銀河英雄伝説外伝
エピソード
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螺旋迷宮「エル・ファシルの英雄」
帝国暦486年。艦隊を率いてイゼルローン要塞を目指すラインハルトに、ミュッケンベルガー元帥より、要塞に接近しつつある自由惑星同盟軍艦隊を迎撃せよ、との指令が届く。ミュッケンベルガー元帥とその幕僚は、ラインハルトを皇帝の寵姫である姉の威光を借りる若僧と見做し、捨て駒として使おうと考えていたのだ。ガス状惑星レグニツァ上空での、同盟軍第二艦隊とラインハルト艦隊の戦闘は、レグニツァの過酷な環境により至近距離での乱戦となる。ラインハルトはこの特異な気象条件を味方につけ、第二艦隊に大損害を与えることに成功した。その後、ロボス元帥率いる本隊と合流し、態勢を立て直した同盟軍艦隊は、予定通りイゼルローン要塞への進撃を続ける。帝国軍は、これをティアマト星域にて迎撃すべく艦隊を布陣した。左翼に配置されたラインハルト艦隊に下された指令は、敵正面への前進。司令部の意図を悟り憤然とする部下を抑え、ラインハルトは命令通り艦隊を進める。彼は同盟軍に接近すると、艦隊を敵前で回頭させ、双方の艦列の間を高速で通過した。その行動に意表を突かれた両軍だったが、気が付けば敵が眼前に迫っていた。[製作年:1988年]
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螺旋迷宮「英雄の新しい仕事」
宇宙暦486年。第四次ティアマト会戦から帰還したヤンは、士官学校時代からの親友、ラップに出迎えられた。ラップは、ヤンと共通の友人であり、それぞれが憧憬を抱いている女性、ジェシカへ求婚することを決めた、と告げる。自らの思いを隠し、ラップたちを祝福するヤン。一方、第四次ティアマト会戦で大きな武勲を挙げたラインハルトは上級大将に昇進した。帝都オーディンで久しぶりに弟と再会した姉、アンネローゼは出世の階段を駆け上がる弟を危惧する。果たして軍上層部は、次に予定される同盟への進攻作戦を前に、ラインハルトのもとからミッターマイヤー、ロイエンタールなど有能な幕僚を転属させ、代わりにシュターデン、エルラッハなど、いかにも使えない人物を配した。また、ラインハルトの栄達を苦々しく感じていたブラウンシュヴァイク公は、フェザーンを経由して、同盟軍に帝国軍の同盟領進攻作戦をリークする。情報を得た同盟軍は、帝国軍の動員兵力の2倍となる兵力を編成し、同盟領外縁部で、これを捕捉撃滅しようと試みる。かつて自由惑星同盟軍が帝国軍の艦隊を完膚なきまでに打ち破った会戦、「ダゴンの殲滅戦」を再現しようというものであった。[製作年:1993年]
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螺旋迷宮「英雄たちの横顔」
帝国暦483年。少佐となったラインハルトは、イゼルローン要塞駐留艦隊に所属する駆逐艦エルムラントⅡの艦長を務めていた。難攻不落のイゼルローン要塞だったが、同盟軍もその攻略を諦めてはおらず、近々5回目の大攻勢があるのでは、と噂されていた。そんな緊迫した時期にあって、イゼルローン要塞に一人の憲兵少佐が赴任してきた。彼はグレゴール・フォン・クルムバッハ少佐と名乗り、ラインハルトの上官であるレンネンカンプに、ラインハルトの身辺を内密に調査すると告げる。ラインハルトを尋問するクルムバッハ少佐。惑星カプチェランカでの行動について問い質されたラインハルトは、クルムバッハ少佐とは、かつてベーネミュンデ侯爵夫人の指図を受けてラインハルトを亡き者にしようとしたヘルダー大佐の、いわば後釜なのではないかと疑念を抱く。遂に同盟軍の攻撃が始まった。ラインハルトの指揮のもと、エルムラントⅡも出撃する。ところが、過去の失敗例に学んだ同盟軍の攻勢は苛烈を極めた。急進し、肉薄し、帝国軍の艦列に我が艦を押し込む。要塞主砲を封じられたイゼルローン要塞は苦戦を余儀なくされる。その混乱の中、クルムバッハ少佐がラインハルトを呼び出す。本来の目的であるラインハルト暗殺を果たそうとするクルムバッハ少佐だが……。[製作年:1992年]
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螺旋迷宮「過去へのささやかな旅」
秋の小道を歩き、ローザス提督の私邸を訪問したヤン。出迎えた孫娘ミリアムに導かれ、「七三〇年マフィア」の最後の一人に面会を果たす。ローザスは、高齢ながらも端然とし、ヤンのような若者に対して少しも偉ぶらない紳士だった。しかし、ローザスは英雄としてこの世を去ったアッシュビーの名誉を傷付けるような調査には協力する気がなかった。ならばとヤンは方針を変え、彼らの人となりを知って判断材料に加えようとする。
