アニログ小説
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アニログ小説「ミヅメ」Episode5
本編 【最終章:『美爪』】 あの夜のことを思い出す。 何もかも手放そうと思った日のことを。 すべてにおいて自信を失った僕に残っていたのは、この気持ちが誰にも共感してもらえないという自信だった。 人から見れば、僕が何に苦… 続きを読む アニログ小説「ミヅメ」Episode5
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アニログ小説「ミヅメ」Episode4
本編 【第四章:『視線』】 彼氏から相談を持ち掛けられた時、私は正直、気がすすみませんでした。 いくら彼が懇意にしている後輩といえど、そんな奇妙な言動をしている男性の家に上がるなど、すぐにでも断りたい気持ちでした。 そ… 続きを読む アニログ小説「ミヅメ」Episode4
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アニログ小説「おふ恋」Episode8
本編 【第四章:二】 まさかのユージーンに敗北した俺。 この現実を受け止めるにはあまりにもショッキングで、プライドもずたずたである。 話によると、あるシミュレーションゲームで意気投合し、その世界で恋人同士となり、バーチ… 続きを読む アニログ小説「おふ恋」Episode8
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アニログ小説「おふ恋」Episode6
本編 【第三章:二】 馴染みのネカフェで開催された我らがギルド秋のオフ会は、大変な盛り上がりを見せていた。バフを課金勢並みに使ったことで見事ランクインを果たし、トップレベルの報酬を得ることができたのだ。 「それでは、レ… 続きを読む アニログ小説「おふ恋」Episode6
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アニログ小説「ミヅメ」Episode3
本編 【第三章:『邪魔』】 美しい爪と書いて「ミヅメ」と呼ぶことにした。 いままでは呼び名がなくても、特に困ることもなかったが、先輩に彼女の名前を聞かれて、ふいにそう答えてしまった。 あれから、先輩はたびたび僕の部屋に… 続きを読む アニログ小説「ミヅメ」Episode3
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アニログ小説「ミヅメ」Episode2
本編 【第二章:『来客』】 小中高と塾にも通わず、独学で国内屈指の難関大学に進学した僕だが、そこで初めて自分のコミュニケーション能力の欠如を知る。 早い話が、“コミュ症”だったのだ。 それまで勉強さえしていれば生きてこ… 続きを読む アニログ小説「ミヅメ」Episode2
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アニログ小説「ミヅメ」Episode1
本編 【第一章:『隙間』】 外の世界がどれだけ美しくても、僕には関係ない。 この部屋で彼女と過ごす時間が、いまの僕の、幸せの全てだ。 いつになく上機嫌な彼女と戯れていたら、夜が明けていた。 カーテンの隙間から漏れる青… 続きを読む アニログ小説「ミヅメ」Episode1
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アニログ小説「おふ恋」Episode7
本編 【第四章:一】 スケスケはギルドからBANされた。 彼は必死に抵抗したが、庇う者は誰もいない。 『電光石火のモブアサシン隊』オープンチャットでも『戻らせてください、俺、頑張るっすから!』、という返事の来ない一方通… 続きを読む アニログ小説「おふ恋」Episode7
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アニログ小説「おふ恋」Episode5
本編 【第三章:一】 「ねぇ、聞こえるー?」 ゲーム中キャンディの大声が突然響き渡った。 ユージーン:キャンディ、ボリューム! ユースケ:耳いたっ! マリオネット:オバハンの声ゲーム中聞きたない スウ:VCですか? 「そ… 続きを読む アニログ小説「おふ恋」Episode5
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アニログ小説「おふ恋」Episode4
本編 【第二章:二】 「来ないわねぇ……」 前回と同じ待ち合わせ場所である駅前広場、小脇にどら焼きの菓子箱を抱えたキャンディがそう言った。 「ログインの形跡もなし」 スウは相変わらずボーイッシュな装い。大きな丸眼鏡のレン… 続きを読む アニログ小説「おふ恋」Episode4
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アニログ小説「おふ恋」Episode3
