ドラゴン、家を買う。
エピソード
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いろんな家
世界には幾万もの生命が息づいている。その生態系の頂点に立ち、最強にして至高の存在である“ドラゴン”。だが、極稀にそうでないドラゴンもいる…。家を勘当された臆病なドラゴンの子・レティ。多種多様な種族が暮らす広大な世界で、自分が生き抜くためには安住の地で暮らすしかない。「さがそう! 夢のマイホームを!!」そう決心した彼は旅へ出るが、そんな家探しの道中、運悪くもドラゴン討伐を目論む勇者一行と出くわしてしまう。「…おやおや。良くありませんね。弱いものいじめは。」そう言って、窮地を救ったのは不動産屋を名乗るエルフのディアリアだった。運命の出会いを果たす1匹と1人。ドラゴンと魔王による“夢のマイホーム”探しの長い旅が、今、始まる。
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落ちる家
設計事務所と不動産業を兼業するディアリアに物件を紹介してもらうことになったレティは、「こぢんまりとしたかわいい家がいいですっ!」と自分の理想とするマイホームを伝える。しかしディアリアは、自分たちの住処を脅かし悪行を重ねる勇者に侵入されないようなセキュリティが最も必要だと説明する。そんな彼が最初に紹介したのは、勇者対策が完備され侵入者を徹底的に地下へ叩き落とす蟻地獄式の神殿、すなわちダンジョンだった。大抵の勇者たちが生きて戻ることができないという自信作のトラップをなぜか自ら体験させられることになったレティは、落とし穴、巨大な槍、鉄球とさまざまなトラップに見事引っかかっていくのであった。
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はじめての家
物件探しの道中で立ち寄ったのは、腕のいい職人でありバイヤーであるグライアイ三姉妹が営むショールーム。小人用から巨人用、そしてドラゴン族向けまで、多種多様な商品に心躍らせるレティだったが、やはり規格外のサイズの家具を置ける家を探す必要があるのだった。そんな悩みを抱えるレティに対して、ディアリアは新しい家を建てることを提案する。お金を心配する無一文のレティをよそ目に、ディアリアは「そのうちお金の方からやってきますよ」と意味深な発言をして、着々と立派な新居の工事は進んでいくのだった。ついに“夢のマイホーム”が完成するかと思いきや、実際にそんなに美味しい話などあるはずはなく…。
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冷たい家
「静かに暮らしたいなら、勇者が来なくて土地も安い、超辺鄙な場所が良いのではないかと思いまして。」という極端な思考のディアリアに紹介された次なる物件の候補は、一面雪景色の“アルブス氷地”だった。雪を駆使して見事に家を完成させるレティであったが、やはり今回も簡単に事は進まない様子。雪原での生活は人間による驚異が少ないが生きていくこと自体が過酷であるため、一度実際に体験した方が良いという理由から、レティは強制的に3日間のサバイバルをさせられることになる。慣れない土地、そして臆病で小心者の性格から、不本意に行うことになったサバイバルは前途多難を極めた。そんな最中、レティは謎の生物の卵を発見するのであった。
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集まってる家
雪原で偶然に発見した卵から生まれたフレースヴェルグの雛は、刷り込みの習性からレティのことを親と思い込み、「パパ」と呼ぶようになる。ドラゴンにも関わらず、弱く、臆病で、いざという時に頼りにならない自分が雛の育ての父親になるということにどうしても自信が持てないレティは、ディアリアからの提案で、里親を探すために多種多様な種族が協力しながら暮らす集合住宅を訪れることになるのだった。「必ずキミにふさわしいパパとママを見つけるよ!」と奮起し意気込むも、一癖も二癖もある個性豊かな住民たちに安心して雛を預けることができないレティ。その様子を影から見つめる怪しい影が…。
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ドラゴン、緊急事態。
家探しの道中の度重なる出費により、ついにレティのお金が底をついてしまった。理想の家を手に入れるためにも、ピーちゃんの子育てのためにもお金は必要…ということで、急遽お金を稼ぐことになる。ドラゴンが働ける場所なんてあるのかというレティの疑問に対して、ディアリアがファストトラベルで訪れたのは、どの種族、どの国家からも干渉を受けない自治都市、いわゆる、ならず者のたまり場であった。早速ビビりまくるレティだったが、なんとか仕事にこぎつけることに成功する。しかし安すぎるバイトでは全く稼げず、実入りのいいバイトを紹介してもらうことになるのだが、報酬の高いバイトにはそれなりの理由もあるもので…。
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たたかう家
ドラゴンの噂を聞きつけた人間に捕まったレティは牢獄に入れられていた。死を覚悟するが、ピーちゃんと共に必ず脱出することを決意した時、牢獄内で出会ったのは場所に似つかわしくないハイテンションのモンスターたちだった。そこは人間の辺境伯が所有する闘技場の地下で、狩人や勇者に倒される心配がなく、監視も緩ければ食事も美味しいと、まさにモンスターにとって至れり尽くせりの理想の環境。人間との新しい共存の形を目の当たりにして素直に感心するレティであったが、頭をよぎるのは、きっと自分たちを探してくれているであろうディアリアのことだった。果たして、レティたちは牢獄を出ることができるのだろうか? …そもそも、出る必要があるのだろうか!?