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螺旋迷宮「時の女神に愛された男~第ニ次ティアマト会戦記I~」
宇宙暦745年、同盟軍はティアマト星域に布陣し、侵攻して来る帝国軍を迎撃しようとする。しかしこの時、艦隊を率いる「七三〇年マフィア」の間では深刻な内部対立が起こっていた。一方で帝国軍は、ミュッケンベルガー中将が、二人の息子の復讐戦さながらに兵を鼓舞し士気を高めていた。かくして戦闘が始まった。同盟軍の艦列は先の対立が影響し、やや乱れ気味だったが、アッシュビーの手腕は冴えたままであり、ミュッケンベルガーの旗艦を撃沈する。さらに激化する艦隊戦の中、ウォーリックが艦隊を突出させてしまうが……。
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螺旋迷宮「英雄の死~第二次ティアマト会戦記II~」
一進一退の攻防が続く中、同盟軍司令部の不和はその度合いを増しつつあった。一方、帝国軍は当初の予定通り進撃し、同盟軍を半包囲する体勢を作りつつあった。次第に追い詰められる同盟軍。しかし、別働隊を率いたアッシュビーが帝国軍の後背から襲いかかり、戦況は一変する。挟撃された帝国軍は総崩れとなり、勝敗は決した。だが、流れ弾がアッシュビーの旗艦に命中し、アッシュビーは破片を浴びて落命する。……その後、ヤンのもとに、ローザスが急逝したとの知らせが入る。
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螺旋迷宮「喪服と軍服の間」
ローザスの葬儀に参列したヤンに、孫娘ミリアムは「アッシュビーは仲間の功績を奪った男だ」と語る。また、アッシュビーは死後も仲間の運を吸い尽くす、と。確かに「七三〇年マフィア」に数えられた提督たちは、皆が不遇な晩年を迎えていた。ローザスを喪って調査に行き詰まりを感じたヤンは、調査対象を拡げるべきか思案していたが、そこに新たな辞令が届く。惑星エコニアにある捕虜収容所へ赴任せよ、との命令だった。ヤンは、この人事に謀略めいたものを感じつつも、とにかく現在の調査は中断せざるを得ないことになった。
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螺旋迷宮「収容所惑星」
赴任先である惑星エコニアに到着したヤンは、パトリチェフ大尉という巨漢の出迎えを受ける。捕虜収容所長のコステア大佐に着任の挨拶をした際には、「捕虜たちの自治組織とうまく折り合うよう」助言される。その後ヤンは、この惑星には「七三〇年マフィア」と縁のあった人物が数多くいることに気付いた。また、捕虜の自治組織の重鎮であるケーフェンヒラーという老人は、第二次ティアマト会戦で捕虜になって以来、43年間も捕虜生活を続けているが、彼はヤンに、ある古い帝国軍人に関わる事件を調べていると語る。その晩、就寝中のヤンはパトリチェフからの非常呼び出しを受けた。
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螺旋迷宮「捕虜と人質」
副所長を拘束した捕虜たちは、所長との人質交換を要求するが、所長はヤンに人質になるようほのめかす。しぶしぶ従うヤンに、パトリチェフが同行を申し出る。さらになぜかケーフェンヒラーが人質に加わった。彼はこの脱走計画の黒幕は所長のコステアで、彼は公金横領の罪を隠蔽するため、この事件を起こしたと話す。また、ケーフェンヒラーが追う事件とブルース・アッシュビー謀殺事件には関連があると語る。詳しく話を聞こうとした次の瞬間、爆発が3人を襲う。
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螺旋迷宮「顕微鏡サイズの反乱」
コステアは、ヤンを自分の不正を暴きに来た秘密監査官だと勘繰り、全てを闇に葬ろうと、このような暴挙に出たのだった。砲撃が激しさを増す中、ヤンたちはケーフェンヒラーの先導で地下のパイプスペースを使って脱出する。しかし、脱出した先は収容所の司令室の裏側で、壁1枚を隔てた向こうでは、コステアがヒステリックにがなり立てている。壁を蹴破って現れたヤンたちに、コステアは驚愕する。彼はしばし抵抗するが、最後は己が罪を認めた。ヤンは事の顛末をタナトス警備管区に説明し、軍管区参事官のムライ中佐の到着を待つことになった。
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螺旋迷宮「エコニアの英雄」
