を食べさせられるなど散々な滑り出しになってしまう。さらに恭介に追い打ちをかけるように、監督の村上は翌日の国領高校との練習試合、なんと恭介を未経験にも関わらずDFとしてスタメンに入れてしまう。
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逃げまくり?
いよいよ練習試合開始。相手の国領高校はユース代表選手4人を擁する全国屈指の強豪校、4人をベンチに下げての余裕のキックオフ。DFで出場した恭介だが慣れないポジションに、プレーはボロボロでチームも完敗。プライドを傷つけられた恭介は、翌日の練習でも同じ一年生FWに簡単に抜かれてしまい、すっかりやる気を喪失。FWに戻してくれという直訴も相手にされず。苛立ちも絶頂の恭介はサッカーをやめると宣言、グラウンドを去っていく。
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なんでFWじゃなきゃダメなの?
退部して早々、毎日遊び回る恭介だが心にポッカリと穴が空いて虚しいだけ。しかも、一緒の女友達からは「せっかく試合に出られるのになんでFWじゃないとダメなの?」と正論を突かれ、イライラは募るばかり。そんな中、女子サッカー部のインターハイ予選が始まる。しかし、キャプテンとしての責任感からオーバーワーク気味の美紀は絶不調。偶然見つけた街頭ビジョンで、苦戦する美紀たちの姿を見た恭介の足は会場へと向かう。
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サッカーをなめるな!
DFとしてやり直す決意をした恭介だったが、なかなかテクニック上達にはおよばずイライラしている。一方、ブラジルからのサッカー特待生ロドリゴもチームになじめず確執を生んでいた。自分のテクニックに絶対の自信を持つロドリゴだが、村上にフィジカル面での弱さを指摘され大きなショックを受ける。しかし決して腐ることなく、黙々とトレーニングを開始したロドリゴの真摯さに刺激された恭介も、彼の特訓に付き合うようになる。
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決して誰にも、渡しはしない!
恭介とロドリゴ2人だけの特訓が続く中、一人マイペースの境。しかし、彼の欠点をすでに見抜いていた村上は、境に10本のシュート対決を持ちかける。あざやかに防いでいく境に感嘆の声が上がる中、何故か村上の表情は渋い。そして、ある1本のシュートから何故か境の動きが止まってしまった。そこからは真ん中のボールすら止められないほどボロボロ。自分を見失い、悩む境に香織は恭介とロドリゴ、2人の特訓場所につれていくのだった。
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男のくせに何びびってるの!?
初戦、城北高校との試合でまさかのFWを命じられた恭介。境やロドリゴとの練習でDFとして自信もつけてきただけに戸惑いは隠せない。案の定、ツートップの息がまったく合わず、自分のミスから点を献上してしまう。チームの足を引っ張り落ち込む恭介に心ない一声を浴びせる村上。愕然とする皆をよそに、さらに村上は恭介のワントップを指示。いよいよ監督の真意がわからなくなった恭介だが、なかばヤケ気味に開き直って後半に挑む。
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見える!はっきりと見える!
DFとしての経験は無駄にはなっていなかった。駆け引きを身につけた恭介は、自分でもそれと気づかないうちに相手DFの動きを先読みし、あっさりと抜き去ってゆく。自らのゴールで一点をもぎ取ってなお、どうやってDFを抜き去ったのか自分でも半信半疑。恭介のプレーに流れは完全に茜ヶ丘ペースになるが、城北は恭介を徹底マーク。業を煮やしたロドリゴは相手DFの堅牢な守りの中、一人でゴール前に切り込でゆく。
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恭介君が、茜ヶ丘の弱点…?
初戦に勝利し、練習に身が入る城陽茜ヶ丘サッカー部。しかし立役者の一人、恭介は初戦のプレーに気をよくして、ロドリゴの個人技を自分のものにしようと一人舞い上がるばかり。そんな恭介たちをよそに、2回戦の相手である超エリート校、相手のデータを分析し弱点を突く、IDサッカーで注目される陵星大付属のキャプテン古木は、そんな恭介こそ茜ヶ丘のウイークポイントだと分析、ワントップ恭介のミスを誘う作戦で茜ヶ丘を苦しめる。
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枠にとらわれるな!
