どろろ
エピソード
-
醍醐の巻
戦国の地侍であった醍醐景光は自分の野望に対する生贄として生まれてくる自分の子どもの体を48体の魔神に捧げた。そのせいで身体のうち48箇所を奪われて生まれてきた赤ん坊は、あまりのおぞましさに川へと捨てられてしまう。しかし赤ん坊は生き延び、百鬼丸と名乗って成長した。
-
万代の巻
どろろに付きまとわれて困り果てた百鬼丸は、追い払うために自分の呪われた身の上を聞かせてやった。イモ虫のような姿で生まれてきたのだが寿光という名の医者が足りない部品を義手や義足や義眼で補ってくれて、ようやく生き延びることが出来たのだと…。
-
寿海の巻
川原で野宿をする百鬼丸とどろろは、金小僧という妖怪と出会った。とくに悪さをするわけでもないその妖怪のことを翌日、村で話すと、そのせいでふたりは村人に捕らえられ、村の女名主、万代の屋敷の敷地内にある小屋に閉じ込められてしまう。その夜、小屋の近くにある古井戸から、見るも醜怪な妖怪が現われた…。
-
妖刀の巻
金小僧は埋められた金から生まれた精霊だった。金の埋まっている場所を金小僧は百鬼丸に教え、村人たちがそこを掘り返すと精霊の教えたとおりに金が出てくる。それはもともとは村人が例の醜怪な妖怪に奪われた金だった。女名主の万代はそんな村人を哀れんで金を恵んでやっていたのだという…。
-
守り子唄の巻・上
旅の途中、熱病にかかって倒れたどろろを看病していた百鬼丸は、その時はじめてどろろの悲しい過去を知った。どろろは貧しい夫婦の子として生まれた。生きるために夫婦は野盗となり、やがてどろろの父親、火袋は侍と金持ちだけを狙う盗賊団の首領となったのだった…。
-
守り子唄の巻・下
追っ手を指揮していたのは裏切った部下だった。その部下は恩があるからと火袋を殺さず、変わりに両足に矢を撃ちこんで彼から両足の自由を奪うのだった。歩けない火袋と乳飲み子を抱えた妻のお自夜は、ついに乞食も同然に落ちぶれてしまい、火袋はからかい半分の侍の手にかかって殺されてしまう…。
-
絡新婦の巻
その刀は、持ち主の心を奪い、支配してしまう妖刀だった。その妖刀に取り憑かれた田之介という男は、いきなり百鬼丸に戦いを挑んでくる。刀が血を求めているのだ。刀泥棒のどろろは、そんな妖刀に魅せられ、とうとう田之介から刀を盗んでしまう。しかし同時にどろろは妖刀によって心を支配されてしまい…。
-
さるの巻
どろろが立てこもった鍛冶屋の小屋に火を放った田之介は妖刀を取り戻すことに成功した。しかしその途端、田之介は村人を斬り捨てはじめる。刀はもっと多くの血を求めていた。どろろを助けた百鬼丸は、田之介と対峙し、妖刀と剣を交える。
-
無残帳の巻
小高い丘に「ばんもん」と呼ばれる大きな板塀が立っていた。そこで一夜を過ごすことにしたどろろと百鬼丸に、九尾の妖狐が襲いかかる! 夜明けと共に妖狐は消え去ったが、無許可で国境を越えようとした者たちの処刑が始まってしまう。その処刑を指揮しているのは百鬼丸の父、醍醐景光だった!!
