今、そこにいる僕
エピソード
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黄昏を見つめる少女
松谷修造、通称シュウは、夕暮れ時、廃工場の煙突のてっぺんに少女が座っているのを目撃する。自分しか登れないと思っていた煙突になぜ少女が…。好奇心にかられたシュウは、隣の煙突のてっぺんに登り、少女に話しかける。しかし、少女が口にしたのは、ララ・ルゥという自分の名前だけ。それでもシュウは懸命に話しかけ、二人は次第に打ち解ける。その時、辺りの空間が突然歪み始め、もう一本の煙突に謎の女性の姿が現れた。「ララ・ルゥ、逃がさない! ゆけ!」。その女性の発した命令とともに、ララ・ルゥを襲い始める巨大メカ! シュウはララ・ルゥを助けたい一心で無謀にも、棒きれ一本でメカに立ち向かっていくのだった。
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少年と狂王と
約五十億年後の世界にやって来たシュウは要塞都市ヘリウッドにいた。ララ・ルゥとはぐれたシュウは要塞の中を迷い歩くうち、少年兵ナブカとブゥに遭遇し逃走する。少年兵タブールに捕まり、ヘリウッドの統治者ハムドの部屋に連行されるシュウ。ララ・ルゥのペンダントをシュウが持っていると思い込んでいたハムドは…。
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闇の中の宴
シュウは牢獄でララ・ルゥに間違えられ拉致された少女サラと出会うが、すぐに尋問室へ連行される。拷問を受けても、知るはずのないペンダントの在処を白状しようがないシュウは、塔の外に吊るされる。同じ頃、敵国がヘリウッドに攻め入って来た。戦闘態勢に入り、多くの兵が出撃していくが、敵の進攻を停められず…。
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不協和音
ペンダントについて何も知らないと判断されたシュウは、少年兵としてナブカたちの隊に組み込まれることになった。自分の意思に関係なく兵隊にされてしまったシュウは納得せず、一人でララ・ルゥを探しに行こうとする。ナブカは、隊の全員が罰を受けるとシュウを諭し、なんとかベッドに落ち着かせるのだった。しかしその夜、シュウはタブールたち数人の少年兵によって倉庫に連れ出され、リンチにさらされる。気づいたナブカは仲裁に入ろうとするが、運悪く、現場を教官に目撃されてしまった。仲間を傷つけた罰として、ムチ10発の刑に処せられることになったタブール。シュウは教官からムチを渡され、お前から打てと命令されるが…。
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ひとごろし
メインタワーに忍び込み、ハムドの部屋に押し入る二人の暗殺者。ハムドはそのうちの一人を射殺するが、もう一人はハムドの部屋から逃げて行方をくらます。全兵士に捜索命令が下り、捜索にあたっていたシュウたちは、倉庫内で暗殺者にブゥを人質にとられる。ナブカは一瞬のスキを突いて、暗殺者の胸に銃弾を撃ち込む。
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砂嵐が消える
いつものように、兵士の部屋に連れられていくサラ。しかし、その目はもはや、脅えているだけではなかった。サラは油断をついて屈強な兵士に殴りかかる。兵士は息絶え、サラはヘリウッドからの脱出に成功する。一方、少年兵たちは、人員確保のための遠征隊に組み込まれ、ヘリウッドを出発していた。ナブカが敵を射殺してから、落ち込み続けているシュウ。誰かと戦うのは、絶対イヤだ。それがシュウの思いだった。遠征隊はやがて、ある村にたどり着く。大人の兵士とともに作戦行動に入る少年兵たち。ナブカはシュウに向かって、これから起こるのは戦いではなくもっと酷いことだ、と言う。それは無抵抗な者に対する略奪と殺戮を意味していた。
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逃れの夜
命令違反を問われ、独房に閉じこめられたシュウ。苦しみながらも生き延びようとするシュウに、思わぬ助けが入る。ブゥが投げ入れてくれた棒を使って独房から脱走し、さらにヘドロまみれの独房の壁に引っかかっていたララ・ルゥのペンダントまでもシュウの手に収まった。シュウの行き先は一つ、ララ・ルゥのいる部屋だ。ハムドの尋問に耐えているララ・ルゥを見つけだし、救出に成功するシュウ。アベリアを始めとしたヘリウッドの兵士に二人が取り囲まれた時、ララ・ルゥはペンダントの力を発動させた! 大量の水が発生し押し流されていくハムド、そして兵士たち。混乱に乗じたシュウとララ・ルゥは、ヘリウッドから脱出する。