古木の読み通りミスを連発し、チームの誰からもパスが貰えなくなった恭介は、やけになって味方のボールさえ奪いはじめる始末。さらに恭介という起爆剤を失った茜ヶ丘の単調な攻撃は、IDサッカーの前に読まれてしまい、大ピンチ。その時、キャプテン佐古が恭介を呼びつける。「俺の言う通りにすると約束すればパスをやる」一も二もなくこの条件を飲んだ恭介さえも戸惑わせる、セオリーを無視した佐古の作戦とはいったい?
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爆発頭のお兄ちゃーん!
信号機を破壊したオレンジシュート事件。その発端となったサッカー少年健太が、城陽茜ヶ丘に通う姉のかりんに連れられてグラウンドにやってきた。恐縮するかりんを尻目に勝手にサッカー部の練習に入り込み、すっかり恭介たちとも意気投合、みんなの人気者になってしまう。一方、はじめは弟にせがまれて仕方なくサッカー部の練習を見学することになってしまった姉のかりんだが、次第にマネージャーという仕事に興味を持ち始めるのだった。
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全員、ロッカーに集合だ!
Aグループ3回戦を迎えた茜ヶ丘イレブン。対戦相手はパワー、テクニック、そして迫力にも劣る山ノ森高校。序盤こそ試合のペースを掌握、圧倒する茜ヶ丘だったが、全員サッカーの厚い守備に阻まれ得点にはいたらない。焦る茜ヶ丘とは対照的に、攻撃が機能し始めた山ノ森は2点を先制。ハーフタイムを前にして息の上がった茜ヶ丘イレブンに対し、汗ひとつかかない山ノ森イレブン。一向に見えない突破口、戸惑いが現実のものとなってゆく。
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な、なんだ、あのシュート!?
村上の決断、それは恭介のポジション変更。リベロとなって守りも攻めも縦横無尽に駆け回る恭介によって攻守ともに厚みを増した茜ヶ丘は次第にペースを取り戻す。相変わらず反目しあう恭介とロドリゴだが、その意地の張り合いも結果としてトリッキーなプレイとなり山ノ上を翻弄、ついに恭介の神がかり的なゴールも決まり同点。しかし、これまで無理を重ねてきたロドリゴの足にはとうとう我慢できないほどの激痛が襲うのだった。
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もう、ガマンの限界だ!!
3試合連続の逆転勝ちで波に乗る茜ヶ丘に、ついにスポーツ記者が取材にやってきた。調子に乗る恭介とは対照的に、ひとり足の痛みを隠し黙々と練習するロドリゴ。家族のために、そして自分の夢のためにプロへの道をひたすら目指すロドリゴは、練習試合でもスカウトの目を意識したワンマンプレーを繰り返す。このままでは勝てない。同じMFとして連携の取れないことに苛立つ一河は、「ロドリゴが出るなら自分は降りる」とキレてしまう。
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今に引っ張り出してやるからな!
ついに国領戦が始まった。ユース代表をベンチスタートさせて余裕の国領ベンチに向かって、絶対ピッチに引っ張り出してやると挑発する恭介。この試合、キャプテン佐古からゲームメイクを託された司令塔のロドリゴだったが、やはりスカウトの眼を引こうとした相変わらずのスタンドプレーに一河は面白くない。だが、その溢れる気迫とずば抜けた個人技、それに加えた恭介のなりふり構わぬ強引なシュートなどで、茜ヶ丘は優勢に試合を運ぶ。
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何か変よロドリゴは!
予想外の形勢不利に国領ベンチがついに動いた。投入されたのはユース代表、双子の藤森兄弟。彼ら息の合った多彩なコンビプレイの前に翻弄される茜ヶ丘。ロドリゴの個人技でギリギリ均衡を保ってはいるものの、無理を重ねたロドリゴの足は度重なる激痛に襲われ、もはや隠し通すことも耐えることもできなくなっていた。誰の目にも明らかになったロドリゴの異変、迎えたハーフタイムに村上監督は交代を告げる。
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決めると言ったら決める!!
