ぼくの地球を守って
エピソード
-
覚醒(めざ)め
「東京タワー、あれ僕にくれない?」“前世の記憶”が輪を動かし始めた! 植物の気持ちがわかるという不思議な能力を持つ亜梨子は内気で優しい高校生。ある日彼女はマンションの隣人である小学生・小林輪を過ってベランダから突き落としてしまう。意識不明の輪の回復を必死に願う亜梨子、その祈りが強力な送信テレパスとなり、輪は前世の記憶を覚醒した。同じ頃、亜梨子はクラスメイトの小林迅八・錦織一成が共有して見ている“月の夢”の話を聞く。それが"前世の記憶"として皆の運命を変えてしまうことになるのをまだ誰も知らない…。
-
出会い
「何故こうして転生できて、また君と出会えたのか。…とてつもなく不思議に思うよ。」覚醒した小林輪は、東京タワー改築工事に細工を施すため、工事責任者の息子タカシと接触をとり、次々と策略をしかける。一方亜梨子が、月の夢を見た話を一成、迅八にしたことをきっかけに、月の仲間捜しがはじまった。そして新たに「柊」と「繻子蘭」の生まれ変わりの土橋大介、国生桜とを加え、彼らは集会を開く。そこで、彼らの夢の断片が、共通の記憶であることを確信する。又、亜梨子の前では普通の小学生としてふるまっている輪は、ある日偶然に同じ月の仲間である「秋海棠」の記憶をもつ笠間春彦と遭遇する。遂に、前世でもっとも恐るべき記憶を共有するもの同士が出会った…。
-
月の記憶
「最期まで地球を見守って…決して自ら命を絶たないで…。」前世の記憶を覚醒した小林輪は、東京タワー改築用の新しい図面を渡すために、その工事責任者の息子タカシを呼び出すが、そこの現れたのは田村だった。その田村を輪は超能力でズタズタに痛めつけたうえで図面を渡し、去ろうとする。だが田村の聞きを感じてテレポートしてきた春彦は飛び去ろうとしていた輪と再び遭遇してしまう。一方、月の仲間の集会に参加した輪は、自らを「秋海棠」と名乗り、亜梨子の覚醒を試みる。そして、本当の秋海棠である春彦を呼び出し、そこで前世の凄惨たる過去が明らかになった。
-
想い
「僕は…もと…槐なんだよ」それぞれの前世の思いが、現在を支配してゆく。紫苑(輪の前世)と邂逅以来、ショックで寝こんでしまった春彦。しかし彼が前世で紫苑にした仕打ちは償いきれるものではなかった。そしてついに川に身を投げようとしたところを偶然通りかかった一成と桜に救われる。春彦の不可解な行動の謎を解くため田村は輪と対決することを決意。知人であるエスパー「未来路」に助けを求めるため、京都に旅立つ。そして…
-
E・S・P
「ねぇ、どうやって死にたい? どうやって殺されたい?」小林輪の指示で紫苑として月仲間の集会に顔を出した春彦。そこで春彦が以前自殺を図ったことが輪に知られてしまう。「今度勝手に死のうなんて考えてごらん。最愛の田村さんを横取りしちゃうかもしれないよ…」 田村に協力するエスパー未来路の存在も輪の知るところとなり、輪は決着をつけようと、京都蓮明寺に田村と未来路を呼び出す。壮絶なESP戦の中、圧倒的な輪の力の前に傷つく二人。「そろそろ終わりにしよう」そして輪の繰り出した光球の前に春彦が…!
-
転生、そして……
「あなたが懐かしいのも、きっと、また未来で出会えるからなのね…」未来路、春彦との激しいESP戦で重傷を負った輪は前世の夢を見続ける。たった一人で生き抜いてきた紫苑のかたくなな心を、そっと聞いてくれた仮親のラズロと珍獣キャー。しかしたった78日間の想い出を残し、二人は事故で逝ってしまう。「嘘つきラズロ…まだ一度も笑ってない…これからも笑ったって褒美のキスくれないじゃないか」3人で暮らした家で、幼い紫苑のみたサージャリムの絵はいつか亜梨子の姿と重なった。記憶はめぐり続ける… 幼い頃見た海、雪、満開の桜、亜梨子への覚醒、そして木蓮の最期のメッセージ。今、すべての記憶は未来へとつながっていく。