到着したムライは、公正且つ迅速な判断でコステアの罪を暴いていく。ムライはエコニアを訪れる前に、公金横領の裏付け調査を済ませていたのだ。ヤンは、その手際の良さに感服する。一連の事件の解決に多大な功績があったということで、ケーフェンヒラーは釈放されることになった。ヤンは彼の自室に入り浸り、荷造りを手伝いながら彼と語り合う。ヤンは、ケーフェンヒラーが追う事件とブルース・アッシュビー謀殺事件との関連について問うが、彼は具体的なことは何一つ語らなかった。そして、ヤンのもとにハイネセンへの帰還命令が届く。
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螺旋迷宮「過去からの糸」
異動が決まったヤンは、わずかな時間を惜しんで帝国軍将官に関する資料を読みふけり、遂にある仮説にたどり着く。これはケーフェンヒラーの追う事件と、ブルース・アッシュビー謀殺事件とをつなぐ答えになり得るものだった。やはり転属が決まったパトリチェフを加えた3人は、惑星マスジットで新年を迎える。祝いの花火を眺めつつ、ケーフェンヒラーは第二次ティアマト会戦当時のことを語る。それはヤンの仮説を裏付ける話だった。そして、ケーフェンヒラーは静かに瞳を閉じた。
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螺旋迷宮「ひとつの旅の終わり」
急死したケーフェンヒラーは、惑星マスジットの公共墓地に葬られた。様々な雑事を済ませてハイネセンに到着したヤンとパトリチェフは、別れの握手を交わす。その後、迎えに来たアッテンボローと共にキャゼルヌの私宅に向かうヤン。そこには、彼の婚約者であるオルタンスと、彼女が腕を振るった絶品の料理が待っていた。歓談の後、ヤンはブルース・アッシュビー謀殺事件を調査した結果について語り始める。それはケーフェンヒラーの推理をもとにヤンが考察した、同盟と帝国の闇の歴史であった。
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螺旋迷宮「出口をさがす旅」
ヤンは、ブルース・アッシュビー提督の常勝を支えたのは、帝国内部に張り巡らされたスパイ網だったのでは、と語る。それは、帝国から同盟に亡命したジークマイスター提督と、その僚友ミヒャールゼンが築き上げたもので、これらがアッシュビーを情報面からサポートしたというのだ。この仮説は、ケーフェンヒラーが長年の調査の末に構築したものだったが、ヤンも同じ結論に達していた。しかし、ケーフェンヒラーが遺した文書は25年間の封印文書となり、真実が明るみに出るまでにはいささか時間がかかることになる。そして、第八艦隊への配属命令を受領したヤンは、再び前線へと向かうのだった。
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白銀の谷「Kap.I」
宇宙暦791年(帝国暦482年)、幼年学校を卒業したラインハルトとキルヒアイスの二人の最初の赴任地は、酷寒の惑星カプチェランカであった。前線基地BIII司令官ヘルダー大佐には、ラインハルトとその姉アンネローゼを憎むベーネミュンデ侯爵夫人から、ラインハルトの暗殺を指示する密書が届いていた…。
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白銀の谷「Kap.II」
猛吹雪の中、機動装甲車で偵察に赴くこととなったラインハルトとキルヒアイス。だが、装甲車の動力源である水素電池が、ヘルダーの命を受けてすり替えられており、基地から離れた場所で動力が尽きてしまった。二人は、この偵察命令が罠であり、彼らを陥れる陰謀がカプチェランカを舞台に進行していることを洞察する…。
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白銀の谷「Kap.III」
同盟軍の装甲車を奪取することを決意したラインハルトとキルヒアイスは、たった二人で八人の同盟軍偵察隊を全滅させ、動力源と同盟軍のデータを入手した。彼らの死を確認するためにやって来たフーゲンベルヒは、ラインハルトの演技に騙され事件の黒幕を明かしてしまう。その頃、BIIIには同盟軍が侵攻中で…。
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白銀の谷「Kap.IV」