後半5分だけという約束で出場したロドリゴは、心を入れ替えゲームメイクに徹する。前半とは見違えるような攻撃の連携で勢いを増した茜ヶ丘は、国領ゴールを脅かす決定的チャンスを幾度も得ることになる。しかし、5分間という時間はあまりに短く、ロドリゴの交代までに得点に結びつけることはかなわないまま、その時を迎えてしまう。ロドリゴの交代、そしてついに国領はエースストライカー神山を投入。城陽茜ヶ丘イレブンは国領フルメンバーと対峙する。
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うじうじと、らしくない!
練習もままならない暑さ、そんな夏休みのある日に一通のエアメールが恭介に届いた。差出人はセイスケカノウ、いまだ恭介の心の中にわだかまりを残したままの兄、叶成介からの突然の届け物。中に入っていたのは成介が出場する日本代表戦のチケットだけ。メッセージのない一通の手紙に、兄の真意がわからなかった恭介は、なぜかイラついて心配する周囲にすら当り散らし、ついには自分の殻に閉じこもってしまうのだが…。
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おーじょーぎわが悪いわねっ!
成介の出場する日本代表戦当日、恭介は二年前の乱闘事件を思い返していた。憧れていた兄との関係…自分が養子だったことを知った日、いつかは成介のようになりたいと願っていたことが叶わぬ夢だったことを知ったその日の試合で相手チームの選手を殴り、チームが出場停止になったこと。フラッシュバックする過去に1人悩み、苦しむ恭介。「また逃げるの?」心配した香織と美紀は、恭介を無理矢理車に押し込んで、競技場へと向かうのだった。
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ワイらは何をやっとるんやろ…
勇んで夏合宿の地、磐田市に着いた茜ヶ丘イレブン。いかにも豪華なホテルを前に喜ぶ一行だが、そんなに簡単にコトはすすまない。なんと宿舎は本館隣りのボロボロの別館。しかも手違いでグラウンドが手配されていないという。「いったい何しに静岡まで来たんだ…」と、がっくり座り込む一行。これでは学校に帰るしかないと決まりかけたとき、恭介は海の家でのアルバイトでグラウンド使用料を捻出しようと提案する。
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露天風呂?
同じく磐田で合宿している女子サッカー部の宿泊所は、男子の泊まるボロ旅館隣りの豪華ホテル。露天風呂に豪華な食事と、男子のそれとはまったくの別待遇。せめて露天風呂くらい使っても文句は言われないだろう、と恭介はロドリゴ、境とともに風呂へと向かう。隣の女風呂の会話を盗み聞きし、今夜肝試しが行われることを知った恭介は、女子部への逆恨みをこの機に乗じて晴らそうと、とんでもない計画を立てる。
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お前ら生意気すぎんだよ!
いつになく落ち着きのない城陽茜ヶ丘イレブン。なんとあの中山様選手が練習を見に来るというのだ。しかし、中山選手が村上の日本代表時代の後輩とはいえ、普段の村上の呑気さを知る恭介たちは半信半疑。「本当に来んのかよ…」そんなあきらめムードが漂う中、なんとママチャリに麦藁帽というなんともラフな格好で現れた中山選手。ミニゲームを楽しそうに見つめる中山選手を恭介たちは、ゲームに引っ張り出そうと露骨に挑発を始める。
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ワシ、サッカーで天下獲ったるわ!
選手権大会県予選の組み合わせも上々、1年生トリオをはじめイレブンの成長も目覚しい今なら全国も目指せると意気込むサッカー部だが、どうも副キャプテン釜田の様子がおかしい。実は、ラーメン屋を営む釜田の父親が体調を崩し、家業を継がなくてはならないかもしれないという。プロを目指す釜田にはあまりにも辛いその選択、半ば強引に森から事情を聞きだした恭介は、無謀にも1人で釜田の実家へと乗り込むのだった。
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これを待っていたんだ!