本編 【第二章:一】 さあ、失恋もしたことだし、バイトを再開しようかな。うん、それがいい。 どうせ期待していたこの夏はひとりぼっちだし、あわよくば新たな出会いがあるかもしれない。 ……いや待てよ、期待し過ぎるのは良くな… 続きを読む アニログ小説「おふ恋」Episode3
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アニログ小説「おふ恋」Episode2
本編 【第一章:二】 一行はとあるカフェに移動、ソファに座る五人の顔は、お洒落な白熱灯にぼやっと照らされていた。 そんな中俺は時折、ズル、ズルとコーヒーをすすりながら、スウの帽子のSmashと書かれたロゴあたりを眺めて… 続きを読む アニログ小説「おふ恋」Episode2
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アニログ小説「おふ恋」Episode1
本編 【第一章:一】 暗い部屋の中、ぼうっと光を放つパソコンの画面右下には1:15AMと表示されていた。 夕飯を済ませシャワーを浴びてから開始したので、かれこれ5時間は過ぎているだろうか。 それでもマウスを握る右手はカ… 続きを読む アニログ小説「おふ恋」Episode1
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アニログ小説「友人Sのひとりごと。」Episode5
本編 「ごめんねー佐久間君。手伝わせちゃって」 「いいえ」 放課後、とにかく飯田と話そう。 その意気込みは、委員会活動という極めて地味、かつ現実的な理由によりあっさりと打ち砕かれた。 今日は休館日だというのに、ついてない… 続きを読む アニログ小説「友人Sのひとりごと。」Episode5
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アニログ小説「友人Sのひとりごと。」Episode4
本編 あの図書館の事件から一ヶ月。 秘密を二つも共有してしまったせいか、俺と飯田の距離は自然かつ穏やかな速度感で縮まった。 それについて、親友たちもなにやら安心しているらしい。 最近では俺らに遠慮することなく二人で飯を… 続きを読む アニログ小説「友人Sのひとりごと。」Episode4
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アニログ小説「友人Sのひとりごと。」Episode3
本編 「きゃっ」 「さ、佐久間」 飯田の身体に巻きついているのは、数学教師の加藤だった。 若くて、可愛くて、巨乳。 いかにも高校生男子が好きそうな外見で、男だけの密談中にもよく出てくる名前である。 それがまあ、第二学年イ… 続きを読む アニログ小説「友人Sのひとりごと。」Episode3
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アニログ小説「友人Sのひとりごと。」Episode2
本編 土日をはさんで、月曜日。 いつもどおりの時間に学校に行くと、昇降口でこの時間としては見慣れない二人組と鉢合わせた。 「あ! おはよう佐久間」 「おはよ」 「おはよ。……なんだこれ。乙女ーゲか」 花村と、飯田。割と… 続きを読む アニログ小説「友人Sのひとりごと。」Episode2
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アニログ小説「友人Sのひとりごと。」Episode1
あらすじ紹介 恋愛ストーリーの主役の横には、大体妙に良い仕事をする友人が居る―― 突然親友から「恋人を紹介する」と呼び出された佐久間有は、あまりにも意外すぎる人物と対面する。 更に新しく出来た友人にも、なにやら秘密がある… 続きを読む アニログ小説「友人Sのひとりごと。」Episode1
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アニログ小説「天使と過ごした一年間」Episode4
本編 【四章:冬の天使】 天子は、入院した。 日曜日にお見舞いに行くと、病院の真っ白な個室の真っ白なベッドで天子が横になっていた。 腕には点滴のチューブ。顔は青白く、少し痩せたようだった。 「天子」 私が声をかけると、… 続きを読む アニログ小説「天使と過ごした一年間」Episode4
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アニログ小説「天使と過ごした一年間」Episode3
本編 【三章:秋探し】 秋のメインは学園祭だ。高校は学園祭の準備で忙しい。 私は特にどこの部活にも所属していないのでクラス展示だけの手伝いだからまだいいものの、高校エンジョイ勢のカナとかハルとかは部活もクラスも、と忙し… 続きを読む アニログ小説「天使と過ごした一年間」Episode3