-
多宝丸の巻
九尾の妖狐を退けた百鬼丸の腕を見込んで、景光は仕官を奨める。しかし百鬼丸は、いわれなきリンチの末に川へ投げ込まれたどろろを探しに出る。そこで彼はひとりの女性と出会う。母であった。母の顔など知らない百鬼丸だったが、その女性の目の中に、確かな愛と悲しみが湛えられているのに気づく…。
-
ばんもんの巻・上
多宝丸の指揮する軍の奇襲を受け、助六の両親は殺され、村は焼かれた。助六もどろろも仲間たちと共に連行され、ばんもんに磔にされてしまう。どろろは危ういところを百鬼丸に助けられた。多宝丸は敵方を救う百鬼丸を見て斬り捨てようとするが、逆に百鬼丸の剣によって斬り捨てられてしまう…。
-
ばんもんの巻・下
百鬼丸に去られ、またしても天涯孤独の身になってしまったとどろろ。そんなどろろの前にひとりの女性が現れる。どろろの母にそっくりなその女性に優しく慰めれ、どろろは女性について行く。どろろは懐かしい母の面影を見て、女性になつき甘えるが、この女性、実は山中の滝に巣くう妖怪、白面不動の手下なのだった…。
-
白面不動の巻
白面不動は手下の女性に、どろろの顔を要求した。どろろを滝壺に落とせ、と。だが自分を母のように慕っているどろろが可愛くなり、女性は不動の命令に従えない。どろろと共に白面不動の元から逃げる女性はしかし、不動に操られた山犬の群に襲われ、その牙によって身体を切り裂かれてしまう。次はどろろとばかりに襲い来る野犬の群…。
-
鯖目の巻
どろろは、山門の仁王像に踏みつけられて動きを封じられていた天の邪鬼を自由にしてしまう。天の邪鬼は大喜びで村へと飛び込んで行き、悪戯のしほうだいで村中を大騒ぎに巻き込んでしまう。止めようとしたどろろは逆に天の邪鬼の仲間だと思われ、村人に追われてしまうが…。
-
地獄変の巻
どろろと百鬼丸は暴れ牛を軽々と頭上に持ち上げて制止する怪力の侍、俵五呂兵衛と知り合い、三人で旅することになる。五呂兵衛は妖怪も死霊も信じないと豪語する男だったが、百鬼丸と共にいる限り、死霊が向こうからよってくることになり…。
-
しらぬいの巻
愛馬みどろの優秀な働きで侍大将に手が届きそうな時野景行は、すべての武功が愛馬のおかげとは思わず、慢心していた。そしてみどろの動きが鈍いのは子馬が付いて回るせいだと言って、みどろから子馬を奪い、売り飛ばしてしまう。その子馬を買ったのがどろろと百鬼丸だった…。
-
問答の巻
食い意地の張った村長に妖怪どんぶりばらが取り憑いた。村長に腹が膨れて破裂するほど穀物を食べさせては、へそから体内に入って養分を吸い取ってしまう。それがどんぶりばらだった。だから食べても食べてもお腹がいっぱいにならない村長は、村中の穀物を平らげようとする。そんな村にどろろと百鬼丸が通りかかる…。
-
無常岬の巻
漁村にさしかかったどろろと百鬼丸。どろろは岩に突き刺さった銛を面白半分に抜いてしまう。しかし、その銛はビラビラと呼ばれる白骨化したエイの妖怪を封じていたものだった! 地中から海へと逃れたビラビラを追って、百鬼丸は海へと飛び込む。しかし格闘の末、百鬼丸の姿が消えてしまう…。
-
天邪鬼の巻
子犬を道連れにして峠へとさしかかったどろろと百鬼丸に突如、妖犬が襲いかかる。妖犬は雷を操り、落雷に吹っ飛ばされてどろろは失神、百鬼丸は谷底へ落ちてしまう。川下の村で救われた百鬼丸は、その村が闘犬の盛んな村だと知る。その残酷なまでの犬の調教を見て、百鬼丸は峠の妖犬の正体を見抜くのだった…。
-
鵺の巻