県予選を順調に勝ち進む城陽茜ヶ丘は再び準決勝でIDサッカーの陵星大付属と激突。インターハイの雪辱に燃えるキャプテン古木は、レベルアップした茜ヶ丘の実力を認めながらも、新たに分析したデータからすでにウイークポイントを見つけだしていた。序盤こそ一方的な茜ヶ丘ペースだったが、完全に攻めの態勢に入った茜ヶ丘のディフェンスラインが上がりきったその時こそ、古木の狙うカウンターアタックのチャンスだったのだ。
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PK戦の開始です!
古木に虚をつかれ先取点を許した茜ヶ丘だが、陵星IDサッカーの要、古木の予測をはるかに超えた恭介のプレーで同点に。当初から接戦での勝利しかありえないと読んでいた古木は隠し玉ともいうべき新入部員速水を投入、またしても茜ヶ丘を突き放す一点を奪う。残り少ない時間にも諦めず、反撃に転じた茜ヶ丘は恭介たちの"ゴン魂"プレーでまたしても同点に追いつき、試合は境の精神力にすべてがかかったPK戦へとなだれ込む。
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いつも通りって…!
いよいよ迎えた決勝戦、相手はもちろん王者国領高校だ。ユース代表4人をスタメンで出場させる国領の有利は揺るぎないと思われていたこの試合、波に乗る茜ヶ丘は一歩も引かず、0対0の膠着状態が続いていた。ストライカーの神山も恭介のブロックに阻まれるに至り、痺れを切らした神山は左45度にスイッチ、全国用に温存してきた左足でのシュートを決める。死角のなくなった神山を茜ヶ丘イレブンは止めることはできるのか?
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来ォォーイ!アゴ軍曹!
前半、神山のシュートで先取点を許してしまった茜ヶ丘。だが後半に入って、吹っ切れたかのようにGKの境は神山の強烈なシュートをことごとくセーブ。先の陵星戦、古木との戦いが彼をGKとして大きく成長させていたのだ。守護神の復活に勢いづいた茜ヶ丘は、恭介たちの体を張ったプレイで国領の堅牢なディフェンスをこじ開け、ついに同点に。互角に渡り合う両校の試合は、ついに1対1のままロスタイム2分を残すのみに…!
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来たぜ、兄貴!
激戦の末に国領を下し、ついに全国大会へと駒を進めた城陽茜ヶ丘。抽選の結果、初戦の相手に決まったのはなんと前年度優勝校の天竜高校。恭介の兄、叶成介が昨年までキャプテンを務めていたチームとのいきなりの直接対決。一度は意気消沈した一同だが、恭介の一声から一気に打倒天竜ムードが盛り上がったところで、村上監督は一本のビデオテープを皆に見せる。それは先のインターハイ、国領高校と対戦した天竜のビデオだった。
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今日は、全然ワクワクしないよ…
ついに始まった天竜戦。自分たちとのレベルの違いは明らか、だが勝機がないわけではない、と茜ヶ丘は村上の指示のもと、敢えて中盤での攻防を選ぶ。スピード、テクニック、全てに勝る天竜を序盤こそ牽制して試合を運ぶ茜ヶ丘だが、時間とともに焦りとプレッシャーで緊張の糸は切れ始める。次第に通らなくなるパス、ミスの積み重ねで連携もままならず、自滅へと誘われるイレブン。そして試合は天竜が先制! このまま終わるわけにはいかない!
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叶恭介…許さない!
ハーフタイムに気持ちを切り替え、自分たちのサッカーを取り戻す茜ヶ丘。中盤から前線へのパスが繋がり始め、徐々に天竜ディフェンスを押し広げ、ゴールを脅かしはじめる。しかし、勝つサッカーにこだわる天竜の司令塔、加賀美はそんな状況の変化を見逃さず、3点差という圧倒的優位な状況にもか関わらずシステムを変更、守備堅めに入る。しかしこの冷徹なまでの姿勢は逆に茜ヶ丘の闘志に火をつけ、ついには天竜の守りをこじ開ける。
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まさか、カノウがキャプテン!?