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ひとりぼっちのふたり
あてもなく砂漠を行くシュウとララ・ルゥ。その二人に砂漠に住む巨大な怪物が襲いかかる。触手を絡みつかせて穴へ引きずり込もうとする怪物からなんとか逃げ延びたシュウたちは、怪物の触手が届かない岩場に登り、一夜を明かさなくてはならなくなった。二人きりで語り合える初めての時間となったその夜、シュウはララ・ルゥから、ペンダントの力によってどれだけ自分が人間に苦しめられてきたかを聞く。人間のために命を削って水を生み出してきたララ・ルゥ。今はもう、人間のために自分の命を使いたくないと言う。しかし、シュウが怪物との戦いで気を失った時、ララ・ルゥはペンダントから水滴を絞り出し、シュウを助けようとするのだった。
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狭間にて
砂漠を越え、谷間に緑豊かな村を発見したシュウたち。村の入り口にいたスーンという少女からここはザリ・バースだと聞かされ、シュウは驚く。ヘリウッドで聞いたザリ・バースは軍事国家のイメージだったからだ。さらに進んでいった二人は、シスという女性に出会う。シュウがヘリウッドから逃げて来たと正直に打ち明けると、自分の家に来いと言うシス。シスはヘリウッド軍の行為によって孤児となった子供たちを何人も世話していたのだ。そしてスーンもその中の一人。彼女の父親はヘリウッドに出かけていき、まだ帰らないということだった。シュウは、ナブカが射殺した暗殺者の姿を思い出し、スーンの顔を直視することができなくなってしまう。
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混沌への助走
ザリ・バースでの生活に溶け込んでいくシュウとララ・ルゥ。しかし、ヘリウッドに闘争心を燃やすエランバ一派は、シュウを戦いの仲間に引き込もうとしていた。そんなある日、ザリ・バースにヘリウッド兵のカザムが流れ着く。カザムの正体はスパイで、その夜のうちにザリ・バースの位置がハムドに知られてしまう。
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崩壊前夜
サラが倒れ、医者の家に担ぎ込まれた。診察した医者によれば、サラは妊娠しているという。ヘリウッド兵に暴行された上での妊娠に、サラは深く落ち込む。その夜、サラは泉で自殺を試みようとするが、後を追って来たシュウに止められる。一方、ララ・ルゥの正体がガザムの密告によって、エランバに知られてしまい…。
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殺戮の大地
ララ・ルゥをヘリウッドとの交渉に利用したいエランバはシスの家に向かった。シスはシュウたちを洞窟に逃がすが、怒ったエランバに足を撃ち抜かれる。一方、洞窟に隠れたシュウたちはエランバの仲間に見つかってしまう。男がシュウやスーンに銃を向け、銃の引き金を引こうとした瞬間、ララ・ルゥが大量の水を発生させる。
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今、そこにいる僕
アベリアの合図で虐殺が終わり、生き残ったザリ・バースの民とシュウたちはヘリウッド内の牢屋に押し込まれた。そんな中、シスは傷の手当が間に合わず死んでしまう。抵抗の術がないシュウだったが、牢屋の外に現れたナブカから棒を受け取ると、牢を抜け出しララ・ルゥ救出に向かう。要塞ヘリウッドで最後の戦いが始まる。
スタッフ
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キャラクターデザイン
大泉あつし -
コンセプトデザイン
山崎健志 -
助監督
則座誠 宮﨑なぎさ
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撮影監督
斎藤秋男 -
構成・脚本
倉田英之 -
監督
大地丙太郎 -
総作画監督
西野理恵 -
編集
松村正宏 -
美術監督
野村正信 -
美術設定
佐藤正浩 -
色彩設計
秋山久美 -
製作
AIC ジェネオンエンタテインメント -
録音
名倉靖 -
音楽
岩崎琢 -
音響効果
山田稔 -
音響監督
田中一也
キャスト
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アベリア
安原麗子 -
サラ
仲尾あづさ -
シュウ
岡村明美
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タブゥール
陶山章央 -
ナブカ
今井由香 -
ハムド
石井康嗣 -
プウ
小西寛子 -
ララ・ルゥ
名塚佳織