一連の事件に関して何も気づいていない風を装うラインハルトは、ヘルダーに同盟軍基地への大攻勢を行うよう進言した。今度こそ暗殺を遂行できると計算したヘルダーは、その案を受け容れた。単独での別行動を命じられたラインハルトは、予想通り背後から襲ってきたヘルダーを欺き、逆に捕えようとするが…。
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叛乱者「Kap.I」
惑星カプチェランカでの功績により中尉に昇進したラインハルトは、駆逐艦ハーメルンIIに航海長として赴任した。この艦では、武人でない艦長アデナウアーにかわって、副長ベルトラムが実質的に指揮を執っていた。そんな中、あまりにも若い新航海長に不満を感じる兵士たちが、相応の能力を示すようラインハルトに迫り…。
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叛乱者「Kap.II」
一般兵士に受け容れられたラインハルトは、兵士たちにもそれぞれの人生があることを実感する。そんな中、彼らの部隊が同盟軍に急襲された。艦長の負傷により指揮権を引き継いだラインハルトは、艦を僚艦とは逆方向に転進させ、ベルトラムと対立する。僚艦は皆撃破されてしまい、彼の判断の正しさが証明されたが…。
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叛乱者「Kap.III」
艦に危機が続く中、観念したベルトラムは、艦を自爆させて名誉ある戦死を遂げようと考え始めていた。それを知ったラインハルトは、キルヒアイスたちの協力を得て艦橋を制圧し、ベルトラムを拘禁する。そして、恒星アルトミュールの表面爆発を利用するというシュミットの案を受け容れ、彼は実行の準備を進めたが…。
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叛乱者「Kap.IV」
正式に艦長代理となったラインハルトの指示のもと、艦の修理は終了した。だが、スラスターの不調が新たに判明し、ザイデルとベルトラムが危険な船外補修を引き受けた。作業の完了直後、同盟艦からミサイルが発射される。衝撃で吹き飛ばされたザイデルをベルトラムは身を挺して救い、自身は炎に包まれてしまい…。
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決闘者「Kap.I」
大尉となったラインハルトは、オーディンの軍務省監察局で味気ない書類の山に埋もれていた。そんな折、アンネローゼの友人であるシャフハウゼン子爵夫人が、炭鉱の採掘権を狙って決闘を挑んできたヘルクスハイマー伯爵によって苦境に立たされていることを知った彼は、決闘の代理人に名乗りを上げるのだったが…。
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決闘者「Kap.II」
ラインハルトが決闘に臨むという噂は瞬く間に貴族社会に広まり、ベーネミュンデ侯爵夫人の耳にも届くこととなった。慣れない火薬銃の修練に励むラインハルトは、見知らぬ士官であるルッツに的確なアドバイスを受けた。一方、ヘルクスハイマー側の決闘者は、不気味な黒マントの男との決闘に敗れて殺されてしまい…。
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決闘者「Kap.III」
相手の決闘者の殺気を感じ取り、キルヒアイスの助言を聞き容れることにしたラインハルト。一発目は敢えて横に跳び相手の初弾をかわすという意表を衝いた方法でラインハルトは勝利したが、相手は剣での再戦を要求。これはもはや命を賭けた戦いであった。黒マントの決闘者は、ベーネミュンデ侯爵夫人の刺客だったのだ…。
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決闘者「Kap.IV」
憎むべき皇帝によって命を救われたラインハルトは意気消沈していた。そこに黒マントの男からの果たし状が届く。彼からの決着をつけようとの申し出に闘志を蘇らせるラインハルト。後を追ったキルヒアイスは、ラインハルトを狙うベーネミュンデ侯爵夫人の手下を発見する。薄闇の森の中で、二つの戦いが始まった…。
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奪還者「Kap.I」
巡航艦ヘーシュリッヒ・エンチェンの艦長に就任していたラインハルトに極秘任務の要請があった。あのヘルクスハイマー伯爵が、軍の試作武器を持ち出して同盟への亡命を図っているという。任務とは、その亡命を阻止して軍事機密を回収することであった。武勲を立てる機会と考えた彼は、その任務を引き受け出撃する…。