全国大会、天竜戦での敗退から3ヶ月が経った。佐古や釜田らサッカー部三年生は卒業の時期を迎えていた。すでにオレンジ寮を出、次々に進路が決まっていく三年生の中、プロを目指す"アゴ軍曹"釜田だけはJリーグ入りを果たせないまま、家業のラーメン屋を手伝う毎日を送っているという。そんな釜田を心配した恭介はたまらず練習を抜け出し、偶然を装って釜田に会いに行くのだが、その落ち込んだ姿にショックを受ける。
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十年早ぇよ、鳥の巣頭!
新学期のはじまりとともに、新入部員勧誘シーズンを迎えたサッカー部だが、二年生になった恭介たち生意気トリオは相変わらずの調子で過ごしていた。そこに突然グラウンドに3人の一年生が乱入する。木場、新川、室井の3人はグラウンドの恭介たちに対し、自分たちをレギュラーにしろと自信満々で迫るのだが、去年の自分たちの姿そのままの生意気ぶりに、つい全員吹き出してしまう。そして、今年もまた去年同様のレギュラーの座を賭けた紅白戦が始まった。
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こんな時に恭介君まで…!!
新生城陽茜ヶ丘誕生から迎えたインターハイ。しかし、昨年の激戦を生き抜き大きく自信をつけたチームはのびのびとプレーする。もちろん恭介も相変わらず荒削りながらも絶好調。初戦の天神高校はラフプレーで有名なチームだが、油断しなければ負けることのない相手。茜ヶ丘は開始早々2点をリードし波に乗るのだが、焦った天神イレブンはワントップの恭介にマークを集中、ついには凶器と化した5人のスパイクが恭介の足に襲い掛かる。
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何やってんだよ、みんな!
天神との試合で全治3ヶ月の大怪我を負ってしまった恭介の穴を埋めるべく、村上監督は木場たち新一年生のスタメン投入を決める。しかし、個々のサッカーセンスは素晴らしい3人だが、他のメンバーとの連携となると全く精彩を欠いてしまう。彼らの起用に不安をおぼえる二、三年メンバー、それは両者の溝という形ではっきり浮かび上がってきてしまう。チームに大きなしこりを残したまま、城陽茜ヶ丘はインターハイの予選に突入するしかなかった。
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誰もついて来ぇへんのか!?
まさかの一回戦敗退を喫した茜ヶ丘。ワントップ木場の独走が招いたチーム連携の崩壊は、そのままチーム内の不協和音となっていた。それでもなお今のチームをまとめ、木場たちの力を活かすプレーを考えなければならないと新キャプテンの江坂は苦悩する。一方、恭介もまた自身の故障に打ちひしがれていた。そんな中、兄の成介が見舞いに現れる。成介自身もまた、ヒザの治療のため手術を受けるというのだ。
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『キャプテン・エサカ』…!?
いまだチームをまとめられず自信喪失気味の江坂。キャプテンとしての重責に喘ぐ彼は、前キャプテンの佐古を訪れ助言を仰ぐが、佐古は今まで通りでいいとアドバイスする。人一倍の努力でレギュラーの座をつかみ、いつもムードメーカーに徹してきた努力の人江坂だからこそ全員の個性を伸ばし、個々を枠にはめずにまとめ上げることができるはずだと激励される。佐古の言葉に救われ、自信を取り戻した江坂はチーム再建に乗り出した。
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食い逃げ女!いつまで寝てんだ!
美紀たち茜ヶ丘女子サッカー部もインターハイ予選を明日に控えていた。グラウンドの石拾いから始まった美紀たち女子サッカー部は、ゼロからはじめたこれまでの一年間を振り返る。その努力を無駄にしないことを誓い、よりいっそう結束を強めてゆく。予選初回の相手は去年惨敗を喫した相手、姫の川高校。男子部員の声援にも支えられ、善戦する美紀たちの雪辱はなるのだろうか。そして病室の恭介はいったい何を思うのか?
