ヤング ブラック・ジャック
エピソード
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医者はどこだ!
1968年、東大紛争が勃発。多くの若者が国家権力への戦いへ突き進んでいった時代。そんなある日、希志本越大学付属病院に列車とバスの衝突事故によるケガ人が多数搬送された。インターンの岡本舞子から、ケガ人の手当の手伝いを要請された医学生の間黒男。彼はそこで、列車の下敷きとなり、右腕、左脚が切断された少年・拓ちゃんと出会う。教授から手足を繋げるのは不可能と言われて絶望する両親に、間は「俺に任せてくれるならば、必ず繋げてみせる!」と言う。ただし、報酬として当時では法外な金額である500万円を要求する。わらをもつかむ気持ちの拓ちゃんの両親は、その手術を了承するが……。
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拉致
突然、夜道で襲われ、どこかへとさらわれた間。目を覚ますとそこは薄暗い部屋の中だった。数人の男たちと一緒に拘束される間の前に、取り立て屋の立入が現れる。「今日皆さんにお集まり頂いたのは、借金をチャラにする、素晴らしい提案をするためだ!」と言う立入。それは、ある資産家に自分の心臓を差し出す臓器移植の提案だった。適合検査の結果、間とレイモンドという男がドナーに選ばれる。金さえ積めばどんな移植だって引き受ける闇医者・Dr.ジョーカーによって行われるはずの生体間心臓移植手術は、相手の都合により直前でキャンセルされる。窮地に立たされた立入のとった行動とは……。
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脱走兵
以前、黒男の手術の腕前を目の当たりにした岡本が、その技術の「ヒミツ」を探りに黒男のアパートにやってきた。彼女が目にしたのは、水槽で泳ぐ手術痕のある魚。だが、「そっちは失敗」と言う黒男の言葉に驚き、岡本は再び水槽をのぞくと、ほとんど手術痕の消えかけた魚も一緒に泳いでいたのだ。黒男は魚や豚足などを使い、日々、手術の練習に励んでいた。そのとき、並びの部屋から呻き声のようなものが聞こえ、2人は声のする方へ。その部屋には黒男と同じ高校を卒業した2年下の田村がいた。黒男は田村から部屋の中にいる病人を診てほしいと強くお願いされる。病人はアメリカの脱走兵だったのだ……。
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ベトナムにて その1
1ヶ月前、黒男に刺激され、一から出直したいと戦地・ベトナムへ向かった藪。その後連絡は途絶え、黒男は藪を捜しにサイゴンへやって来る。藪に現地の病院を紹介したルポライターの高柳から話を聞き、黒男は藪がいる可能性の高いダリッドへと向かう。ダリッドまでは高柳と一緒に、米軍の輸送部隊に同行させてもらうことに。その道中、敵襲を受ける。このときはじめて黒男は、自分が戦地にいる現実をまざまざと思い知らされるのだった。目の前で銃撃戦が繰り広げられる中、ケガ人の兵士を発見した黒男。いてもたってもいられず、「バカ野郎! 出るな!」との米軍兵・ボブの制止も聞かずケガ人のもとへ。
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ベトナムにて その2
南ベトナム解放民族戦線(ベトコン)の捕虜となった黒男たち。一緒に捕虜となった米軍兵・ボブは、ベトコンの隊長に不当な拘束を解くことと、重症を負った仲間・スティーブの治療を要求する。だが、要求を聞き入れられることはなかった。地下倉庫のような場所で、まともな食事も与えられず、両手両足を拘束されたまま数日間が経過。ある日の朝、輸送隊の通訳として雇われたベトナム人のファンが、ベトコンに連れ出されて拷問を受ける。拷問が終わりふたたび部屋へ戻ってきたファン。その手にはなぜか拘束具の鍵があった。「説明は後」という彼女の指示通り、黒男たちはその場から逃げ出すことに……。
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ベトナムにて その3
米軍の軍医による手術で、命を救われたスティーブ。翌朝、彼の姿が見当たらなくなっていた。ずっと意識が混濁したままだったため、いまだ自分が捕虜のままだと思っているのかもしれないと黒男は言う。彼を見つけ、説得をしたときに悲劇が起こる。スティーブが地雷を踏んで亡くなったのだ。そんなとき、黒男たちが世話になっている村の外れで、倒れていた人が見つかる。運ばれてきた人物はファンの幼なじみであるアイン。黒男たちが捕まっていた基地の兵士であり、ボブにとっては憎むべき相手だ。そんな彼を黒男や軍医は治療すると言う。自分たちを殺そうとした敵を助けることに納得のいかないボブは……。
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苦痛なき革命 その1
アメリカにやってきた岡本と黒男。2人はバーミングハム大学記念病院で、名医リーゼンバーグ教授の公開手術を見学する。その病院で岡本は、以前留学していた時に知り合ったティアラと再会し、彼女から黒人解放運動の活動家であり幼なじみのジョニーを紹介される。4人がレストランで食事をしていると、突然、ジョニーを黒人男性2人組が襲う。たまたま発砲された銃弾によってティアラは腹部をケガし、ジョニーも2人組からの暴力により右腕を複雑骨折する。一刻も早くジョニーの手術が必要な状況下の中、執刀医が足りずに黒男たちが困っていると、「私がやろう」とリーゼンバーグ教授が現れる。