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奪還者「Kap.II」
同盟領に侵入したヘーシュリッヒ・エンチェンは、無事ヘルクスハイマーの船を発見した。まず通信機能を停止させ、一気に艦内を制圧したが、ヘルクスハイマーらは脱出に失敗して既に死亡していた。更に彼が持ち出した軍事機密、指向性ゼッフル粒子発生機のプロテクト解除にはアクセスコードが必要だったが…。
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奪還者「Kap.III」
ヘルクスハイマー家の生存者は、10歳の令嬢マルガレータだけであった。彼女はプロテクト解除のアクセスコードを知っていたが、父親の仇には教えないと頑なに拒んでいた。その中、帰途についていた艦が同盟軍に発見されて追撃を受けてしまう。キルヒアイスはマルガレータと取引をすることをラインハルトに提案して…。
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奪還者「Kap.IV」
キルヒアイスを信用したマルガレータは、アクセスコードを明かした。同時に得られたのは、宮廷闘争に絡む銀河帝国の暗部をえぐり出すような極秘情報であった。その内容に衝撃を受けたベンドリングは、マルガレータの後見人として同盟に亡命することを決意する。何とか艦は、イゼルローン回廊付近まで到達するが…。
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朝の夢、夜の歌「Kap.I」
大佐に昇進したラインハルトは、キルヒアイスと共に研修の一環で帝国軍幼年学校を訪れたが、旧態依然とした学内の雰囲気に嫌気がさす。更に幼年学校よりラインハルトが戻った直後、憲兵隊に出向との新たな辞令が発せられた。それを知り、彼の憂鬱は増すばかりであった。そんな中、幼年学校で殺人事件が起きて…。
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朝の夢、夜の歌「Kap.II」
ラインハルトとキルヒアイスは、過日訪れたばかりの幼年学校で発生したライフアイゼン変死事件の捜査を命じられた。再び幼年学校を訪れた彼らは現場検証やライフアイゼンの身辺調査を行うが、新たな手がかりは見つからない。そこへシュテーガー校長から二人に協力するように命じられた学年首席のハーゼが現れるが…。
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朝の夢、夜の歌「Kap.III」
ライフアイゼンの葬儀に参列したラインハルトとキルヒアイス。その後すぐにラインハルトの父が病死し、二人が留守にしている間に幼年学校では第二の凶行が発生していた。学年次席の優等生ベルツが殺害されたのである。現場の不自然な状況から、先日感じた疑問が氷解したキルヒアイスは、ハーゼが犯人であると考えるが…。
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朝の夢、夜の歌「Kap.IV」
二人が最初の死体発見現場である食料倉庫を再び検証していると、突然頭上から小麦粉の袋が落ちてきた。間一髪でキルヒアイスに救われたラインハルトは、ライフアイゼンを殺した凶器の正体を知る。そこから推理を進め、真相にたどり着くラインハルト。そしてシュテーガー校長の前でラインハルトは、事件の真相を明かす…。
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千億の星、千億の光「ヴァンフリート星域の会戦」
ヴァンフリート星域において帝国、同盟両軍が対峙していた。准将となっているラインハルトだが、所属する艦隊の司令官グリンメルスハウゼン中将が高齢のため戦力外とされており、功績を挙げる機会もない。更に進軍を妨げる陸戦隊への抗議が、部隊を指揮するリューネブルク准将に無視され、彼の苛立ちは深くなっていた…。
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千億の星、千億の光「三つの赤」
衛星ヴァンフリート4=2に駐屯したグリンメルスハウゼン艦隊。同盟軍の通信波を解析したラインハルトは、この星に敵基地がある可能性に気づき索敵を提案するが、その任務はリューネブルクに横取りされてしまう。一方、ヴァンフリート4=2の同盟軍補給基地では、「薔薇の騎士連隊」に偵察命令を出していたが…。