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やっと戻って来れたぜ…
たび重なる病院からの脱走で心配のかけ通しだった恭介が、ようやく退院を迎えてオレンジ寮に戻ってきた。サッカーの練習こそ医者に止められているものの、通常の運動は許されている恭介はリハビリを兼ねたランニングに早速出発する。身体が動かせる喜びを堪能する恭介の元にタオルを届けに来た美紀と、思いがけず素直に語らううち、恭介は今まで誰にも明かさなかった出生の秘密、成介と自分は実の兄弟では無いことをこぼしてしまう。
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じゅ、12点!?
恭介の復帰から始めての公式戦である選手権予選がいよいよスタート。一回戦の相手は恭介に怪我を負わせた因縁の天神高校。しかし当の恭介は全く意識せず、いきなり全開でピッチを縦横無尽に駆け回り、天神ゴールに切り込んでゆく。天神高校は相変わらずのラフプレーで恭介に襲い掛かるが、それすらもむしろ楽しみながらかわし、なんと5得点の大活躍。怪我のブランクを感じさせないどころか、怪我前よりパワー、スピードともに増した恭介のプレーに焦りを隠せない天神イレブン。もちろんスタンドもチームメイトも唖然とさせる恭介の復帰戦となった。
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誰だ、アゴ軍曹って?
社会人チームに入った釜田がレギュラーの座をつかんだと聞き、さっそく恭介は釜田の元を訪れる。仕事とサッカーを両立しながらも、決してプロ入りの夢をあきらめない釜田。「レギュラーになったくらいで電話してくるな!」と頑固な父親から怒鳴られ、Jリーグ入りするまでは父親の顔は見ないと覚悟を決めたという釜田に刺激を受ける恭介。あまりにも強いその父子の関係を知り、恭介もまた確執中の父親との関係を思い返さずにはいられなかった。
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…少し時間をくれませんか…
準決勝の陵星戦でも完勝。さらに恭介は4試合連続のハットリックを達成、ゴール記録も16と伸ばして記録にあと1点と迫り絶好調。このまま全国を目指す城陽茜ヶ丘に、突然ロドリゴとの契約を申し出るJリーグのスカウトが現れる。家族のため、そして自分の夢のために日本でプロを目指してきたロドリゴだが、契約となれば茜ヶ丘を辞めなければならない。さらに境にも父親からロンドンへの転勤を伝えるメールが入り…。どうなる城陽茜ヶ丘イレブン!?
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父さん、ぼくはもう大丈夫だよ…
ロドリゴのJリーグ入団、境は日本を離れてのロンドンクラブチームへの入団と、思い入れの深い城陽茜ヶ丘サッカー部への残留のどちらを選ぶこともできず、それぞれ苦悩する。新生茜ヶ丘が迎えた最大のピンチに動揺する恭介らチームメイトではあったが、本人たちが下す決断にすべてを任せようと覚悟を決める。そして迎えた決勝戦当日の朝、二人はチーム全員の前で答えを出す。それはいったいどんな結論なのだろうか。
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さあ、来いや!!
選手権予選でも優勝を果たし、大記録まで作った恭介。もちろん嬉しいのは、これまで恭介の試合を追いかけて観戦してきた岡部たちにとっても同じ。しかしその反面、恭介が遠い存在に感じられてしまい、寂しく感じているのもまた事実。ひさしぶりに恭介を遊びに誘おうという仲間たちにも背中を向けてしまうなど、わけもなく苛立つばかり。そんな時、3年前にチームを出場辞退に至らせた暴力事件を起こした恭介を、いまだに恨む連中がいることを知る。
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いてまえサッカー?
いよいよ全国大会初戦。相手の大阪代表、上方高校は江坂の中学時代のチームメイトがほとんど。当時補欠だった江坂がキャプテンを務めていると知り、露骨に見下し侮ってくる上方イレブンに激しく闘争心を燃やす江坂ではあったが、口先だけではない実力を持つ、上方の豪快な"いてまえサッカー"と、精神的に揺さぶりをかける"つぶやき"に、調子を乱されてしまい序盤から先制を許してしまう。しかし努力の人、江坂はこんなことでは潰れない!
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何処、つれてくつもり!?