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苦痛なき革命 その2
痛みを感じない無痛症のジョニー。彼の病気を治そうと黒男たちは奮闘する。ジョニーへの問診を何度も行い、八方手を尽くして調べるがなかなか原因を突きとめられずにいた。そんなとき、ベトナムからリーゼンバーグ教授を訪ねて藪がやってくる。戦闘ストレス障害の研究者でもあるリーゼンバーグ教授に、元アメリカ軍兵士であるトミーの治療を頼みにきたのだ。病院内で偶然黒男と再会した藪は、彼にもトミーを紹介する。そのときトミーからジョニーと同じ小隊にいたことや、彼がベトナムに行っていないことを聞く。ジョニーの問診の答えが嘘だとわかった黒男は、今度こそ答えさせる!とばかりに問いただす。
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無残帳 その1
本越大学に、日本の整形外科を牽引すると言われた帝都大の元教授、百樹丸雄がやってきた。事故で両手足を失い、義手で車椅子を動かしながら講義をする百樹。彼は黒男の命の恩人である本間丈太郎先生の教え子であり、黒男とは以前からの知り合いでもあった。久しぶりに再会した黒男は、百樹の研究の手伝いを申し出る。数日後、百樹のもとへ澪という女性が尋ねてくる。百樹と澪の様子を影から見守る黒男と舞子。2人のある話を耳にした途端、舞子は思わず身を乗り出し、飛び出してしまう。そして、澪のおかげで外科医としての自分を取り戻すことを決心した百樹は、帝都大の同期にある手術を持ちかける。
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無残帳 その2
外科医としての再出発を果たしたはずの百樹。だが、帝都大病院で百樹が執刀するはずだった手術はキャンセルとなる。検死解剖時の写真が患者へ送られ、猛反対されたのだ。数日後、百樹の研究室に澪がやってくる。澪から百樹が行方不明になっていることを聞いた黒男と舞子。帝都大病院で宝医師と露々に会うと言ったのを最後に姿を消した百樹を捜しに、2人も出かける。露々に会って話を聞くが百樹は来ていないと言い、宝医師は帰った後だった。舞子の機転により、研修医仲間から住所を教えてもらった黒男たちは、宝医師の家へ。と、そのとき、裏路地から苦しげな叫び声が! そこで2人が見たものは……。
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無残帳 その3
再会した百樹の変わりように衝撃を受ける黒男。「何があったんです?」との黒男の問いに、百樹は復讐を決意させた経緯を話し出す。黒男と別れて病院へ向かったあの日、そこで彼は宝医師たちによって帝都大病院から追い出されたことを知る。理由を問いただそうと多野医師の車に乗り込んだ百樹は、さらに自分の手足が奪われた事故の真相を知ることになる。懸命に黒男が自首を勧めるが、百樹は自分の方法でヤツらを裁くと言い放ち、そのまま闇へと消えていった。帝都大教授連続殺傷事件の犯行はすべて百樹の仕業であることをつかみ、警察は次に百樹が狙う人物の警備にあたる。そこに百樹が姿を現して……。
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狂騒の季節
一部の学生たちは暴力革命を目指し、過激化していく。そんな中、黒男は今上エリという大学生と出会う。彼女との出会いは、第1次羽田闘争の時。近くの公園で顔から血を流して気を失っているエリを見つけた黒男が、このままだと確実に傷が残ると、その場で傷の処理を行ったのがきっかけだ。以来、エリはちょくちょく黒男のもとを訪れるようになる。ある日、エリから黒男宛に別れを告げるようなハガキが届く。ちょうどそのとき、テレビから過激派の学生たちのアジトが一斉摘発されたとのニュースが流れる。ハガキの消印が摘発先と同じ群馬県であることに気付いた黒男は、ある行動へと出る。それは……!
スタッフ
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アニメーション制作
手塚プロダクション -
キャラクターデザイン・総作画監督
片山みゆき、三浦菜奈 -
シリーズ構成・スーパーバイザー
高橋良輔
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ヤングチャンピオン
秋田書店 -
原作
田畑由秋 -
大熊ゆうご
漫画 -
後藤伸正
医療監修 -
掲載誌
ヤングチャンピオン(秋田書店) -
撮影監督
染谷和正 -
田畑由秋
脚本 -
監督
加瀬充子 -
編集
渡部珠未 -
美術監督
西田稔、柴田正人 -
色彩設計
荒井めぐみ -
製作
ヤング ブラック·ジャック製作委員会、TBS -
製作協力
第一興商 -
音楽
池田大介 -
音楽制作
ビーイング -
音響制作
グルーヴ -
音響監督
亀山俊樹 -
シリーズ構成·スーパーバイザー
高橋良輔 -
ヤングチャンピオン
秋田書店 -
大熊ゆうご
漫画 -
後藤伸正
医療監修 -
田畑由秋
脚本
キャスト
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ナレーション
大塚明夫 -
岡本舞子
伊藤静 -
藪
遊佐浩二
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間黒男
梅原裕一郎