その地蔵は子守を求めていた。自分のお守りをしてくれなければ村を荒らすと、村人たちを脅していた。しかも子守を差し向けると、その子守は食い殺されてしまう。村人は仕方なく何も知らない旅人を好条件で子守に雇っていた。そうとは知らないどろろは子守募集の立て札を見て、喜んで子守を買って出る…。
-
逆流(ぎゃくる)の巻
道行きの途中、牛車とすれ違った百鬼丸はただならぬ妖気に気づいた。牛車を牽いていたのは鯖目という名の侍で、乗っていたのは妻のまいまいおんばだった。まいまいおんばも百鬼丸にただならぬ気配を感じ、鯖目に百鬼丸を斬ってくれと頼む。その攻撃をかわした百鬼丸はまいまいおんばの正体を暴こうと彼女の館に潜入する。
-
縫の巻
その村にはたったひとりの女の子しか暮らしていなかった。訳を聞くと村の者たちは全員が金を探しに山へ入ったきりなのだと言う。金がゴロゴロしていると聞いたどろろは「おいらも!」と女の子に案内させて山へ入って行く。しかし村の人々が消えたのは最近のことではないと見て取り、山に妖怪の気配を感じた百鬼丸は…。
-
鬼神の巻
砦を作るのに邪魔だとされ、樹齢2000年を越える大木が切り倒されることになった。そこへ行き会わせた百鬼丸はその大木に強烈な妖気を感じる。老木には常になにがしかの精霊が宿るものだが、この大木から発せられるそれには、邪悪な気配が濃厚だった。
-
どろろと百鬼丸
川辺で水浴びをしていたどろろは、魚取りの仕掛けに腕をはさまれてしまう。助けを求めるどろろを見て、百鬼丸は仕掛けを外す道具を借りに近くの寺へと向かった。その寺の住職は快く道具を貸してくれたが、百鬼丸はこの住職から漂う妖気に気づいた。川に戻ってみるとどろろの姿がない…。
-
醍醐の巻
時は戦国。醍醐の国の主である景光は領地の繁栄のため鬼神と取引し、対価として生まれる我が子を差し出した。時は流れある日、幼い盗賊どろろは妖怪に襲われている所を謎の少年に助けられる。その少年の身体は、どこもかしこも造り物なのであった。
-
万代の巻
どろろと百鬼丸は万代という女性が治める村を訪れる。百鬼丸は何故か突然彼女を前に剣を抜き、村人たちによって土蔵に閉じ込められてしまう。すると土蔵には先客が居て…。
-
寿海の巻
医者である寿海は各地を回り、戦で傷ついた人々に義手や義足を与えていた。ある日彼は身体のあちこちが欠けた赤ん坊を川で拾い、造り物の身体を与え育てる。「百鬼丸」と名付けられたその少年は、自らの身体を取り戻す旅に出る。
-
妖刀の巻
どろろと百鬼丸は人斬りの田之介と対峙する。彼が振るう刀は鬼神が宿る呪われた妖刀であった。かろうじて田之介を退けるも、妖刀がどろろの手に渡ってしまい、どろろは妖刀に操られてしまう。
-
守り子唄の巻・上
慣れない「音」に苦しみ、妖怪との戦いで傷を負った百鬼丸は、ミオという少女に出会う。彼女は戦で親を亡くした子供の面倒を見ており、百鬼丸も世話になることになった。だが近くに鬼神がいると分かった百鬼丸は傷も治らぬうちにその退治に向かう。
-
守り子唄の巻・下
鬼神から声を取り戻すも、脚を奪われてしまった百鬼丸。荒れ寺に戻り傷を癒やしたのち、再度鬼神に挑みに出る。一方、ミオ達が待つ荒れ寺では…。
-
絡新婦の巻
蜘蛛の妖怪・絡新婦(じょろうぐも)は百鬼丸から受けた傷を癒やすため、人間に姿を変え弥二郎という青年を利用する。絡新婦を取り逃がしたどろろと百鬼丸は、立ち寄った村で人攫いが出るという噂を聞く。
-
さるの巻
ある村では、黒雲をまとう大百足の鬼神を鎮めるために、若い娘を生贄として捧げる習わしがあった。姉が生贄となった少年・さると共に、百鬼丸はどろろと協力し鬼神に立ち向かう。
-
無残帳の巻