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千億の星、千億の光「亡命者たち」
偵察隊を発見したシェーンコップたちは、撤収しようとするがリューネブルク率いる帝国軍に攻撃されてしまった。かつて「薔薇の騎士連隊」連隊長でありながら帝国へと逆亡命したリューネブルクと対峙するシェーンコップ。その一騎討ちは辛くも“水入り”となり、多数の味方を失ったシェーンコップは無念のまま撤退して…。
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千億の星、千億の光「染血の四月」
同盟軍基地の所在を突き止め、地上部隊による進攻をグリンメルスハウゼンに具申したリューネブルクは、その司令官となるとラインハルトを副将にして、発言権を封じた。一方、迎撃準備を整えていたシェーンコップは、敵との戦力差は覆い難く、救いがあるとすれば味方の救援が間に合うことのみであろうと考えていて…。
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千億の星、千億の光「危険な男」
数の上で圧倒的に有利な帝国軍に対し、同盟軍は善戦していた。遥か天上の宇宙空間では、ビュコック率いる同盟軍第五艦隊がヴァンフリート4=2に接近しつつあった。それを知った帝国軍本隊もこの宙域に移動を開始し、援護要請を受けた同盟軍各艦隊も参戦、いつしかヴァンフリート4=2は主戦場へと様変わりしていた…。
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千億の星、千億の光「混戦始末記」
戦闘中、ラインハルトは敵基地内で逃げ惑う司令官のセレブレッゼを捕虜として拘束することに成功した。もともとこの不毛な戦闘においては個人的な武勲を立てることに専念するつもりであった彼にとって、目的は達成したといえた。ヴァンフリート星域会戦は終結し、ラインハルトはリューネブルクと共に少将に昇進するが…。
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千億の星、千億の光「初夏、風強し」
ラインハルトを快く思わない者たちに自分を売り込もうとオフレッサーを訪ねたリューネブルク。だが、彼の思惑は外れてしまう。一方、ラインハルトはキルヒアイスの昇進をアンネローゼに訴えていた。彼女の立場を考えて助力を断ったキルヒアイスだが、意外なことにグリンメルスハウゼンの推挙で少佐への昇進が決定して…。
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千億の星、千億の光「伯爵家後継候補」
初めての帰省をしたキルヒアイスは、8年振りに両親と再会し、心地良い郷愁を感じる。しかし、かつて金髪の美しい姉弟と楽しい日々を過ごした隣家は人手に渡り、内装も荒れ果てていた。その頃、皇帝フリードリヒIV世がラインハルトに名のある貴族の家名を与える意向を示したという話が広まり、門閥貴族の反発を招き…。
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千億の星、千億の光「パーティーの夜」
グリンメルスハウゼンの大将昇進祝賀会が開かれた。そこで気分を悪くしたリューネブルクの妻、エリザベートを介抱するラインハルト。ところが、リューネブルクがそこに来合わせ、まるで不義の現場を押さえたかのような態度をとる。激怒して決闘を申し込むラインハルト。庭に出た二人の前に、意外な人物が現れて…。
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千億の星、千億の光「真実は時の娘」
少将の地位を得てイゼルローン要塞に赴任したラインハルトは、ケスラーと再会した。しかし、何らかの密命を帯びているらしい彼は多くを語ろうとしない。艦隊戦が始まると、ラインハルトは卓越した戦術を駆使して数々の戦果を挙げた。これに対するべく同盟軍のグリーンヒル大将は、麾下の参謀ヤン大佐に対処を一任して…。
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千億の星、千億の光「第六次イゼルローン攻防戦」
同盟軍の総攻撃に一瞬怯んだ帝国軍を後方のミューゼル分艦隊が救った。だが、彼の勇躍に功を焦った帝国軍艦隊が主砲射程内に突出。それに好機を見出したヤンが予備兵力を投入し、戦場は混戦状態となった。その中、リューネブルクとの決着を望む「薔薇の騎士連隊」は敵戦艦を襲い、リューネブルクを名指しで挑発して…。
