藍より青し
エピソード
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縁~えにし~
満開の桜の季節。大学生・花菱薫は、学校の帰り道、駅で道が分からず戸惑う和服の少女・桜庭葵に出会う。駅の往来に押され、下駄の鼻緒が切れて困っている葵に、薫は慣れた手つきで葵の鼻緒を直す。18年間想い続けてきた許嫁に会いにきたという葵の一途さに感心する薫。果たして彼女の探している相手とは…?!
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夕餉~ゆうげ~
突然の許婚の出現に、とまどいつつも夜も遅いことから葵を自分のアパートに泊めることになった薫。しかし、布団が一組しかないために自分はその辺で適当に寝るから、彼女に布団で休むよう言う薫。そんな薫に対して、薫さまさえよろしければ、私ご一緒でも構いませんと言う葵。そして、外に頭を冷やしに出た薫は…。
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別離~わかれ~
薫のアパートに葵の世話役、神楽崎雅が葵を連れ戻しにやってきた。葵は実は無断で家を出て、薫の元へきていたのだった。雅は、花菱の家を出た薫は、もはや葵の許嫁ではないと言い放ち、葵を連れ戻そうとする。そんな雅の手を振りほどくと葵は、薫に花菱家に戻って自分と一緒になってほしいと懇願するのだが…。
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同棲~どうせい~
雅に連れ戻された後、全てを捨ててでも薫と一緒にいたいと願う葵は、薫の元へ再び帰ってきた。だが、雨の中びしょ濡れになりながら葵を迎えに行った薫は、高熱を出して倒れてしまう。看病する葵は、薫の汗をぬぐうために薫のシャツをまくり上げると、薫の背中にある無数の傷にハッとなる。それを見た葵は…。
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朋友~ほうゆう~
久しぶりに大学の写真部に顔を出した薫を待っていたのは、コスプレ撮影会をやらされている新入部員・水無月妙子だった。そんな中、旅に出てしまった部員ティナのことを思い出していた薫は、突如ボディプレスされる。薫にボディプレスした相手こそ、一年振りに帰ってきた博多育ちのアメリカ人、ティナ・フォスターだった。
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家道~かどう~
桜庭館の新たな住人になったティナの元へ、突然妙子が荷物を持って訪ねてくる。住み込みで働いていたハウスキーパーのバイトをクビになり、困った妙子はティナを頼ってやってきたのだ。桜庭館で住み込みのハウスキーパーとして働けばいいと言うティナに葵も同意するが、桜庭館での全ての決定権は雅にあって…。
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幻妖~げんよう~
薫が所属する明立大学写真部の新入生歓迎合宿が温泉で行われることになり、葵も同行することになった。合宿同日、電車に揺られ温泉に向かう写真部一行。途中、方向オンチの妙子のせいで3時間も迷ったりしながら、何とか無事に宿へ到着する。しかし、着いてみるとドジな妙子が日にちを間違えて予約していて…。
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愛玩~あいがん~
ある日、ティナが桜庭館に連れてきた真っ白なフェレット。ペットショップで見かけたその愛くるしさに、つい買ってしまったのだ。どこか薫に似ているそのフェレットを気に入り、飼うことに同意する葵。だが、実は雅は動物が大嫌いだったのだ。そのフェレットをすぐに返すように命令する雅。葵の涙の訴えにさすがの雅も…。
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一夜~ひとよ~
葵、雅、そして妙子と、皆が出かけてしまった桜庭館。ティナと二人だけのシチュエーションにドギマギする薫…。二人きりだと意識した途端に、薫はティナのボディラインが気になり…にわかに鼓動が高まり出す。しかもその夜、食事も終わりティナはお風呂、薫はリビングで寛いでいると突然停電になってしまう。
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学舎~まなびや~
ある日、家事も終えのんびりしていた葵は、何気なくつけていたTVの生中継で、あるタイヤキを見かける。それは、以前薫が食べてみたいと言っていた移動しながらタイヤキを売る『みつるぎ屋』の“幻のタイヤキ”だった。そのタイヤキを何とか買えた葵は、暖かいうちに薫に食べさせたいと思い、薫の大学へ向かう。
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子女~しじょ~
明立大学写真部の写真展開催日。写真展への呼び込みに張り切るティナが展示会場から飛び出してくると、少女とぶつかってしまった。ティナはその少女に手を差し出すが、少女にその手を激しく叩かれてしまう。その時─。たまたまその場を通りかかった薫に、少女は眼を輝かせる。そして、薫は少女に唇を奪われてしまう!