風邪で熱にうなされるどろろ。朦朧としながら曼珠沙華を目にしたどろろは、父・火袋と母・お自夜とのかつての日々を思い出す。
-
多宝丸の巻
醍醐領内のある村では、村人が湖に棲む妖怪の犠牲になっていた。多宝丸は、側近である兵庫・陸奥とともに村人のため妖怪の退治を買って出る。
-
ばんもんの巻・上
醍醐領に入ったどろろと百鬼丸は、国境の砦跡地に残る1枚の巨大な板塀「ばんもん」の存在を聞く。百鬼丸はばんもんに現れる狐の鬼神と対峙するのであった。
-
ばんもんの巻・下
我が子を鬼神に差し出した景光。奪われた身体を取り戻さんとする百鬼丸。今二人は、運命に引き寄せられるように向かい合う。
-
白面不動の巻
醍醐領を出たどろろは、滝の裏にそびえ立つ巨大な不動明王像を目にする。この不動の正体は、人間の顔を集め自分のものにしてしまう妖怪なのであった。
-
鯖目の巻
どろろと百鬼丸は訪れた焼け寺の跡地で、辺りを治める鯖目という男に出会う。鯖目の屋敷に招かれ焼け寺と妖怪の話を聞くが、不審な点を感じる二人。
-
地獄変の巻
鯖目は自分が治める里を守り抜くため、鬼神に人を喰わせていたのであった。百鬼丸は再び蛾の鬼神と対峙する。その頃、蔵に閉じ込められていたどろろは…。
-
しらぬいの巻
どろろはイタチに連れられ、火袋が金を隠したとされる岬へと向かう。岬に渡るための舟を探していると、片腕の少年・しらぬいに声をかけられる。
-
問答の巻
寿海は戦場跡で血まみれになった百鬼丸と再会し、百鬼丸の奪われた身体と鬼神の関係を知る。新しい義足が欲しいと寿海に求める百鬼丸だったが…。
-
無常岬の巻
サメの鬼神が咆哮を上げ、身動きの取れないどろろに襲いかかる。その頃、岬には多宝丸の率いる軍勢が迫っていて…。
-
天邪鬼の巻
どろろと百鬼丸は折れた刀を直すため、宗綱という刀鍛冶が住む村を訪れる。宗綱の家に向かうと、娘のおこわの出迎えを受けるのであった。
-
鵺の巻
妖怪を探し山道を歩いていたどろろと百鬼丸は、賽の目の三郎太という少年に出会う。自分も妖怪を狙っている、と言う三郎太と共に退治に向かうのであった。
-
逆流(ぎゃくる)の巻
醍醐景光は隣国の朝倉との戦の準備を進めていた。醍醐領に百鬼丸が向かっているという報せを受けた景光は、多宝丸を討伐に向かわせる。
-
縫の巻
醍醐の城に連れ去られ牢に閉じ込められてしまったどろろ。その牢の前に縫の方が現れる。一方、どろろと身体を取り戻さんと醍醐の城に向かおうとする百鬼丸の背後に、アヤカシと化したミドロ号が立っていて…。
-
鬼神の巻
百鬼丸は、鬼神の力を宿した多宝丸、陸奥、兵庫と対峙する。駆けつけたどろろ、縫の方、琵琶丸は、醍醐の国の行く末を巡る、凄まじい戦いを目のあたりにするのであった。
-
どろろと百鬼丸
炎に包まれる醍醐の城。運命に翻弄される血を分けた兄弟。どろろ、寿海、縫の方はそれぞれの想いを胸に抱え城へ向かう。産声さえあげられなかったその命が辿り着く先は、果たして―。
スタッフ
-
アニメーション制作
手塚プロダクション -
キャラクターデザイン
岩瀧智 -
キャラクター原案
浅田弘幸
-
シリーズ構成
小林靖子 -
原作
手塚治虫 -
撮影監督
大山佳久 -
監督
古橋一浩 -
編集
武宮むつみ -
美術監督
藤野真里 -
色彩設計
三笠修 -
製作
ツインエンジン -
音楽
池頼広 -
音響効果
倉橋静男 -
音響監督
小泉紀介
キャスト
-
どろろ
鈴木梨央 -
ナレーション
麦人 -
多宝丸
千葉翔也
-
寿海
大塚明夫 -
琵琶丸
佐々木睦 -
百鬼丸
鈴木拡樹 -
縫の方
中村千絵 -
醍醐景光
内田直哉