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千億の星、千億の光「千億の星、ひとつの野心」
不毛な消耗戦に陥る両軍だが、戦場の各所で同盟軍のパイロットたちや帝国軍の精鋭など数々の若き異才が頭角を現していた。そんな中ラインハルトは、現状打破のためにある作戦案を上申する。総司令官ミュッケンベルガー元帥は、彼の出すぎた態度を不快に思いながらもラインハルト自身の出撃を条件にその作戦を採用して…。
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第三次ティアマト会戦「前編」
宇宙暦795年(帝国暦486年)、皇帝の在位30周年に華を添えるという名目で大規模な遠征を行うこととなった帝国軍。その中には、中将に昇進して一個艦隊を預かる身となったラインハルトと、副官として常に彼と行動を共にするキルヒアイスの姿があった。帝国軍と同盟軍の両軍は、ティアマト星域で対峙して…。
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第三次ティアマト会戦「後編」
ラインハルトはホーランド艦隊が行動限界点に達するのを待ち、麾下の艦隊を後退させた。ラインハルトは戦線が伸びきった一瞬を捕え、たった二度の砲撃でホーランド艦隊を撃破、会戦そのものを終結させてしまう。大将に昇進したラインハルトに、皇帝より純白の旗艦を与えられた…。その名は“ブリュンヒルト”!
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汚名「Kap.I」
休暇を取るべくリゾート人工衛星クロイツナハIIIへ赴いたキルヒアイスは、3年前の「アルレスハイムの会戦」で同盟軍に大敗北を喫した司令官のカイザーリング退役少将を暴漢から救った。ホフマン警視から暴漢がサイオキシン麻薬中毒であったことを聞かされたキルヒアイスは、麻薬密売組織摘発への協力を要請されて…。
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汚名「Kap.II」
カイザーリングから食事に招待されたキルヒアイスは、無能な指揮官という悪評とはかけ離れた彼の高潔そうな人柄に感銘を受けた。更にカイザーリングが親友であるバーゼル退役中将の妻となった女性、ヨハンナを40年間変わらず愛し続けていると語り、キルヒアイスは思わず自分とアンネローゼとの関係を重ね合わせて…。
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汚名「Kap.III」
カイザーリングにバーゼルを紹介されたキルヒアイスは、バーゼルに対する疑念を深め、幾つかの質問を彼にぶつけた。その後すぐに刺客に襲われたキルヒアイスは、駆けつけたホフマンからバーゼルに麻薬不法所持の嫌疑をかけられた過去があることを聞き、全てを知っているであろうカイザーリングと向かい合い…。
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汚名「Kap.IV」
夫の悪行を知っていたヨハンナが彼に改心を促すために密告をしていたことを知ったキルヒアイス。だが、バーゼルの犯罪を証言することはあくまでも拒絶するヨハンナ。キルヒアイスたちの罠にはまって窮したバーゼルは、彼女に証拠書類の焼却を命じる。その資料を暖炉にくべようとする彼女にキルヒアイスは銃を向けるが…。
スタッフ
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キャラクターデザイン・総作画監督
清水恵蔵 -
キャラクター原案
本木久年 -
コンセプチェアルデザイン
加藤直之
-
シリーズ構成・脚本
河中志摩夫 -
メカニックデザイン・美術デザイン
田中精美 -
制作
ケイファクトリー -
原作
田中芳樹 -
撮影監督
藤田正明 -
監督
笠麻美 -
総監督
石黒昇 -
美術デザイン・美術監督
長尾仁 -
製作
徳間書店 -
音楽
風戸慎介 -
音響監督
明田川進 -
コンセプチェアルデザイン
加藤直之 -
メカニックデザイン·美術デザイン
田中精美
キャスト
-
クリストフ・フォン・ケーフェンヒラー
矢島正明 -
ジークフリード・キルヒアイス
広中雅志 -
ナレーション
屋良有作
-
ブルース・アッシュビー
風間杜夫 -
ヘルマン・フォン・リューネブルク
野沢那智 -
ヤン・ウェンリー
郷田ほづみ -
ラインハルト・フォン・ミューゼル
堀川亮 -
ワルター・フォン・シェーンコップ
羽佐間道夫