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接吻~せっぷん~
繭の家に泊まることになった薫は、他の部屋で眠ろうとするが、繭は一緒に寝ようと抱きつく。結局、繭が眠るまで一緒にいてあげることにした薫は、繭の部屋にあるウッサーという名の薄汚れたうさぎのぬいぐるみを目にして、繭と出会った4年前のことを思い出す。その頃葵は、帰らぬ薫を不安な気持ちで待っていた。
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星祭~ほしまつり~
もうすぐ七夕。そして、その日は葵の誕生日。毎年、雅と二人だけで誕生日を過ごしていたことを知る薫。そんな中、街中で見かけたある物を葵にプレゼントしようと考えた薫は、葵に内緒でその費用を稼ぐために、バイトに明け暮れる。しかし、そうとは知らない葵は薫の心が自分から離れてしまったのでは…と、不安になる。
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賄~まかない~
明立大学の昼休み、中庭のベンチではいつものように薫たちが葵お手製のお弁当に舌鼓を打っていた。自分も手作りのお弁当を、薫様に食べてもらいたい、喜んでもらいたいと思った繭は、料理本を見ながら挑戦するが、何一つまともに作ることが出来ない。そこで繭は、葵に家事を習いたいと桜庭館にやってくるが…。
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胸懐~きょうかい~
ある日薫は、二人で買物に出かけようと葵を誘う。葵は亡き祖母から譲り受けた思い出の撫子柄の着物を着て出かけることに。やがて買物を終えた二人が向かった先。そこは駅の改札近く、二人が初めて出会った場所だった。次々あの日の思い出が蘇る二人…。薫は、以前住んでいたアパートへ行ってみようと葵を誘う。
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渚~なぎさ~
ティナに連れられ、デパートに水着を見にきた葵たちは、それぞれ気に入った水着を購入。そんな中、妙子の元に一枚の絵葉書が届く。それは美しい海岸の写真だった。遊びにいらっしゃいの文字に誘われ、妙子の祖母がやっている海の家に遊びに出かける薫たち一行。そこには、妙子のいとこ・水無月ちかが待っていた。
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漣~さざなみ~
妙子の祖母の海の家を手伝う薫たち。そんな中、妙子はいつも優しく自分のドジをフォローしてくれる薫のことを意識し始めていた。妙子の様子を見ていたちかは、ある計画を思いつく。妙子のナイスバディで、薫のハートをゲッチューしようとするちかの計画にまんまとのせられた妙子と薫は、露天風呂で鉢合せしてしまう。
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同衾~どうきん~
写真部皆で動物園へ行こうと言い出したティナ。葵や雅も誘って皆で出かけようと計画したティナだったが、皆それぞれ忙しくて断られてしまう。結局ティナと薫二人だけで、動物園に出かけることに。撮りたかった猿の“キンシコウ”の写真を撮りまくり、御機嫌なティナ。その後、園内のアトラクションで遊ぶ二人だったが…。
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膝枕~ひざまくら~
ちかが、夏休みの宿題を抱えて桜庭館へやってきた。祖母の海の家の手伝いを優先させたため、まだ宿題を終えていなかったのだ。妙子に教えてもらって、なんとか宿題を終わらせようと桜庭館にやってきたちかは、結局、宿題が終えるまで桜庭館にいることに。そんなちかに、ティナや薫もちかの宿題を見てあげて…。
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癒~いやし~
明立大学の大学祭で、コスプレ喫茶を出展した薫たち写真部。だが、突如始まった<お客様とおふれあいタイム>こと、ヘビやカエルの登場で店内は大パニック。遊びにきていた葵は、落ち込む皆を元気づけようとお茶を煎れる。葵の煎れたお茶の旨さに驚く皆。そして、それを飲んだ部長の鈴木はあることを思いつき…。
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風気~ふうき~
ある朝、風邪をひいた葵は熱を出して寝込んでしまった。薫、ティナ、妙子の三人は、普段葵がしている家事を分担して手伝うことに。しかし、どれも葵のようにはうまく出来ず、改めて葵の凄さを実感する三人。その夜、葵の様子が気になり葵の部屋の前まできた薫は、葵が雅に向かって話しているのを聞いてしまう。
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帰省~きせい~
ある日、薫は風邪も治り元気になった葵を“ある人”に逢いに行こうと誘って二人で出かける。途中、ショッピングセンターに寄り、惣菜と花束を買う薫。そして、訪れた場所。そこは、薫の母親が眠る墓地だった。薫は、母親の墓石に向かって葵のことを紹介する。「この人がオレの、一番大切にしている人です」と…。
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決意~けつい~
実家に戻ったきり桜庭館に帰らない葵。雅に連れ出された薫は、ある森の建物の前に立っていた。そこは、13年前に初めて葵と出会った二人にとって思い出の場所。そこで葵は薫を待っていたのだ。薫の顔を見るなり泣き出す葵。何があったのか心配な薫だが、葵は何も話そうとしない。その後葵は、森を歩こうと薫を誘う。
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葵~あおい~
思い出の地で、二人きりの朝を迎えた薫と葵。二人はある決心を胸に、桜庭家の門をくぐるのだった…。
スタッフ
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アニメーション制作
J.C.STAFF -
キャラクターデザイン
岩倉和憲 -
シリーズ構成
あみやまさはる
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チーフライター
金巻兼一 -
ヤングアニマル
白泉社 -
原作
文月晃 -
掲載誌
ヤングアニマル -
撮影監督
大河内喜夫 -
監督
下田正美 -
総作画監督
中山由美 -
美術監督
東潤一 -
色彩設定
石田美由紀 -
音楽
増田俊郎 -
音響監督
三間雅文 柏倉つとむ
キャスト
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ティナ・フォスター
雪乃五月 -
桜庭葵
川澄綾子 -
水無月ちか
桃井はるこ
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水無月妙子
水橋かおり -
神楽崎雅
平松晶子 -
美幸繭
成田紗矢香 -
花菱薫
保志総一朗