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ピーちゃん、遊びに行く。
今回はフレースヴェルグの雛、ピーちゃんのお話。好奇心旺盛なピーちゃんは、レティのお昼寝中に一人で遊びに行くと、草むらで泣いているレプラホーンを発見する。レプラホーンは素敵な靴の家を通りすがりの勇者に踏み潰されて、投げ捨てられ、川に流されと散々な目にあい、新しい家を探しているところだった。自分のパパであるレティの姿をレプラホーンの姿に重ねたのか、ピーちゃんは家探しを手伝うことに。家探しの途中に勇者たち一行から靴を盗もうと提案する自信満々のピーちゃんは、無事に素敵な家を見つけてあげることができるのだろうか!? 小さなピーちゃんの大冒険がひっそりと始まる!
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黒い竜の家
ディアリアとレティが出会う前のこと。魔王であるディアリアの元に「家をくれ!」と突然訪ねてきたのは、世界中で勇者の屍の山を築き、時には迷宮の主とも言われていた、暗黒竜のバーニーだった。面倒くさいことに巻き込まれたくないという理由から、初めは自分には関係ないことだと取り合わなかったディアリアであったが、師匠であるヨルムンガンドに諭される形で渋々、家探しを手伝うことになる。話を聞かない、非効率的な行動を取る、自由奔放なバーニーにほとほと呆れ果てていたディアリアであったが、家探しの旅を続ける中で、そんな彼の行動や言動に興味を持ち始めるのであった。これが後に100年続く魔王と黒竜の家探しの始まりだった。
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狩人、ドラゴンを追う。
狩人(ハンター)のヒューイはお供のケット・シーであるアルバートを連れて、赤きドラゴンを追っていた。とある筋から手に入れた情報を頼りに辿り着いたのは普通の家。ドラゴンと常に戦える自信があった狩人だったが、あまりにも個人住宅感丸出しのその住処を前に狩人の中の良心が問いかける…「個人宅に押し入るなんてマナー違反じゃないのか?」。そんな狩人の苦悩などつゆ知らず、勇者たちは自分の家のようにズカズカと住処に侵入していく。様子を伺うヒューイとアルバートであったが、そこで聞いたのは赤きドラゴン、すなわち炎竜王が世界を征服しようとしているという衝撃の新事実であった。果たして狩人は無事に炎竜王を討伐することができるのであろうか?
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国営の家
ひょんなことから家出中の人間の王女・ネルと家探しの旅を共にすることになったレティたち一行。いつもディアリアに物件探しを任せていたが、次の物件を自分自身で探すことになったレティはとにかく悩みに悩んでいた。加えて、納税の義務があるという事実も発覚。固定資産税、住宅ローン控除、確定申告…聞き慣れない言葉と大量の書類を前に、レティの頭はパンク寸前に。そんな様子を見かねたネルはこのままでは埒が明かないと判断し、ピーちゃんに次の物件を選ばせることにする。「なんだかいい家に出会える気がするよ!」と上機嫌のレティだったが、なんと次の物件候補は人間の王都であるネルの実家のすぐ近くだった。
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防衛する家
レティたちが地下迷宮からうっかり飛び出した先はネルの実家の王宮だった。炎竜王が姫を人質に城内を占拠しているという情報で王宮は大混乱。その状況は当然ネルの父である国王にも伝わり、まさに一触即発の状況。なんとか直接事情を伝えて誤解を説くようにネルに懇願するレティだったが、喧嘩して家出中のネルは「絶対イヤじゃ!」の一点張り。魔法で脱出を試みるも、城は不法侵入を防ぐために転移魔法が使えない仕様になっていることも判明し、まさに絶対絶命。その最中、窮地を脱するために、そして将来住む家の参考になるという理由から、ディアリアの提案で国を相手取っての防衛戦を仕掛けることになる。“夢のマイホーム”を探すはずだったレティの運命やいかに。
スタッフ
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MAGCOMI
マッグガーデン -
アニメーション制作
SIGNAL. MD -
キャラクターデザイン
蘇詩宜
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キャラクターデザイン・総作画監督
蘇詩宜 -
プロップデザイン
福地祐香 -
原作
絢薔子 -
掲載誌
MAGCOMI -
撮影監督
山本聖 -
監督
春日森春木 -
監督·編集
春日森春木 -
美術監督
渡辺佳人 -
色彩設計
北林千明 -
製作
家を買う。」製作委員会 -
音楽
松野恭平 -
音楽制作
ポニーキャニオン -
音響制作
スタジオマウス -
音響監督
納谷僚介 -
MAGCOMI
マッグガーデン
キャスト
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アルバート
M・A・O -
シーフ
たかはし智秋 -
ディアリア
石川界人
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ナレーション
森本レオ -
ネル
福圓美里 -
ピーちゃん
井澤詩織 -
ヒューイ
近藤隆 -
レディ
堀江瞬 -
勇者
伊東健人 -
弓使い
西山宏太朗 -
白魔導士
平川大輔