3回戦に勝利を収めた城陽茜ヶ丘ではあったが、4日間に3試合というハードスケジュールでチーム全員の疲労は限界を迎えていた。わけもなく元気な恭介を除き、全員食欲もなければ、不眠も深刻。見かねた村上監督は完全休養日を指示する。それぞれリラックス方法を求めてでかけていく中、新聞を眺めていた恭介は突然思いたったように、美紀を誘って電車に乗る。いつもと違う雰囲気の恭介に戸惑う美紀が連れてこられたのは恭介の父、文作の会社だった。
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んな所でチンタラやってられっか!
ベスト8に進出した茜ヶ丘。準々決勝戦の相手は姉妹校の城陽旭ヶ丘だ。兄弟である両校の理事長さえもプライドの火花を散らす中のキックオフ。前半、極端な守備的サッカーを展開した旭ヶ丘に対し、果敢に攻め入る恭介たちは順調に点を重ね2対0。楽勝かと思われたが、これも茜ヶ丘の消耗を誘う作戦だった。後半に入り、MF4人を全て変えた攻撃型戦術に切り替えた旭ヶ丘は、疲弊した茜ヶ丘の守備を破り、同点に追いついてしまう。
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もう少し居てくれんか?村上!
父、文作が倒れたとの知らせが入る。試合後に村上とともに病室に駆けつけた恭介。さらに母、そしてちょうど対外試合出場のために来日していた兄、成介も駆けつける。こうして皮肉にも久しぶりに家族が揃うこととなった。原因が過労だと知り、家族水入らずの時間をと考えて退席しようとした村上を止めた文作は、この機会にと、一同を前に恭介の本当の父親、そしてかつてのチームメイトでもあった鳴海圭介の過去と真実を話し始めるのだった。
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待っていたぞ叶恭介ー!
ついにやってきた天竜高校戦。去年の雪辱を晴らそうと誓う、恭介たち茜ヶ丘イレブンの気合いは最高潮。もちろん昨年唯一の失点にこだわる完璧主義者、天竜加賀美も負けてはいない。両者が激突する一戦は序盤から全開だ。降り出した雨の中、天竜の分厚い中盤を突き崩し、恭介が執念で打ちこんだシュートは加賀美の身体に当たってオウンゴール。昨年に続いて今年もプライドを傷つけられた加賀美、はたしてどう動くのか?
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茜ヶ丘魂じゃあああ!
雨中の試合にもかかわらず、トップギアで押しまくる茜ヶ丘イレブンは疲労の蓄積によって、その足は止まり始めていた。パワー、スピードはもちろん圧倒的なスタミナで王者の貫禄を見せる天竜の猛攻の前に、もはや防戦一方となる。しかしそんな中でも恭介だけは一人天竜サイドに攻めあがっていく。ひたむきなその姿と、彼に向けて注がれる国立競技場の大観衆の声援は、再び茜ヶ丘イレブンにもう一度走り出す力を与えてくれるのだった。
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行って来い!叶恭介!!
選手権大会での恭介の活躍が認められ、恭介はU-22の対外試合に召集される。かつてのライバルたちと同じピッチを駆ける恭介は、そこで世界レベルの高さに触れ、驚くとともに自分の力不足に悔しがる。しかし恭介の闘志溢れるプレーは、見た者に鮮烈な印象を残していた。帰国後、そんな恭介にオランダの名門クラブチームからのオファーが舞い込む。打倒天竜を誓いあった茜ヶ丘イレブンの前ではキッパリと断った恭介だったが…。
スタッフ
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キャラクターデザイン
今泉賢一 -
制作
日本アニメーション -
監督
嵯峨敏
-
総作画監督
青木哲朗 -
美術監督
石橋健一 -
脚本
菅良幸 -
色彩設定
大平敬志 -
音楽
中村暢之 -
音響監督
高橋秀雄 -
色彩設定
大平敬志
キャスト
-
ロドリゴ
石塚堅 -
佐古
永野善一 -
叶恭介
鳥海浩輔
-
堂本香織
荒木香恵 -
境ジェファーソン公司
高塚正也 -
大森福子
井関佳子 -
村上監督
松山鷹志 -
森一人
日比野朱里 -
辻脇美紀
加藤夏希 -
郷原
森訓久