西洋骨董洋菓子店 ~アンティーク~
エピソード
-
レシピ1 再会の酸味
裕福で満ち足りた生活の中、何か埋まらない空白を持つ橘圭一郎は、会社をやめ西洋骨董をコンセプトにした洋菓子店「アンティーク」を開くことにする。親からの紹介でパティシエの小野裕介と出会う。橘は小野を知っていた。小野は過去、橘と高校の同級生であり、橘は小野に対して屈辱的な言葉を浴びせていたのだった。ところが、小野は橘を覚えていない素振り。また天才パティシエと呼ばれながら店を転々とする小野には、ある秘密があった……。
-
レシピ2 決意の辛味
洋菓子店「アンティーク」のオープンに向けて販売員を募集していた。現れたのは元ボクサーの神田エイジだった。小野の作るスイーツに感動したエイジは、販売員の募集だったのにもかかわらず小野に弟子入りを志願する。その頃、ボクサーのサンダーはジムの会長から次の試合で負けたら引退と勧告された。納得できないサンダーは恋人の波子に連れられ「アンティーク」へやってくる。そこには伝説のボクサーであったエイジが働いていた。エイジの姿に悪態をつくサンダーに波子は妊娠したことを告げる。
-
レシピ3 四人の新味
グランドオープン当日は生憎の雨。そんな中でも自信たっぷりで余裕の橘。順調な売り上げを見せる。そんな店にサングラスで全身黒ずくめの長身男・小早川千影が現れる。見た目とは裏腹に天然で不器用な千影。彼は橘の幼馴染だった。雨で客足の途絶えたアンティークで、偶然二人きりになってしまった小野と千影。小野はサングラスをとった千影の素顔を見た瞬間、理性が飛びときめいてしまう。二人は雨の中、外へ飛び出し…。
-
レシピ4 悪夢の真味
橘は千影をアンティークの従業員に迎える。その晩、小野と千影は橘に内緒で夜の街へ出る。二人で飲んでいても橘を気遣う千影に、小野は嫉妬し魔性のゲイの力を発揮する。艶かしい小野の姿に千影はふと唇を近づける。ところが純粋無垢な千影は、小野がゲイであることに気付かず、勘違いと後悔で小野をひとり残して去ってしまう。翌日、二人の微妙なやり取りに何かを感じる橘とエイジ。そこに小野の恋人が浮気を問い詰めにやってくる。
-
レシピ5 試練の渋味
今もジムに寝泊りしているエイジ。夜な夜なエイジの体からはスイーツの甘い香りが漂い、ジム生から苦情が出る。エイジは会長から聞き、ジムを出ることを決意する。そんな頃、デパ地下洋菓子フェアへの出店とテレビの取材依頼がやってくる。自信満々の橘。人手の多いデパ地下を橘が担当することにしていたのだが、アクシデントで、急遽、女性が苦手な小野と不器用な千影がデパ地下を、橘とエイジがアンティークを切り盛りすることになるのだが…。
-
レシピ6 危機の苦味
アンティークに世界的に有名なパティシエ、ジャン・バティストがやってきた。ジャンは小野の洋菓子の師匠であり、かつての恋人でもあった。ジャンは小野を引き抜きにきたのだ。破格の条件に橘たちは慌てる。だが、小野は断るつもりでいた。その旨を聞いた橘は安心したものの、小野はジャンに切り出すタイミングを計りかねていた。翌朝、小野が時間になっても出勤しない。心配になった橘と千影は自宅を訪ねるとジャンと小野の修羅場に遭遇する。
-
レシピ7 聖夜の甘味
ケーキ店が一年で最も忙しい日、クリスマスが近づいていた。橘の提案でイブ当日限定で無料配達をすることにし予約の受付が始まる。申し込みは好調。小野とエイジでクリスマスケーキ作りが進められる。そんな中、常連客から特注クロカンブッシュの予約注文がやってくる。しかも配達先で飴掛けのパフォーマンスをしてほしいという。橘はそんな無理な注文も気軽に引き受けてしまった。混乱と奮闘の中、ついにクリスマス当日がやってくる。
-
レシピ8 千影の隠味
悪夢にうなされる橘。未だ少年時代の誘拐体験のトラウマから抜け出せずにいた。千影はそんな橘を傍で見守り続けている。千影は橘にとってもなくてはならない存在なのであった。ある晩、閉店後のアンティークに背の高い美少女が訪ねてくる。彼女はいきなり千影に泣きついた。母親と喧嘩して家を飛び出してきたというのだという。ただ呆然と眺る小野とエイジ。そこへ少女の母親が現れて、少女と千影の関係。千影のある秘密が明らかになる。
-
レシピ9 憂鬱の小味
連続児童誘拐事件が世間を賑している。過去の自分が蘇る橘。また一方で、報道を神妙な顔つきで見つめる男、芥川がいた。「アンティーク」では、エイジがパティシエとしてメキメキと成長をしていた。橘と小野は近い将来フランスでの洋菓子修行を薦め、語学学校へ通わせる。エイジはあまり乗り気ではない。「アンティーク」での自分の存在が希薄になっているように感じていたのだ。そんな時、エイジは公園で不良に絡まれている男を助けたのだが…。
-
レシピ10 鼓動の異味
ある日、小野の妹永子が訪ねてくる。小野に自分の結婚式に出席してほしいとの頼みだった。しかし、小野はゲイであることを打ち明け、家を飛び出して以来、家族と顔を合わせることがなかった。妹の願いに小野は即答することができないでいた。その頃、世間を賑す児童誘拐事件に新たな展開がみられる。被害者の胃の内容物からビスケットやチョコレートなどの共通した食品が見つかり、合わせると一個分のケーキになることが判明したのだった。
-
レシピ11 真意の快味
子供の頃の記憶。誘拐されたときの悪夢。拭い去れない闇。橘は未解決のまま長引く誘拐事件に漠然と何かを感じていた。警察は、被害者の胃の内容物から、事件解決の糸口をアンティークに見出した。橘たちの協力の元、店に張り込みを始める。いつもと変わりのないアンティークの日常が過ぎていく。特に変わったこともないまま、閉店時間を迎えようとしていた時、顔色の悪い一人の中年女性が店にやってくる。
-
レシピ12 永遠の後味
橘の行動で連続幼児誘拐事件は解決をみた。しかし、それでも橘は言いようのない暗い感慨を抱えたまま、変わらぬ悪夢に眠れぬ夜を過ごしていた。アンティークはオープンから一年が経とうとしている。ますます繁盛し、何もかも順調であった。エイジはフランスへの渡航を決め、千影は橘から離れ一人で生きていく道を選ぶ。それぞれが新たな世界へと踏み出すなか、過去を捨て新たな歩みを始めようとしている、ある初老の男の姿があった。
スタッフ
-
アニメーション制作
白組 -
アニメーション制作協力
SynergySP -
キャラクターデザイン
内野明雄
-
スイーツプロデュース
鎧塚俊彦 -
制作
西洋骨董洋菓子店製作委員会 -
原作
よしながふみ -
島村達雄
白組 -
掲載誌
月刊ウィングス(新書館) -
月刊ウィングス
新書館 -
監督
奥村よしあき -
美術監督
島村達雄(白組) -
脚本
高橋ナツコ -
音響監督
早瀬博雪 -
スイーツプロデュース
鎧塚俊彦 -
島村達雄
白組 -
月刊ウィングス
新書館
キャスト
-
小早川千影
花輪英司 -
小野裕介
三木眞一郎 -
橘圭一郎
藤原啓治
-
神田エイジ
宮野真守